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ドル指数のスマイルカーブは 対円でほほ笑まず年末94円へ

http://diamond.jp/articles/-/99451

田中泰輔(ドイツ証券グローバルマクロリサーチオフィサー)

今年の世界の為替相場の基本テーマに、図に示したドル指数(各為替レートを貿易量で加重平均したドルの総合為替レート)のスマイルカーブ(水色U字線)を据えている。世界が先行き不安でリスク投資に消極的になる状況(横軸左側)では、特に新興国・資源国通貨が脆弱化し、ドル指数は上昇しよう。

逆に、米景気堅調で利上げ期待が高まるリスクに前向きな状況(同右側)でも、2012~14年に見たように、ドルは大半の通貨に対して強くなるだろう。このリスクのオフとオンの中間部分は、米景気がいまひとつで利上げ見送りの一方、世界経済はそれを好感して底堅くなる状況だ。多くの通貨が反発し、ドル指数は下落しやすい。

もっとも、ドルは対円ではスマイルしない(図中点線)。ドル円は、米景気が堅調で利上げが複数回展望できる場合に限り、底堅さを見せよう。世界的リスクオフ時は、ドル指数が上昇しても、円は「安全通貨」として、ドルに対して上昇しよう。

中間部分でも米利上げ先送りを受けて円高ドル安基調が勝るだろう。今年3月以降の米利上げ見送りは、ブラジルレアルなどリスク通貨を反発させた一方、円は上昇し、日本株を下落させた。背景には、2月以降のドル円の急落過程で、輸出企業など日本勢がドルを大幅に売り遅れていることがある。

米国の今景気回復サイクルは既に後半~終盤にあると判断される。景気拡大の裾野は徐々に狭まり、その名残が来年へ永らえるか、早々に頭打ち感を出すか、現時点で一方に肩入れする判定は難しい。現実には、どちらか判然としないまま、数カ月ごとにリスクオフとオンを行き来する展開を見込む。

問題は、ドル円が底堅いのは図の横軸右側の25%の領域のみで、残り75%の領域で円高に傾きやすいことだ。複数回の米利上げをよほどしっかり織り込めない限り、リスクオン時のドル円の反発が小さいと失望されて、逆に円高を招くことすらあり得る。

ドル円の予想水準は、9月末97円、12月末94円を変えていない。ドル円は、100円以上にとどまるか100円を割り込むかで、山の尾根の日なた側か日陰側かというほどに相場参加者の心理と行動を変える恐れがある。今後、イエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長のジャクソンホール講演(8月26日)、日本銀行政策の「包括的検証」(9月21日)などイベント前に相場が足踏みするだけで、円高リスクが意識されるだろう。

ただし、先行きは暗いばかりではない。原油が1バレル20ドル台から40~50ドル台に値を戻したように、最近リスク通貨・資源の反発領域、すなわちドル指数のスマイルカーブも広がった感がある。来年にかけてドル指数の上昇サイクルは終わり、新興国・資源国通貨も底値模索に移り、相場に新たな芽が現れると期待している。

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米FRB議長「利上げ論拠強まった」、9月の可能性も

[ジャクソンホール(米ワイオミング州) 26日 ロイター]
米連邦準備理事会(FRB)が利上げ実施に近付いている様相が鮮明になってきた。イエレンFRB議長は26日、ワイオミング州ジャクソンホールでの年次経済シンポジウムで「利上げへの論拠が強まってきた」と言明。他のFRB当局者も利上げに意欲を示し、早ければ9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げに踏み切る可能性が出てきた。

イエレン議長はこの日の講演で「FRBが目標とする最大雇用と物価安定に米経済は近づいている」と言明。足元で雇用が持ち直している点に言及し、FRBは経済が今後も拡大を続けると予想していると述べた。

その上で「労働市場における継続的な底堅い動きや経済、インフレ動向の見通しを踏まえ、フェデラル・ファンド(FF)金利を引き上げる論拠が過去数カ月間で強まったと確信する」と述べた。同時に利上げは「段階的」であるべきとも強調した。

ただ議長は、利上げを決定する上でFRBは何を確認する必要があるのか、明確な道筋は示さなかった。FRBが早期利上げに踏み切るのか、あるいは一段と慎重に対応するかをめぐっては、FRB内でも意見が大きく分かれており、市場は利上げ時期に関する中銀の指針説明に懐疑的な姿勢を示している。

ソシエテ・ジェネラル(ワシントン)の米金利戦略部長、スバドラ・ラジャパ氏は「議長は、割合早い時期の利上げに含みを残しただけだ」と話す。

イエレン議長の講演後、フィッシャーFRB副議長はCNBCとのインタビューで、9月に利上げが実施され、年内に複数回の利上げがあると予期すべきかとの質問に対し、「イエレン議長がこの日の講演で述べたことは、この2つの質問に対し『イエス』と答えることと整合性が取れている」と語った。ただ、こうしたことは経済指標次第となるとの見方も示した。

アトランタ地区連銀のロックハート総裁は、年内に2回の利上げが可能との考えを示したほか、クリーブランド地区連銀のメスター総裁は、インフレ高進の対応で後手に回らぬよう早期利上げは理にかなっていると語った。

主要通貨に対するドル指数は当初急伸。その後、イエレン議長が利上げ時期にコミットしていないとの印象を与えたことで、ドルは値を消す展開となったものの、フィッシャー副議長らの発言を受け、再び買いが戻った。

