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円安、次の節目は1ドル=115円60銭

日本経済新聞 経済部 湯田昌之

円相場の下落が続いている。トランプ次期米大統領の経済・財政政策に対する市場の期待がやまないためだ。米長期金利の上昇がドル高を誘発し、円安につながっている。ただ、ここにきて過熱感を指摘し、円高への反転のきっかけを探る声が増え始めた。そんな市場関係者が注目しているのがチャート分析の参考になるテクニカル指標だ。

「スピード違反だ」。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作チーフ為替ストラテジストは最近の円相場の下落についてこう表現する。25日の円相場は1ドル=113円台後半まで下げた。

米大統領選の開票の際に付けた直近の円高水準は101円19銭。週末を除けば、その後1日1円以上のペースで円安・ドル高が進んできたことになる。植野氏は「この傾向が続けばトランプ氏が大統領に就任する1月までに円は160円まで下げる計算で、明らかに異常なペース。どこかで揺り戻しがくる」と指摘する。

円が下落や上昇をみせる際、直近の安値や高値などが当面の反対売買の目安となることが多い。ただ、あまりにも変動が急な場合はこうした節目が役に立たないことがある。そういった場合に市場がよりどころとするのがテクニカル指標だ。

直近で注目を集めているのが外国為替市場で意識されてきた「フィボナッチ・リトレースメント」。中世イタリアの数学者、レオナルド・フィボナッチにちなんで名付けられた指標だ。高値と安値を設定し、高値から安値まで38.2%ないし61.8%円安が進んだ水準を特に重要な節目として意識する。

円の2015年の安値は125円86銭。16年の高値は6月24日に付けた99円ちょうどだった。ここからフィボナッチ・リトレースメントを設定すると、高値から61.8%円安が進んだ水準は115円60銭程度となる。ディーラーなどテクニカル指標を重視する市場関係者は、この水準を頭に入れて取引をしている。

市場は最近、テクニカル指標で苦い思いをしている。日本が勤労感謝の日だった23日。もう一つの重要テクニカル指標である高値から安値の「半値戻し」(112円43銭)を欧米市場であっさりと突破された。それでもテクニカル指標に頼るくらいしか見通しが立てにくい――。そんな難しい相場に市場は直面している。

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円乱高下、ミセスワタナベを翻弄

日本経済新聞 経済部 藤井裕起

乱高下する円相場が個人投資家を翻弄している。先週末には1ドル=114円台目前まで下落。個人投資家はトランプ相場の円安の流れに逆らう「逆張り」の円買いをあきらめ、円売りに戦略転換した。しかし28日の円相場は一転して上昇し、一時111円台半ばまで上げ幅を広げた。個人投資家は往復ビンタをくらったかのような状態だ。

トランプ氏が大統領選に勝利した9日以降の円安・ドル高局面で、外国為替証拠金(FX)取引を手掛ける日本の個人投資家「ミセスワタナベ」は円の反発を見込んで一貫して円買い・ドル売りを進めていた。QUICKが算出する店頭FX9社合計の週間の建玉状況によると、円買い建玉は大統領選投票日の前の週末だった4日時点から2週連続で増えた。18日には4日比で55%以上増え、円売り建玉を上回った。しかし前週末25日時点の円買い建玉は、18日比で6%以上減少した。

外為どっとコム総合研究所の神田卓也氏は「個人投資家は23日に円相場が112円台後半に下落したため、逆張りの円買いを諦めたようだ」と語る。円の2015年の安値は125円86銭、16年の高値は99円ちょうど。円が高値から安値の「半値戻し」である112円43銭をあっさりと下回ったため、一部の個人投資家は円売り姿勢に転換し始めた。

さらに24日以降に円相場が113円台に下落すると「円買いを進めていた個人投資家からまとまった額の損失確定(ロスカット)が出た」(FXプライムbyGMOの柳沢浩氏)。逆張りを続ける余力がなくなったミセスワタナベは、円の高値でこまめに円売り・ドル買いを出すようになった。

しかしミセスワタナベの円売りへの転換の裏をかくように、28日の円相場は一転して円高が進んだ。一時は23日以来の円高・ドル安水準である111円台半ばまで上昇。円売りに転換した個人投資家は再び損失を出した可能性が高い。

一方、円買い戦略に戻ることも難しい。今週は30日には石油輸出国機構(OPEC)が総会で、減産の最終合意をめざす。12月2日には11月の米雇用統計が発表される。「円相場に大きな影響を与えるイベントがあるため、個人投資家は身動きがとれない」(神田氏)。トランプ相場に乗り切れなかったミセスワタナベの苦悩はしばらく続きそうだ。

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アングル:ドル/円上昇モメンタム衰えず、イベントリスクこなせるか

[東京 24日 ロイター]
ドル/円の上昇モメンタムが衰えない。トランプ次期米大統領の政策への期待先行の面が強いとはいえ、堅調な米経済指標や米金利の上昇も追い風となっている。来週以降に控えるリスクイベントを、過熱感を抱えたまま、このまま無事通過できるか、注目されている。

<堅調な経済指標が後押し>

トランプ氏が掲げる大規模な財政支出が実際にできるかは未知数だ。議会では共和党のタカ派を説得しなければならないし、債務問題も消えたわけではない。その意味では、今のドル高は期待もしくは思惑先行なのだが、好調な米経済指標という追い風が吹いているところに、上昇モメンタムがなかなか衰えない秘密がある。

23日発表した10月の米耐久財受注は前月比4.8%増と昨年10月以来1年ぶりの大きな伸びとなった。民間設備投資の先行指標とされるコア資本財の受注は0.4%増。「米製造業が緩やかながら回復していることを示す」(外資系証券エコノミスト)と受け止められ、ドル買い材料となった。

このほか、住宅着工件数や新築住宅販売戸数、小売売上高など10月の経済指標は総じて堅調。米大統領選前のデータではあるが、第4・四半期の米経済が勢いを増していることを示唆している。12月の米利上げはほぼ完全に織り込まれたものの、市場が予想する来年以降の利上げ回数も増える兆しをみせている。

シティグループ証券のチーフFXストラテジスト、高島修氏によると「まだ天井を確認したとは言えない」という。反発局面が終了したと判断するテクニカル的な最低限の要件は、日足転換線109.80円前後を割り込むことだとしたうえで、「目先は週足雲の上限115.60円前後などを念頭に、上振れリスクを警戒するのが妥当だろう」との見方を示す。

<日々強まる過熱感>

ただ、足元のドル高や米金利上昇の影響が、米経済にどうでてくるかはまだ経済指標には表れていない。

11月18日までの週の米住宅新規購入向けローン申請指数は18.8%上昇の234.1と、週間の上昇率としては昨年10月2日以来の大きさを記録した。金利の先高観から駆け込み需要があったとみられている。駆け込み後は反動減への警戒感が強まる。

過去2カ月の日米の10年金利差の相関に基づいた場合、整合的なドル/円の水準は110円半ばであり、現状の水準はフェアバリューを2円程度上回っていると、JPモルガン・チェース銀行の為替調査部部長、棚瀬順哉氏は指摘する。

主要通貨に対するドル指数は101ポイントを超え、13年ぶりの高水準に上昇している。米経済に与えるドル高の悪影響が明らかになれば、次期米財務長官からドル高けん制発言が飛び出す可能性もある。

また来週以降は、リスクイベントが控えている。石油輸出国機構(OPEC)総会(11月30日)に加え、イタリアの憲法改正の是非を問う国民投票(12月4日)も控える。米12月米連邦公開市場委員会(FOMC、12月13─14日)で材料出尽くし感が広がるおそれもある。

野村証券のチーフ為替ストラテジスト、池田雄之輔氏は「ここからはトランプ氏の政策を見極めないと、米金利の追加的な(政策)織り込みには限界があるのではないか」とみる。財務長官や通商代表、商務長官という経済チームの陣容が固まっていない段階であり、「北米自由貿易協定(NAFTA)の問題などは後回しになっているにすぎないかもしれない」という。

一方、市場では「とりたててドル/円を売る材料は見当たらない。目をつぶって流れについていくしかない」(国内金融機関)との声も出る。勢いについていかなければ、リターンが得られない現状の中で、過熱感と向き合いながら、上値を見極めていくことになりそうだ。