利上げをめぐり、FRB内でなお見解が分かれていることも浮き彫りとなった。

パウエルFRB理事はブルームバーグテレビに対し、FRBは利上げに関して慎重かつ忍耐強く臨むべきで、利上げに踏み切る前にインフレ率が上昇することを確認したいと語った。「われわれには忍耐強く構える余裕があるが、2%の目標に向けたインフレの進展や労働市場の引き締まり、力強い成長など十分な材料がそろえば、その機会を活かすべきだ」と語った。

イエレン議長は今後数年の金利見通しをめぐり、FRB内に幅広い見解があると指摘。現在の予測では、2017年末時点の金利水準が70%の確率で0━3.75%、2018年末時点が70%の確率で0━4.5%と見込まれていると明らかにした。

短期金利先物相場が織り込む利上げ確率は、12月が五分五分で、イエレン議長の発言前からほぼ変わらず。9、11月の予想確率は低下した。


米FRB議長ら、次の景気後退時の政策ツールをジャクソンホールで議論

[ジャクソンホール(米ワイオミング州) 27日 ロイター]
米カンザスシティー地区連銀が主催した経済シンポジウムでは、米連邦準備理事会(FRB)当局者からは今後景気後退(リセッション)入りした場合の新たな政策ツールについての意見も聞かれた。

アトランタ地区連銀のロックハート総裁は、会合の合間のインタビューで、中銀は新たな世界に足を踏み入れつつあると語り、FRBが2007─09年のリセッション時に講じた資産買い入れ措置により膨れ上がったバランスシートについて、一部の当局者は、この状況を現実として受け入れるべきだと考え始めている、と述べた。

イエレンFRB議長は、FRBのバランスシートは米経済が今後またリセッション入りした場合、景気支援に向けた資産買い入れで再び膨らむ可能性が高いとの認識を示した。

議長はまた、次回リセッション時に講じる措置は、利下げや資産買い入れなど従来措置が適切だとしたうえで、資産買い入れ対象の拡大やインフレ目標の引き上げなど、他の中銀が講じた策を選ぶ可能性もある、と述べた。また変化率よりも価格の平均水準を目標とする可能性も挙げた。ただ議長が列挙した策の中には、マイナス金利の導入は含まれていなかった。

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ドル102円に迫る、FRB正副議長発言で年内利上げ観測高まる=NY外為

[ニューヨーク 26日 ロイター]
終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが円に対し2週間ぶり高値をつけた。米経済の改善を背景に、利上げの根拠が強まったとしたイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の発言が支援した。

ドルは発言を受けて急伸したが、議長が利上げが差し迫っているとの印象は与えなかったため値を消した。だがその後、フィッシャー副議長がFRBは依然として年内利上げの軌道にあるとのタカ派な発言を行なったことで、FRB幹部の発言を再評価する動きが強まり、ドルに再び買いの勢いが戻った。

TD証券シニア為替ストラテジスト、マゼン・イッサ氏は「ハト派当局者が利上げの正当性が強まっていると発言すれば、市場はこれを尊重する。FRB議長ともなればなおさらだ」と指摘。「ここにフィッシャー副議長の発言が加わり、さらにイエレン氏の発言が後押しされた。イエレン、フィッシャー両氏はほぼ同じ考えにあるため、ドルを押し上げる要因となった」と分析した。

CMEのフェドウォッチによると、終盤の取引で、米短期金利先物相場が織り込む9月利上げの可能性は36%と、イエレン議長の発言直後の24%から上昇した。12月利上げの確率も序盤の57%から60%超に上昇した。

ドル/円は1.3%高の101.88円。一時は2週間ぶり高値となる101.93円に上昇した。

ドルはスイスフランに対しては1.2%高の0.9788フラン。ユーロ/ドルは0.9%安の1.1180ドル。

ドル指数は0.8%上昇の95.563。

朝方発表された第2・四半期の米国内総生産(GDP)改定値は年率換算で前期比1.1%増となり、速報値の1.2%増から小幅に下方修正されたが、市場ではあまり材料視されなかった。

内訳の個人消費支出は4.4%増と、2014年の第4・四半期以来の大幅な伸びとなり、明るい材料を提供した。

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コラム:日銀検証とジャクソンホール結ぶ点と線

木野内栄治 大和証券 チーフテクニカルアナリスト兼シニアストラテジスト

東京 23日]
8月25―27日に開催される米カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)では、26日にイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の講演が予定されている。

市場は、当面の金融政策運営に関するイエレン議長の発言に最大の関心を寄せているようだが、筆者の注目点は異なる。ジャクソンホール会議で、将来の緩和策のオプションが列挙され議論が行われることの方が重要だ。日銀による9月の総括的な検証にも大いに影響すると見ている。以下、日銀総括検証とジャクソンホール会議を結ぶ点と線について考察したい。

<6月には総括検証の実施を決意か>

黒田東彦日銀総裁は8月20日付の産経新聞のインタビュー記事で、総括検証は金融政策の予見可能性と関係していると説明した。日銀が予見可能性を重視するスタンスを表明したのは6月20日の総裁講演が初めてで、この時期には総括検証を実施することを決めていた可能性が高い。サプライズ演出からの転換と話題になったので、覚えている方も多いだろう。

6月17日にセントルイス連銀のブラード総裁が、いきなりハト派の筆頭に転換する論文を発表して周囲を驚かせた。2年半で必要な利上げは1度だけだという。この数週間前には向こう数年で徐々に利上げをする根拠の方が多いとの見方を示していた。ブラード総裁には意見がころころ変わるとのレッテルが貼られているが、中銀関係者の中での風向きの変化を敏感に表していたとも言える。