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ドル112円台、経済指標で米利上げ観測強まる=NY市場

[ニューヨーク 23日 ロイター]
23日のニューヨーク外為市場では、ドルが円に対して一時、約8カ月ぶりの高水準に上昇した。米経済が堅調な成長の軌道にあると示す経済指標を受け、米連邦準備理事会(FRB)が来月だけでなく、2017年も政策金利を引き上げるとの観測が強まった。

ドル/円は朝方に一時、112.97円まで上昇。終盤は1.2%高の112.51円で推移している。

ユーロ/ドルは下落基調が続いて一時、1年7カ月ぶりの安値に低下した後、直近は0.7%安の1.0550ドルとなった。

主要6通貨に対するドル指数は一時、2003年3月以来の高値となる101.90に上昇し、終盤は0.6%高の101.67だった。

米商務省が発表した10月の耐久財受注統計では、非国防資本財から航空機を除いたコア資本財の受注が前月比0.4%増加。また米労働省が発表した週間の新規失業保険申請件数は、節目となる30万件を90週連続で下回った。これらの統計により、FRBが複数回にわたって利上げを実施するとの見方が広がった。

さらに11月の米ミシガン大消費者信頼感指数(確報値)は、米大統領選でのトランプ氏の勝利を受け、93.8に上昇した。

CMEグループのFEDウオッチによると、市場は現在、FRBが12月に利上げに踏み切る確率をほぼ100%と織り込んでいる。

この日公表された11月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨も、早期の利上げを正当化する内容だった。

BNYメロンのシニア・グローバル・マーケッツ・ストラテジスト、マービン・ロー氏は「この日発表された一連の経済指標はすべて、利上げに向けた障壁は低いとの見方を裏付けている」と述べた。

投資家は、トランプ次期大統領の景気刺激策によりインフレが高進し、そのためFRBが予想より速いペースで政策金利を引き上げる可能性が生じることで、ドルが下支えされるとみている。

一方でユーロは、来月に実施されるイタリアの国民投票や来年のフランスとドイツの国政選挙など、一連の政治リスクに直面している。

また人民元は、米大統領選でのトランプ氏勝利を受け、トレーダーが資本流出加速の兆しに対処する中、オフショア取引で一時、0.5%安の1ドル=6.9530元に下落して過去最安値を更新した。

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コラム:トランプ相場の賞味期限と円安余地

鈴木健吾 みずほ証券 チーフFXストラテジスト

[東京 17日]
正直、その奔放な言動と過激な政策などから共和党ドナルド・トランプ候補が当選した場合には金融市場のリスクオフ反応を予想していた。しかしこれまでのところ、トランプ氏が過激な政策の微修正や大統領職に真摯に向き合う姿勢を示していることで、期待がリスクに対する警戒感を上回る状況となっているようだ。

大統領選後1週間の値動きにはさすがに過熱感が強いものの、市場は金利上昇、株高、ドル高で反応し、ドル円は1ドル=110円を目指す動きを見せている。

筆者はこれまで一貫して、1)リスクの後退、2)テクニカル的な過熱感、3)ファンダメンタルズの見直し、の3つを理由に年末にかけて105円から110円程度の水準へ上昇する展開を予想してきた。今回の大統領選の結果そのものは想定外だったものの、市場がこれをリスク後退と認識したことで、ドル円の動きとしてはおおむね予想通りの展開となっている。年末にかけての予想がほぼ現実化したなか、視線をその先、来年前半にかけての相場に移していきたい。

<ドル押し上げ要因を打ち消す要注意リスク>

相場の方向には上昇と下降、そして横ばいの3つがあるが、基本的に来年半ばにかけては、横ばい・もみ合い・レンジ相場といった展開を想定している。この見通しについても「リスク」「テクニカル」「ファンダメンタルズ」が重要だ。

原油価格の急落や中国経済の急減速観測など、今年前半にかけて先鋭化したいくつかのリスクが緩和されたことがリスク回避の円高圧力を和らげ、ドル円上昇の1つの要因になったと考えているが、来年前半にかけてはまだ警戒すべきリスクがくすぶっている。