黒田総裁やブラード総裁の意見の転換を見ると、世界の中銀関係者の中で6月に何かがあった可能性が高い。筆者は、6月2日のFRBの発表が後押ししたのだと思う。

つまり、ジャクソンホール会議のテーマが「将来のための強靭な金融政策の枠組みの構築 (Designing Resilient Monetary Policy Frameworks for the Future)」であり、イエレンFRB議長が2年ぶりに出席すると発表された。世界の中銀関係者は、FRBがこのテーマを定め、議長が出席する意味が何であるかを、察知したのだと思う。結果、黒田総裁やブラード総裁は予見可能性の重視やハト派的なスタンスに転換してきたのだろう。

<バーナンキ前FRB議長へのシンパシー>

さて、イエレン議長の心中を推測してみたい。3月27日の講演ではイエレン議長は「長期停滞論」をリスクシナリオの筆頭に挙げた。昨年12月17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で「長期停滞が存在するとの見方は委員会にはない」と明言していたので、3月までにスタンスを変化させるような「何か」が起きたのだろうと思う。

長期停滞論とまで行かなくても、次の景気後退時に何ができるかを論じたバーナンキ前FRB議長のブログ(What tools does the Fed have left?)の連載が行われたのが3月18日から4月11日だ。ブログは金融工具箱(monetary toolbox)にどんな手段が残っているかとの問いかけで始まったが、類似したキーワードがジャクソンホール会議でのイエレン議長の講演タイトル「The Federal Reserve's Monetary Policy Toolkit」で前面に出ている。イエレン議長は前任者の意見にシンパシーを感じていることは間違いないと思う。

このように見ると、イエレン議長や世界の中銀関係者の問題意識は、3月から6月にかけて長期停滞論や次の景気後退に対して何ができるかに収斂(しゅうれん)したと言えるだろう。

<緩和オプションめぐり議論百出は必至>

では、ジャクソンホール会議ではどのような議論が出てくるのだろうか。バーナンキ氏は前述したブログで、金利の釘付け政策、マイナス金利、ヘリコプターマネーをテーマに、フォワードガイダンスや量的緩和などにも触れながら、事細かにオペレーションまでも論じていた。

イエレン議長の側近で、議長に考えが近いとされるウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁は、8月15日公表の論文の冒頭で「金融政策の枠組みの見直しを検討すべき時が来た」と主張し、インフレ目標の水準引き上げや、名目国内総生産(GDP)目標をその手段として挙げた。

今週末のジャクソンホール会議では、FRBや各国中銀関係者、学術研究者がこうした政策オプションを列挙して議論するだろう。各国金融政策の効果に関しても学術的な見地から検証されると思われる。

一方、市場では当面の金融政策に向けた直接的なイエレン議長発言があるかもしれないと注目されている面もある。筆者はイエレン議長が直接的な発言をするとは思わないし、お気に入りの最適コントロール手法で書かれた最新のスタッフ論文の結論を繰り返す可能性も高いと思う。量的緩和とフォワードガイダンスを用いれば急激な景気悪化に対処できるとのありきたりな結論だ。

それでも、多くの参加者から、長期的な政策に影響を及ぼす議論が百出するだろう。こちらの方が米金融政策ウォッチャーらを大いに賑わすことになるし、短期的にも緩和バイアスやドル安圧力として市場で注目されると思う。

<日銀も対抗して政策オプション列挙へ>

そして、筆者は日銀による9月の総括検証も、ジャクソンホール会議での議論百出と類似すると見ている。

まず、ジャクソンホール会議において、日銀が実施した政策の効果が海外の学者たちによる検証対象となるだろう。昔から、日本は格好の検証対象だ。

筆者の専門分野で例を挙げれば、マイナス金利を導入した国の株価収益倍率(PER)は、そうでない国と比べて3―4倍ポイントほど低くなってしまうことが観測される。2014年以前は英国とドイツのPERは連動していたが、欧州中銀(ECB)がマイナス金利政策を導入してからは大きく差がついてしまった。

英国と日本のPERも2014年頃は連動していたが、いまでは大きく差がついている。ジャクソンホール会議でこうした議論が提示されるだろうから、日銀の総括検証に影響しないわけがない。

日銀は、「量的・質的金融緩和」「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」のもとでの経済・物価動向や政策効果について総括的な検証を行う、としている。一義的には、三次元の政策効果の検証と読めるが、例えば黒田総裁は欧州の事例を挙げてマイナス金利の深掘り余地を説明することが多い。このように、日銀においても海外の事例も検証対象になり得る。

以上述べた通り、ジャクソンホール会議での議論と日銀の総括検証は、結果的に一体的な議論となるのではないかと思う。何よりも緩和手法の議論で日銀がFRBの後塵を拝することは、円高リスクや株安リスク、ひいてはデフレ圧力につながってしまう。

黒田総裁は6月20日の講演では、政策の予見可能性を高めるためには「平時から、ゼロ金利制約に直面するような極めて大きな外的ショックへの政策対応のオプションを示しておくことが、金融政策の有効性を高めていくうえで重要」と指摘している。

9月の決定会合では日銀も政策オプションを列挙することになるだろう。ジャクソンホール会議では、その一部の議論があらわになると捉えた方が良さそうだ。

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コラム:9月緩和なしか、日銀政策運営は柔軟化へ

岩下真理 SMBCフレンド証券 チーフマーケットエコノミスト

東京 15日]
筆者は前回コラムで、日銀の7月追加緩和の可能性は五分五分と見ていた。物価見通しの大幅下方修正を回避し、達成時期も据え置くなら、追加緩和の理由を説明することは難しいと考えていたからだ。そのうえで、近い将来に、目標達成時期の柔軟化、枠組みの見直しに取り組むしかないだろうと指摘した。

7月の結果が上場投資信託(ETF)買い入れの倍増のみにとどまると、市場の一部に「今回は小粒」との失望感を招いたが、これまでの黒田日銀のサプライズ感ある政策決定のツケと言えよう。筆者は、マイナス金利の副作用や量の限界を理解した良識的な判断だったと評価したい。従来のバズーカ路線から転換の一歩だ。

加えて、日銀が政策検証を事前に発表したのは、市場とのコミュニケーションを改善したい気持ちが伝わってくるものだった。様々な副作用が指摘される状況下、黒田東彦総裁が行った初めての予告は大いなる進歩と言える。

<政府内からも日銀に政策検証を促す声>

市場では、9月の政策検証に伴い何かが行われると予想する向きが多いが、その見方は大きく2つある。1つは政策運営の見直し、もう1つはさらなる追加緩和実施だ。

筆者の見方は前者であり、さらなる追加緩和の可能性は極めて低いと見ている。かつて白川方明前総裁時代に、議長が執行部に指示した「宿題会合」で、発表内容に追加緩和が伴った記憶はない。

そもそも7月会合での追加緩和の目的は、英国民投票での欧州連合(EU)離脱選択などによる不確実性が企業や家計のコンフィデンスの悪化につながるのを防ぐことだ。政策運営の第2の柱、下振れリスク対応の追加緩和を実施してからわずか7週間後にさらなる緩和措置を講じるのは、経済情勢の悪化などの明確な理由がなければ、普通は考え難い。

8日発表の7月会合における「主な意見」を見ると、内閣府からの出席者の発言にヒントが隠されていた。「金融政策運営の変更に関し、日本銀行としての考え方について、対外的に丁寧に説明していただくことが重要である」との部分だ。政策運営の変更を期待していることがうかがえる。

また、13日付の日本経済新聞朝刊1面によると、金融庁がマイナス金利の影響で「3メガ銀行グループの2017年3月期決算で少なくとも3000億円の減益要因になる」との調査結果をまとめ、日銀に懸念を伝えたという。そのような政府内にあるマイナス金利政策への批判が、政策検証を促したように思われる。

<重要な鍵を握る4人のメンバー>

筆者は、今回の政策運営見直し議論で重要な鍵を握るのは4人のメンバーだと考えている。執行部では、マイナス金利導入を決断した黒田総裁とリフレ派の岩田規久男副総裁の2人。審議委員では、マイナス金利に反対票を投じ続ける佐藤健裕委員と木内登英委員の2人だ。

この4人が合意できる形を考えると、現在の双方の距離感があり過ぎるため、具体的な数値を変更するのはややハードルが高いように思える。よって、政策運営の柔軟化という曖昧さに落としどころがあるのではないだろうか。

黒田総裁は7月の定例会見で、「マイナス金利の効果は非常に大きいものがある。すでに市場だけでなく実体経済にもプラスの影響があり、何か限界が来ているとは考えていない」「おそらく国債の3分の1はすでに取得しているが、まだ3分の2は市場にある。量的限界が来ているとは思わない」と従来通りの発言を繰り返した。総括的な検証をもとに、もう少しソフトな説明に修正するだけでも、印象は大きく異なるだろう。

4日に岩田副総裁は講演後の会見で「検証の結果、今までの金融緩和の程度を縮小するといったようなことはあり得ない」と語り、市場は好感した。しかし、それ以外に岩田副総裁は重要なメッセージを発信していた。

具体的には、「もう少しデリケートな問題が3つの組み合わせに関してはあるかもしれない」「もう少しデリケートな、その微妙な調整の仕方に関しては、もう少し検証し、気配りのある金融政策を行っていきたい」という発言だ。3次元緩和の限界をほのかに認めつつ、持続可能な金融政策とするために、気配りのある形に軌道修正する意向が読み取れる。

その一方で、佐藤委員、木内委員の2人は、マイナス金利について市場機能や金融仲介機能および国債市場の安定性を損ねることを理由に反対している。

佐藤委員は、マイナス金利は国債買い入れ減少と合わせて実施すべきとの主張だ。木内委員はかねてより、2%の「物価安定の目標」の実現は中長期的に目指すとしたうえで、柔軟な政策運営のもとで現行政策をそれぞれ適切と考えられる時点まで継続することを提案。昨年4月からは国債買い入れを45兆円に減額することも提案し続けている。反対票の2人には、数値にこだわることなく、政策運営の柔軟化という妥協点を模索してほしい。

<3次元政策の限界も認めるべき>

10日付のロイターの記事によれば、7月会合の数週間前に検証のドラフトは作成されており、その内容は枠組みの根本的な見直しでなく、現状維持を正当化するものであるという。

すでに執行部による検証はいったん終わっているようだが、お盆休み明けから本格的に取り組み、9人のボードメンバーの意見調整に時間を割くことが見込まれる。9月会合当日は、検証結果をどう判断するのか、徹底的に議論する場となるのだろう。