例えば、11月30日に予定される石油輸出国機構(OPEC)の総会で原油減産の話し合いが決裂するリスクがある。昨年も年末のOPECでの減産合意見送りをきっかけに原油価格が急落した経緯は記憶に新しい。

12月4日にはイタリアで憲法改正に関する国民投票が行われる。レンツィ首相はこれに政治生命をかけるかのような発言しており、否決された場合には首相辞任や解散総選挙の可能性が視野に入る。この場合、反欧州連合(EU)を掲げる政党の躍進などを含め政局の不透明感が高まるだろう。また、同日にはオーストリア大統領選挙も実施される。ここでも反EUを掲げる極右政党が勝利する可能性が指摘される。

12月14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では利上げが行われると見ているが、万が一、見送られればドル円の急落を誘うだろう。加えて来年序盤にかけて警戒が必要なのがトランプ氏の言動と英国のEU離脱問題だ。

前述の通り、大統領選後、トランプ氏が奔放な言動を封印していることが好感されているが、「選挙戦で見せた奔放な姿こそが本性ではないか」との懸念が常に脳裏をよぎる。来年序盤にかけて閣僚人事決定や就任式、一般教書演説などの重要イベントが控えるが、現状、期待で大きくリスクオンに振れた分、その言動次第では大きく巻き戻される可能性には警戒が必要だ。

また、英国のEU離脱も要注意だ。メイ首相は来年3月までにEUに対して離脱を通知するとしたが、高等法院は11月、離脱の通知には議会の承認が必要との判決を行い、英国政府が最高裁に上訴している。この判決が1月にも出る予定だ。

議会承認が必要となれば、政府が経済的な損失を度外視してEU離脱に突き進む「ハードブレグジット」の可能性が低下する。他方、承認必要なしということになれば拙速な離脱に対する警戒感が高まるだろう。

後退していくリスクがドル円の押し上げ要因となる一方、このような要注意リスクが頭を押さえ、結果としてドル円の上下の方向性は限定的となるだろう。

<1ドル102―112円のレンジ相場へ>

テクニカル的な動きに関しては先月のコラムでも言及したが、2012年以降の値動きを振り返ると、半年以上にわたって値幅20円以上もの一方的なトレンドが続いた場合、その後、半年程度は横ばいの動きが見られている。

短期間の大幅な為替相場の変動を実体経済が織り込み、消化するために相応の時間がかかるためではないかと考えているが、今回も昨年末から約24円もの円高を実体経済が消化するなかで、ドル円相場は来年序盤にかけて、もみ合い・横ばいといった状況になるのではないか。

ファンダメンタルズ面もドル円の方向感を醸し出すには決め手に欠きそうだ。米国では緩やかな景気回復が継続しているが、今後は景気回復局面も後半戦入りが明らかになっていくだろう。米連邦準備理事会(FRB)も、利上げを模索しつつも非常に緩やかなペースで進めるとのスタンスは崩すまい。

トランプ氏の政策も、国内産業を重視する姿勢がドル安要因である反面、米企業に海外からの資金回帰を促す税制の導入などはドル高要因であり、ドル円の方向に与える影響についてはすぐには判断が難しいだろう。

日本サイドにおいても、円高要因とされる経常収支の増加がじわりと継続している一方で、対外証券投資による円安圧力も強まっている。日銀は9月の金融政策枠組み変更後、持久戦の構えを見せており、必要ならば躊躇(ちゅうちょ)しないとしつつも、目先、追加緩和に対しては腰が重いだろう。

このようにリスク動向、テクニカル、ファンダメンタルズなどからドル円相場は来年半ばにかけて横ばい・もみ合いの展開を想定している。具体的には1ドル=106―107円近辺を中心に、102―112円程度のレンジ相場となるのではないか。

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コラム:トランプ円安は短命、英ショックの教訓

佐々木融 JPモルガン・チェース銀行 市場調査本部長

[東京 11日] - 驚きの結果に終わった米大統領選を受け、ドル円相場は約3カ月続いていた100―105円を中心とするレンジを上抜け、予想外に上昇した。米長期金利が急騰し、日米10年金利差が拡大していることが主因と考えられる。非常に強かった過去2カ月間の相関からすると、ドル円にはもう少し上値余地があるようにも見える。