日銀は結論ありきではなく、虚心坦懐にこの3年間を振り返ってほしい。それにはまず、昨年5月時の検証にはなかった、政策を量、質、金利ごとに分け、物価もしくは期待インフレ率の引き上げに、各政策がどれだけ貢献できたかを示すべきだろう。

量の部分では、実質金利を引き下げたと結論付ける前に、国債買い入れとは別にマネタリーベースと期待インフレ率の関係、前回の検証になかった質の部分では、ETF増額とリスクプレミアムの関係を説明する必要があるのではないか。

マイナス金利については、住宅関連への好影響を強調するのではなく、想定外のイールドカーブフラット化により、金融機関の収益面での打撃、年金運用への悪影響も説明すべきだ。消費増税や原油安などの逆風がなければ、本当に効果が出るものなのか、政策の不確実性と3次元政策の限界も認めるべきだろう。

そのうえで残り1年半(総裁任期まで)での2%物価目標達成のため、少しでも柔軟な運営方針を示すことが望ましい。従来路線の堅持だけでは失望に終わる。例えば、物価動向の検証を踏まえて、物価目標達成には時間が必要だと素直に認め、物価目標の柔軟化を示唆する。そして、その先の方向性として、マイナス金利のフォワードガイダンスの修正を視野に入れる。

次に量の部分の検証を踏まえて、国債買い入れの柔軟化を示す。具体的には、買い入れ額を現在のフローからストック(残高目標)へ変更することや買い入れ年限の短期化など、やり方はいくつか考えられる。ドラスティックな枠組み見直しはできなくても、最初の一歩を進めることが大切だ。

この検証結果の発表は、これまでチグハグ感のあった日銀と市場とのコミュニケーションを、改善できる数少ない機会だ。現在のような曖昧な情報発信を続けていては、毎回会合で各種報道により、市場は妄想と迷走を繰り返すことになってしまう。その連鎖を断ち切ってほしい。

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コラム:ヘリマネ騒動の後遺症、遠のく為替安定

植野大作 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 チーフ為替ストラテジスト

[東京 12日]
「政府・日銀は本当に為替の安定を望んでいるのだろうか」。そんな疑念を禁じ得ない。真夏の外為市場でドル円相場は日本の財政・金融政策をめぐる報道に振り回される展開が続いた。

事の発端は7月10日の参院選での自民党の圧勝劇だった。「アベノミクス再起動」への期待が膨らむ中、たまさか来日していたベン・バーナンキ前米連邦準備理事会(FRB)議長が連日にわたって黒田東彦日銀総裁、安倍晋三首相と会談したことから、海外勢を中心に政府・日銀がヘリコプターマネー(ヘリマネ)政策の準備を始めた、との思惑が一気に広がった。

2014年1月までFRB議長だったバーナンキ氏は、極度の需要不足で景気が停滞している時期には、中央銀行が政府に返済不要の財政資金を無償供与するヘリマネ政策が有効になる、と述べた経緯もあって、「ヘリコプター・ベン」という愛称を持っている。

洋の東西を問わず、公職にある要人が平日の昼間に職場で誰かと会った場合、組織人の感覚なら「仕事」だと認知される。分刻みのスケジュールを毎日こなしている内閣総理大臣や日銀総裁ならなおさらだ。海外投資家を中心にヘリマネ政策への期待が盛り上がったのは、マーケットの機微としてやむを得ない。

その後、各種メディアが報じる経済対策の規模が当初の10兆円から累増して20兆円を超えるのに伴い、7月21日にドル円相場は一時107円台半ばまで上昇した。参院選直前の安値は100円前後だったので、わずか9営業日で約7.5円もの急騰だ。この間、為替市場で急速に盛り上がったヘリマネ期待がいかに強烈だったかが分かる。

ただ、ここから相場は一気に逆流する。まず、同日夕刻に報じられた英BBCラジオとの録音インタビューで黒田総裁がヘリマネを明確に否定すると円高が始まった。その後、7月29日の日銀会合で示された追加緩和は、年間約3兆円の上場投資信託(ETF)の購入増だけとなり、「ヘリマネ的な大規模緩和」を期待していた向きの失望を呼んだ。

加えて、その際に日銀が公表した声明文には9月会合までに金融政策の「総括的な検証」を行うとの記述があった。非常に唐突かつ曖昧な金融政策の改変予告に接し、債券市場では「持続不可能な勢いで実施されている国債購入が縮小される」との観測を呼んで円金利が急騰、ドル円相場はピークの107円台を見た8営業日後には100円台に押し戻された。

<過度な市場変動を招いた政府・日銀の責任>

これら一連の騒動で惹起された値幅7円超の乱高下は、相当に罪作りだ。国内外のドル円ファンの間では、かなりの売買疲れや眼精疲労が蓄積した。

市場の思惑が先行し過ぎた独り相撲だった面もあるが、極めて異例の「ベン・クロ会談」や「ベン・アベ会談」を「参院選後、日銀会合前」という微妙な時期にセット、同時に進めた経済対策の水増し工作と相まって、市場に過剰な期待を盛らせた責任の一端は、政府・日銀にもある。

実際、最終的に決定された経済対策の中身を見ると、事業規模28兆円の中には、「政府系金融機関による中小企業向け融資」「国の補助金付き民間事業」「財政投融資」のほか、「来年度の当初予算での支出」も混じっている。これまで一般に理解されていた「追加経済対策」とは違う作り込みがされており、今年度の補正予算に絞ると4兆円台に萎むそうだ。