今後の水準としての目安は、7月につけた107円台半ば近辺だろう。これを短期的に上抜ける可能性が排除できないと考えるが、上抜けして、さらに1円程度上昇し、そこでドル円の上昇期待が非常に高まった辺りがピークになるのではないかと見ている。

日本側の要因は、ドル円が急騰した2012年から14年までとは状況が全く異なる。したがって、ここからの円安余地は限定的で、ドル円の一段の上昇にはドル高が必要になるが、現在の環境を考えるとドルの上値も限定的だろう。

ドル名目実効レートはすでに今年1月につけたピークに0.2%のところまで迫っている。前回この水準までドルが上昇する過程で、米国製造業の景況感は著しく悪化し、米供給管理協会(ISM)発表の製造業景気指数は48.0とリーマンショック以来の水準まで落ち込んだ。

ドナルド・トランプ次期大統領は米国の製造業を守ることを最優先課題の1つとして掲げて当選している。ドル高に拍車がかかると、通貨高を懸念する発言が飛び出してくる可能性もある。日本で当局者が「円は安すぎる」と発言したら簡単に円高になることが予想されるように、米国で当局者が「ドルは強すぎる」と発言したら簡単にドル安となる。日本は経常黒字・対外純債権国であり、米国は経常赤字・対外純負債国であるがゆえの構図だ。

<「トランプリスク」再浮上の可能性>

トランプ氏の当選可能性が高まってきたときに、市場参加者がリスク回避志向を強め、株が売られ、円が買われた理由は、トランプ氏が極端に保護主義的な政策を掲げ、中国を為替操作国に認定し、不法移民を強制退去させるなどといった政策を主張していたからだ。

しかし、当選が確定した際の勝利宣言で、トランプ氏はこうした過激な政策には触れず、耳障りの良い言葉を並べ、極めてまともな内容の演説を行った。これにより、市場はトランプ氏の政策の中で景気にポジティブな側面、つまり減税やインフラ投資の拡大に目を向け、リフレ的な反応をしたと考えらえる。上下両院で共和党が過半数を取り、こうした政策が実現する可能性がある程度高まったと受け止められたことも影響しているのかもしれない。

もちろん、トランプ氏はどこかの時点で、自分に投票した人を喜ばせた「市場にとっては耳障りの悪い主張」に触れなければならなくなる。議会もトランプ氏の主張を全て受け入れるとは思えない。そのとき、市場は再び、なぜトランプ氏の当選確率が高まった際にリスク回避モードになったのかを思い起こすことだろう。

日本に対する態度も注目される。トランプ氏は今年初め、「私の友人たちは、今ではコマツのトラクターを買っている。円安誘導のせいでキャタピラーのトラクターを買えなくなったからだ」と発言した。確かに米国は日本にとって最大の輸出相手国であり、対米貿易収支は黒字だ。だが、日本の米国からの輸入も中国に次いで2位だ。

確かに日米貿易摩擦が激化した1990年代前半、米国の貿易赤字に占める対日赤字の割合は50%を超えていた。しかし、今ではその割合は10%を切っている。トランプ氏がその事実を理解しているのかは本人にしか分からない。

<ブレグジット後もドル円反発後に下落>

ところで、米大統領選の前、多くの市場参加者は、トランプ氏が大統領選に勝利したら、6月23日の国民投票で欧州連合(EU)離脱を選んだ英国ショック(ブレグジット)と同じような動きになることを懸念していた。

実は、ブレグジット前と今回の米大統領選前で似たような現象が起きている。それは、1カ月物のドル円リスクリバーサルが3%近くまで極端に円コールオーバーに傾いていたことだ。

ブレグジット前を振り返れば、6月16日にドル円が105円を下抜けしたため、円高懸念が高まったのは事実だが、その後104円台でしばらく推移していても、3%近くの円コールオーバーにとどまっていた。今年2月初め、日銀がマイナス金利を導入した後に10日程度で120円台から一気に111円まで急落した際も同程度まで拡大したが、このときは明らかに実際にドル円が急落したことに反応していた。

つまり、ブレグジットのときも米大統領選のときも、オプション市場ではあらかじめリスク(ドル円の急落)に備える動きが取られていた可能性がある。だからこそ、そうしたリスクが顕現化した際に、そのポジションを閉じるために、急速にドル円が買い戻された可能性も考えられる。

実際、前回ドル円が107円台まで上昇したのも、ブレグジット後の反発局面である7月中旬だ。もし、今回もブレグジット後と同じ現象が起きているのならば、この後のドル円の反落スピードが速くなる可能性もある。

当社はトランプ氏が当選しても、以前同様、米連邦準備理事会(FRB)が12月13―14日の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを決定すると予想している。昨年も12月に利上げが行われたので、記憶に新しいが、通常、米国の長期金利やドルは利上げの前後がピークとなり、利上げが行われると反落する傾向にある。今回も同じような動きをするのならば、そろそろ米長期金利もドルもピークアウトして反落に向かう可能性は低くないと考える。

筆者にとって、今回のドル円相場の急反発は予想外の動きだったが、ここからの上昇余力は限定的で、今後1カ月以内には反落すると予想している。

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来週はドル堅調地合い、感謝祭前の調整売り警戒

[東京 18日 ロイター]
来週の外為市場でドル/円は、米国の利上げ観測を背景に堅調地合いが続くとみられている。ただ、これまで急ピッチに上昇してきたこともあり、調整や利益確定の売りが入る可能性がある。特に米国では感謝祭前に取引が活発化しそうだ。

予想レンジはドル/円が108.00─112.00円、ユーロ/ドルが1.0450─1.0750ドル。

イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が17日の議会証言で、追加利上げが「比較的早期に」適切になる可能性があると発言し、ドル買いが強まっている。心理的節目の110円をあっさり上抜けると、18日の東京時間中に110円後半まで上昇した。

米国は24日が感謝祭で休日となる。「通例、感謝祭休暇を前にラストスパートという参加者が出てくる」(外為アナリスト)といい、来週前半にかけて売買が膨らむ可能性がある。110円を抜けたことでドル先高観も出てきており、目先、チャート的には5月30日高値111.44円付近が次の上目めどとして意識されている。

一方、これまでのドル/円上昇のペースが速かったこともあり、いったんスピード調整が入るとの見方も根強い。「日本の祝日や米国の感謝祭を前に利食いや手じまいが入るイメージがある」(国内ブローカー)との声も出ている。もっとも、調整が入った場合でも108円付近では下げ止まるとの見方が多い。

米国では来週、10月分の中古住宅販売件数、耐久財受注、新築住宅販売件数などが発表されるほか、11月1─2日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が公表予定。

米国の金融政策に関しては「12月利上げがほぼ織り込まれ、市場の焦点は来年の利上げペースに移りつつある。トランプ新政権下では年2回を本線に考えたい」(同)との声が出ていた。

<ユーロは1.05ドルの攻防>

ユーロは18日に1.06ドルを下回り、1.0580ドル付近まで下落。昨年12月初旬以来11カ月半ぶり安値をつけた。

来週のユーロは1.05ドル水準でサポートされるかがポイントという。売られ過ぎの反動でショートカバーが入ってもおかしくはないが、米欧金利差の拡大傾向が維持されることで上昇余地は限られるとの見方も出ている。

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外為:ドル110円台に上昇、約5カ月半ぶり高値

<06:44> ドル一時110円台に上昇、約5カ月半ぶり高値

ドルは110.15円付近。約5カ月半ぶりの高値まで上昇している。イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が講演で12月の利上げを示唆したことを受け、ドル買いが活発化している。


イエレン米FRB議長が来月利上げ示唆、「比較的早期適切」

[ワシントン 17日 ロイター] - イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長は議会合同経済委員会で証言し、経済指標が引き続き労働市場の改善とインフレ加速を示せば、FRBは「比較的早期に」利上げする可能性があるとの認識を示した。12月利上げを明確に示唆した発言とみられている。