官邸サイドに「新聞の1面に出る数字をなるべく大きく見せたい」という気持ちがあったのは分かる。だが、後から調べれば「ヘッドラインの水増し工作」はすぐに判明する。そのような細工をすればするほど、政策発表前後の株価や為替の振れを大きくするだけだ。結果的に、政府の政策発表に対する市場の信認を毀損すると同時に、株や為替の「過度の変動」を誘発する弊害の方が大きいのではなかろうか。

この先、心配なのは、このような騒動の後遺症が市場で尾を引きそうなことだ。今回の騒動を経て、国内外の市場関係者のみならず、永田町関係者にもヘリマネという「デフレ退治の最終兵器」の仕組みと存在が知られてしまった。

日銀が政府の口座にお金を振り込んで、それを各種の財政支出に充てれば、いくらでも経済対策を打つことが可能になる。その際、日銀が政府から受け取る「無利子の永久国債」は元利金の支払義務のない単なる紙切れ同然なので、事実上は「受領証」と変わらない。ペーパーレス化されれば紙切れとしての価値すらない「画面上の数字」になる。

「無から有を生む」という意味では、まさに究極の金融緩和マジックである。そこまでの政策に手を染めれば、さすがに通貨価値は下落する。日本国内ではインフレが起きて、為替市場では円安が進むだろう。

政府にしてみれば、増税や歳出カットを行わずに無限の経済対策が打てるので、本当に便利な「打ち出の小槌」だ。現在日銀が実施している国債購入について「赤字国債の大量発行と一緒にやれば事実上のヘリマネと変わらない」との意見もあるが、実際には似て非なるものだ。市場心理を揺さぶる神通力で比較すると、「ヘリマネっぽい政策」と「ヘリマネ政策」とでは、「金メッキ」と「純金」くらいの差がある。

このため、本物のヘリマネ政策と比べられてしまうと、現在行っている金融緩和は何となく色あせて見えてしまう。この先、日銀がどんなに工夫して手の込んだ金融緩和策を捻出したとしても、「ヘリマネに比べると物足りない」などと言われるようになれば、「世の中の期待に働き掛ける」という金融政策の波及経路が閉ざされてしまいかねない。

<次回日銀会合後の市場は大荒れか>

巷間伝えられるところ、ヘリマネ政策の採否については、国内外の有識者や有力政治家の間で意見が錯綜している。「制御できないインフレを引き起こすので導入すべきではない」「金額限定の1回だけなら副作用は抑えられる」「1回でもやると歯止めがきかなくなる」「もしもハイパーインフレの兆候が出たらやめればよい」「日本経済を新薬の臨床試験にさらすべきではない」など、甲論乙駁の神学論争になりやすい。

意見こそ違え、ヘリマネ派もアンチ・ヘリマネ派も、「憂国の情」を持っている点では変わらない。このため、この手の議論は熱気を帯びがちだ。必要な政策論争は国民に見える形で行うべきだが、ヘリマネ政策の是非に関しては、議論がヒートアップすればするほど、現在日銀が実施している異次元緩和が地味に見えるという弊害を生む。

既存の財政・金融政策によるデフレ克服に限界が見え始める中、閉塞打破の切り札としてのヘリマネ待望はゾンビのように蘇り、金融・為替市場のかく乱要因になる可能性を秘めていると言えるだろう。

いずれにせよ、次回9月会合ですぐにヘリマネ政策が採用される可能性は低い。だが、日銀が前回会合で提示した「総括的な検証」という非常に曖昧なフォワードガイダンスをめぐり、債券市場では金融緩和の縮小観測がささやかれる一方、株式市場では「ヘリマネっぽい政策」への緩和拡大を期待する声も多い。

結果的に、十人十色の思惑が渦を巻いており、次回の日銀会合でどんな政策が決定されても市場は荒れる可能性がある。当面のドル円相場は「材料夏枯れ」ムードの中でひとまず小康状態を迎えそうだが、「嵐の前の静けさ」という雰囲気だ。9月21日に示される「答え合わせ」の瞬間に向け、市場の緊張感は徐々に高まるだろう。

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ドル資金不足の下で進むドル安の怪

日本経済新聞 編集委員 滝田洋一

夏の金融・為替市場でちょっと不思議な現象が起きている。資金取引では邦銀などのドル不足が深刻で、ドルの短期金利が高止まりする。一方、為替相場はじわり円高・ドル安が進み、1ドル=100円を突破する勢いだ。渇水とゲリラ豪雨の共演のような出来事はなぜ生じているのか。

まず為替相場から。円高の理由として挙げられるのは、日米の金融政策の読みにくさである。米連邦準備理事会(FRB)の利上げ時期はいつか。日銀は9月に金融の追加緩和を実施するのか。市場参加者は確信を持てずにいる。

なかでも米国の長期金利(10年物米国債)の利回りが低下気味とあって、どうしてもドル相場の上値は抑えられてしまう。ドルは円に対してだけでなく、対ユーロでも下落している。

主要6通貨に対するドルインデックス(米インターコンチネンタル取引所)も足元では94近辺。100近かった年初に比べて弱含んでいる。対円でもちょっとしたきっかけがあれば、100円の壁を超えてしまうのだ。

対する資金市場では、ドルの短期金利の上昇が目立つ。3カ月物のドル資金金利は足元では0.8%強。昨年12月の米利上げ前に比べて、0.4%程度上昇した。FRBの利上げ幅は0.25%だったから、市場金利の上昇幅はその2倍近い。

背景にあるのは、日本の銀行や生命保険会社などによるドル資金調達の拡大だ。日銀の量的緩和やマイナス金利政策にいぶり出される形で、邦銀や機関投資家は外債投資を膨らませている。

この外債投資に伴って、元手となるドル資金の需要は増す。ところが、ドル資金の供給者である米国のマネーマーケットファンド(MMF)が、おいそれとは供給に応じてくれないのだ。

別に日本勢に意地悪をしているわけではない。米当局がMMFの運用規制を強化した結果、資金を供給する相手を絞らざるを得ないのである。いきおいドル資金不足が発生。短期のドル金利に上昇圧力がかかっているのだ。

ところが、こうしたドル金利の上昇は、為替市場でのドル高にはつながらない。理由は簡単。短期の資金市場でドル資金を調達する日本勢が、為替市場ではそのまま円売り・ドル買いの取引に出ていないのである。

銀行の場合は、短期のドル資金を調達して、そのお金を元に米国債を購入する。「ドル調達・ドル運用」なので、為替市場でドル買いが起こるべくもない。

生保の場合は、円資金を元手に米国債を買うので、一応は円売り・ドル買いが起こる。ただし、外債投資後に円高になると為替差損を被るので、先物の円買い・ドル売りでヘッジ(リスク回避)する。こうした先物のドル売りで、足元(直物)のドル買いが帳消しにされてしまう。

かくて資金市場ではドル不足が際立っているのに、為替市場ではドル買いにつながらず、ドル安が進んでいる。日本からみれば、1ドル=100円を超える円高・ドル安は、真夏の我慢大会でドテラをもう1枚羽織らされるようなもの。

他方、米国にとっては、ドル安が進んでも米国債への投資が続くので、米長期金利は低位で安定したまま。米国株は、ドル安による米企業の輸出採算の好転を織り込むので、堅調な地合いとなる。左うちわでいられるのだ。

「ここいらで、政府・日銀は円売り介入してほしい」。日本の輸出企業の本音だろう。だが、米政府からは「中国の人民元安容認に、塩を贈るような振る舞いは避けるべきだ」とする“にらみ”が入る。ああ、ドテラが重くて、暑い。

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ドル売り継続、FRB議長講演が目玉=今週の外為市場

東京 22日 ロイター]
今週の外為市場では、ジャクソンホール会議でのイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の講演が目玉となっている。ただ、米連邦公開市場委員会(FOMC)7月分議事要旨では、利上げについて「石橋を叩いて渡る」姿勢があらためて示されたため、イエレン議長が講演で早期利上げに向けた「地ならし」をする可能性は低いとみられる。

ドル/円は、先週の動きが踏襲されて2桁を臨む場面では、政府関係者や当局サイドから円安バイアスを促すイベントや発言が出やすいとみられる。

しかし、こうした発言やイベントに対する市場の感応度が低下しているため、底流としてのドル安/円高トレンドに回帰しやすいと予想される。

予想レンジは、ドル/円が98.75─101.00円、ユーロ/ドルが1.1250─1.1475ドル。

イエレン議長は8月26日に米ワイオミング州ジャクソンホールでカンザスシティー連銀が主催する経済シンポジウムで講演する。イエレン氏はFRB議長になる前から参加していたが、昨年は参加を見送っていた。

<ドル>

米連邦準備理事会(FRB)のフィッシャー副議長は21日、完全雇用および2%の物価上昇率という目標に近づいているとの見解を示した。ただ、追加利上げの具体的な時期については言及しなかった。

17日に発表されたFOMC議事要旨では、利上げ前にさらに経済指標を見極める必要があるとの見方で一致していたことが明らかになった。

FOMC議事要旨に利上げ検討の時期として「9月会合」の明記も無いため、今回のイエレン議長の講演では「利上げ時期のヒントは出てこないだろう」と野村証券チーフ為替ストラテジストの池田雄之輔氏はみている。

FRBは昨年12月にほぼ10年ぶりの利上げを実施。今年6月には年末までに2回の追加利上げを行う可能性があるとしていたが、7月以降はFOMCメンバー内で早期の追加利上げについて意見の相違が目立つ。

<ユーロ>

ECBは7月20―21日に開催した政策理事会の議事要旨で、従来通りに「必要であれば行動する」点を強調したのみならず、「将来の金融政策の行方に対する過度の期待を持たせない」ように対処する旨についても合意した。

これは「金融市場がECBの追加緩和を過度に織り込むことをけん制する内容であり、間接的にではあるが追加緩和に対する消極性を示唆するものといえる」とSMBC日興証券のチーフマーケットエコノミスト、丸山義正氏は述べ、将来の政策期待からユーロが弱くなる可能性は低いとの見方を示した。

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アングル:NZドル高に歯止め掛からず、通貨安競争で完敗

[ウェリントン 15日 ロイター]
ニュージーランド準備銀行(RBNZ、中央銀行)は高金利通貨であるニュージーランドドル(NZドル)の下落を切望している。しかし主要先進国の中銀がこぞって政策金利をゼロ近辺かマイナスへと引き下げているため、通貨安競争で完敗している。