FRB当局者は今月の会合で利上げの根拠は強まってきたと判断したと指摘。「利上げは比較的早期に適切となるだろう」とした。

米経済は緩やかな成長軌道にあるもようと述べ、完全雇用と2%のインフレ目標の達成を促すとした。

議長は、米経済は労働市場への新規参入者を十分吸収できるペースで雇用を創出していると述べるなど、米景気に対し総じて明るい見方を示した。賃金の伸びは「加速している」としたほか、個人消費も「緩やかな増加が続いている」とし、経済成長が弱含んだ上期から持ち直す一助となると指摘した。中国、欧州経済のぜい弱さを踏まえ、これまで主要リスクとされてきた海外経済についても安定するとの見方を示した。

「11月会合以降に見られる証拠は、成長が力強さを増し労働市場が改善するとともに、インフレ率も上昇するとのわれわれの想定に沿っている」とし、「米経済の成長は上向いているもよう」と述べた。

トランプ次期政権下の財政政策次第では、FRBの基本シナリオは大きく変わる可能性もあるが、証言原稿では大統領選挙の結果に関する言及はなかった。

ただ証言では、トランプ氏が巨額減税やインフラ投資を掲げていることとについて、米労働市場が完全雇用に近付きつつあり、インフレ率がFRBの目標である2%に向かい上昇する可能性があることに留意し、「長期的な成長と生産性押し上げ」に重点を置く政策を実施すべきとの考えを示した。

さらに、2018年に任期を迎えるまで議長職にとどまる意向を示したほか、FRBは見通しを修正する構えとの立場を示し、「経済政策が一段と明確になれば、雇用やインフレへの影響を勘案する必要があり、おそらく見通しを調整する」とした。

また、FRBの政治からの独立が責務遂行上不可欠とするFRB当局者のコンセンサスをあらためて示し、金融政策への監視強化をけん制。「中銀が長期的視点を維持できる国でより良好な結果が出ていることを示す明確な証拠が存在する」とし、「経済の健全性のためには、中銀は時として不人気な政策を講じなくてはならないことがある」と語った。

トランプ氏が金融規制の緩和を主張していることについては、金融危機の再発を招きかねないとし、金融規制改革法(ドッド・フランク法)の「時計の針を巻き戻す」ことに警鐘を鳴らした。

現在0.25─0.5%としているフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標については、経済活動を刺激しているとし、米経済にはインフレの懸念すべき兆候が出るまで「回復余地がなおある」とした。

その上で、現時点ではFRBが「近い将来、後手に回るリスクは限られているようだ」とし、FF金利の段階的な引き上げしか正当化しないとの認識を示した。ただ「FF金利の適切な軌道は、見通しの変化に応じて変わる」とした。

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焦点:1週間で8円の円安、政府内に警戒感 米次期政権の政策手探り

[東京 16日 ロイター]
トランプ氏の米大統領当選後、約1週間で8円の円安が進行している。超大型の財政出動を市場が好感した結果とも言えるが、日本の政策当局者の中には、米新政権が進行中のドル高/円安を本当に受け入れるかはっきりせず、先行きの不透明さを指摘する声もある。

また、急速な市場変動は巻き戻しのリスクも高まると警戒する見方もある。米国の新チームがどのような政策を志向するのか、日本サイドは手探りの状況が続く。

<日本政府が予想できなかったドル高/円安の進展>

米大統領選前、政府では「トランプ氏勝利なら、リスクオフによる円高」を予想する声が多かった。

しかし、選挙結果を受けて円はいったん円高方向に動いたものの、1ドル=101円台から方向転換。9日夕方(日本時間)から米長期金利の急上昇と歩調を合わせるように円安が急進、15日の米市場で109円台に乗せた。

大統領選の結果判明後、財務省幹部は「トランプ氏の政策が、過激な部分を除けば市場にフレンドリーだということが意識された」と分析した一方、「わずか1日で戻すとは」と意外感を隠さなかった。

複数の政府筋によると、トランプ氏当選後に大幅な米金利上昇とドル高の進展を予想していた向きは、政府内には皆無だったという。

<米側からけん制発言なし>

開票から約1週間で8円も円安が進んだことに対し、政府内では「ファンダメンタルズとそれほどかい離した動きではない」との見方がある一方、急速な円安に困惑する声も上がる。