中銀はNZドルを押し下げようと口先介入を繰り返し、昨年6月から政策金利を6回も引き下げたが、それでもNZドル高に歯止めを掛けることができないでいる。

先週11日には政策金利を過去最低の2%に下げたが、NZドルは1%強も上昇した。NZドルはその後は上昇分を吐き出し、15日には利下げ前の水準に戻った。

現在の実効レートは中銀が一連の利下げを始めた時点に比べ、1.5%上昇している。

2%というニュージーランドの政策金利は先進国で最も高い。英国は0.25%、オーストラリアは1.5%、米国はゼロ近辺で、日本と欧州はマイナスだ。こうした利回り差がキャリートレード需要を引き付ける強力な要因となっている。

オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)のシニアエコノミスト、フィリップ・ボーキン氏は「一部の国ではボラティリティが比較的小さく、流動性がじゃぶじゃぶで、利回りが非常に低いかマイナスになっていることを考えると、ニュージーランドは極めて異色だ」と話す。

AMPキャピタル・ニュージーランドのマネジングディレクターのグラント・ハッセル氏も「先進各国の10年物国債利回りの一覧を作れば、ニュージーランドはダントツだ」と述べた。

現在の10年物国債利回りはニュージーランドが2.15%程度であるのに対して、米国は1.51%、英国が0.53%で、日本とユーロ圏はマイナスとなっている。

こうした状況下、RBNZは積極的に利下げを進めるだろうし、10月から実施する住宅ローンの規制強化策が不動産市場での投機的な動きの抑制につながることを期待している。

ウエストパック銀行のシニア外為ストラテジストのイムレ・スパイツァー氏は、RBNZは事実上「無力」で、外為市場でNZドル高に歯止めを掛けるには政策金利を1.0%まで下げる必要があるとみている。

しかしRBNZは金利をゼロかその近辺にまで引き下げることは考えていない。90日物銀行手形金利に織り込まれた今後の利下げはあと1、2回で、1.5%が下限となっている。

ただ問題はNZドルがこれに反応して下げるかどうかだ。RBNZは2018年末までにNZドルが5%下がると期待しているが、為替トレーダーは相場のこれまでの動きから非常に懐疑的だ。

スパイツァー氏は「流れが明らかに変わるまで」、NZドルを米ドルに対して買い持ちにし続け、NZドルが下げれば買いを入れるつもりだと述べた。

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円、意図せぬ99円台 マイナス金利導入半年  日銀、遠のく「物価2%」

日銀がマイナス金利政策を導入して16日でちょうど半年がすぎた。円安に導きたい日銀の意図とは裏腹に、円相場はこの日、一時1ドル=100円の節目を突破した。肝心の物価は上がるどころか下落基調を強め、銀行の貸し出しも増えていない。狙いどおりの効果が表れず、日銀は焦りを深めている。

16日の外国為替市場では、取引が少ないお盆休みの間隙をぬって海外の投機筋が円買い・ドル売りを仕掛けた。

円相場が1ドル=100円を超えたのは、英国の欧州連合(EU)からの離脱決定に伴う市場の混乱が続いていた7月8日以来だ。マイナス金利を導入した2月16日以降、円相場の上昇幅は14円近くに達している。

日銀は口にこそ出さないが、マイナス金利の狙いの一つに円安誘導があるのは明らかだ。

日本の金利が大幅に下がれば米国などとの金利差が広がり、ふつうは円を売ってドルを買う動きが活発になる。実際、日銀がマイナス金利の導入を決定した直後に市場は円売りで反応した。

しかし、その後は次第に円買いが優勢になる。円売りが「海外要因に阻まれた」(三菱UFJ信託銀行の酒井聡彦資金為替部課長)からだ。

もともと年初からの中国を震源とする市場の動揺で、比較的安全な資産とされる円を買う動きは勢いづいていた。

春以降は英国のEU離脱問題や米利上げ観測の後退も加わって円買いが加速する。英国のEU離脱が決まった6月24日には、円相場が99円ちょうどまで急騰した。

円高で日本企業の収益が悪化するとの見方から、16日の東京株式市場では日経平均株価が下落した。終値は前日比273円安の1万6596円で、マイナス金利導入前の2月15日に比べて4%高にすぎない。過去最高値圏で推移する米国株より出遅れが目立つ。

物価は低迷している。消費者物価指数(生鮮食品除く、2015年基準)の上昇率をみると、マイナス金利を導入する直前の15年12月は前年同月比で0.1%だったが、半年後の16年6月にはマイナス0.4%まで低下してしまった。

円高は輸入物価を押し下げるだけでなく、国内景気に悪影響を及ぼす懸念も招く。人びとの間で物価が上がるという予想はなかなか広がらず、日銀が掲げる2%の物価目標は遠のくばかりだ。

金利だけは、日銀の期待どおりに幅広い年限で低下している。長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りは7月上旬に一時、過去最低のマイナス0.300%まで低下した。

しかし、金利の低下が銀行貸し出しの増加に結びついているわけではない。大手行の融資残高は7月末に186兆円となり、3年9カ月ぶりに前年同月を下回った。円高などで景気の先行きに対する不安はぬぐえず、設備投資は盛り上がりに欠ける。企業の資金需要は膨らまない。

金融市場では、日銀の異次元緩和が限界に近づいているとの見方がくすぶる。「(国債を大量に買う)量的緩和の追加策はあと1回が限界」(フィデリティ投信の福田理弘インベストメント・ディレクター)との声も出ている。

日銀は9月の金融政策決定会合で、これまでの緩和策を総括的に検証する。追加緩和や2%目標の修正に動く可能性はあるが、その場合も日銀の思惑どおりに市場が反応する保証はない。

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