米財務長官などトランプ新政権の主要閣僚の顔ぶれが明らかになっていない中で、仮に財政健全派の人物が登用されれば、マネーの流れが逆回転し、一気に円高方向へ向かうリスクを警戒する声も、政府内にある。

ただ、複数の関係者によると、トランプ次期大統領や政権移行チームのメンバーと日本側のパイプは太くはなく、新政権の金融政策を含めたマクロ政策や為替政策の方向性を予測するには材料が少ないという。

また、今のところ、米側から足元の円安進行を警戒、けん制する声は出ていないもようだ。

日米両国は、これまで20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議などの国際舞台で、為替動向をめぐってけん制し合ってきた経緯がある。

円高局面で日本が「偏った動き」と指摘するのに対し、米国が「秩序立った動き」と応じる構図も、過度な円安が進めば「日米の立場が変わる可能性もある」(政府関係者)という。

<トランプチームの本音見えず>

こうした状況を踏まえ、政府は要人発言に慎重を期し、市場に無用の刺激を与えないよう苦心している。

短期的には、ドル高/円安は輸出系企業の収益を底上げし、日本株の支援要因になる。円安による輸入物価の上昇は、足元で小幅なマイナスとなっている消費者物価指数(CPI)をプラス圏に押し上げる効果も期待できる。

しかし、急速な円安が中小企業の収益を圧迫したり、物価上昇が年金生活者の消費性向を低下させ、国内景気を冷え込ませるリスクもある。

何より、トランプ次期大統領とその周辺が、「円安批判」を声高に主張するようになってしまえば、日米関係にひびが入りかねないリスクを高めてしまう。

トランプ次期大統領と周辺の「本音」が見えない中では、「様子を見るしかない」との声が政府関係者から数多く漏れてくる。

ある財務省幹部は「山高ければ谷深しだ」と相場動向に警戒感をにじませたが、「そう言うことくらいしかできない」とも語った。

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ドル109円台に上昇、堅調な米小売売上高受け=NY市場

[ニューヨーク 15日 ロイター]
終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが主要通貨バスケットに対して上昇し、11カ月ぶりの高水準となった。対円では109円台前半に上昇し、一時5カ月半ぶりの高値を付けた。10月の米小売売上高が堅調だったことで米国債利回りが上昇し、ドル買いを後押しした。

ドル/円は終盤、0.8%高の109.26円となった。一時は109.33円まで上昇する場面もあった。

主要6通貨に対するドル指数.DXYは、一時100.26まで上昇し、終盤は0.1%高の100.22で取引された。ドル指数は7営業日続伸となり、この間の上昇率は3.23%に上った。

前日に11カ月ぶりの安値を付けたユーロ/ドルは、一時1.0816ドルまで持ち直したが、終盤は0.2%安の1.0719ドルで取引された。

この日発表の10月の小売売上高は前月比0.8%増となり、市場予想の0.6%増を上回る大きな伸びを示した。

小売りの強さは、連邦準備理事会(FRB)が12月に追加利上げに踏み切るとの見方を補強する材料となり、米2年債の利回りは今年1月以来の水準となる1.029%まで上昇した。

ただ、共和党のドナルド・トランプ氏の大統領選勝利を受けた国債利回りの上昇の動きが弱まり、一時はドル売りが優勢になる場面もあった。

コモンウェルス・フォーリン・エクスチェンジのチーフ市場ストラテジスト、オマー・エジナー氏は「債券、ドルとも値固めの時期にあるようで、一服の様相だった」と話した。

トランプ氏が景気後押しのために減税や財政出動に乗り出すことへの期待から国債の利回りが上昇し、ドルは上げている。しかし、トランプ氏が選挙で主張してきた貿易や移民の制限は企業活動の妨げとなり、経済の重しになるとの声もアナリストから上がっている。

ゲイン・キャピタルの調査責任者、ジェームズ・チェン氏は「選挙戦で訴えてきたことにトランプ氏がどう取り組むのかは分からない」と見通しの不透明さを強調した。

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