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米FRB、利上げ見送り 引き締め急がない姿勢示す

[ワシントン 27日 ロイター]
米連邦準備理事会(FRB)は27日まで開催した連邦公開市場委員会(FOMC)でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.25━0.50%に据え置くことを決定し、追加利上げは見送った。

据え置きは予想通り。FRBは経済見通しに対する信頼感を表明し、6月に利上げを実施する可能性に道を残した格好となったものの、声明では利上げは急がないとの姿勢も示した。

FRBはFOMC声明で、このところの景気鈍化にもかかわらず労働市場は一段と改善したとの認識を表明。「委員会はインフレ指標、世界経済、および金融動向を引き続き注意深く監視する」とした。ただ「リスクをもたらす(pose risks)」との文言は今回の声明から削除された。

経済に対するリスクの均衡に関する言及は今回の声明にもなかったが、家計支出の伸びは緩やかになったものの家計の実質所得は「底堅く増加(solid rate)」したと指摘。消費者心理は引き続き堅調に推移しているとの認識を示した。

物価動向については、「エネルギー価格のそれまでの下落を部分的な原因としてインフレ率は短期的に低いままで推移すると見込まれる(inflation is expected to remain low in the near term)」としながらも、中期的にはFRBが目標とする2%に向け上昇していくと引き続き確信しているとした。

米国では雇用が力強く増加し失業率は4.9%に低下したものの、FRB当局者はこれまでも国内の物価上昇圧力が弱いことに加え、世界経済をめぐる先行き不透明性が出ていることで、利上げには慎重に対処するとの姿勢を示してきた。

ウェルズ・ファーゴ・アセットマネジメントの首席ポートフォリオ・ストラテジスト、ブライアン・ジェイコブソン氏は、「FRBは様子見姿勢を維持している」とし、インフレ率がそれなりに上昇しない限り、6月の利上げは時期尚早の可能性がある。6月利上げの公算は極めて小さいと考えている」と述べた。

今回のFOMCではカンザスシティー地区連銀のジョージ総裁が2回連続で反対票を投じた。

FOMCの発表を受け、米株式市場は小幅上昇した。ドルは主要通貨に対してほぼ変わらず。米長期国債の価格は上昇した。

市場では、次回の利上げは9月になるとの見方が引き続き織り込まれている。それに続く12月までの追加利上げの確率は50%以下となっている。

CMEのフェドウォッチによると、6月の利上げの確率は23%と、FOMC発表前の21%から上昇した。

フィデリティ・インベストメンツのポートフォリオ・マネジャー、ビル・アービング氏は、今回の声明は6月利上げに向けた明確な道筋を示しておらず、6月の会合では予想し難いぎりぎりの決定になることが見込まれる、と指摘した。


米FOMC、6月利上げの可能性残すも急がない姿勢示す:識者はこうみる

[27日 ロイター]
米連邦準備理事会(FRB)は27日まで開催した連邦公開市場委員会(FOMC)でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.25━0.50%に据え置くことを決定し、追加利上げは見送った。FRBは経済見通しに対する信頼感を表明し、6月に利上げを実施する可能性に道を残した格好となったものの、声明では利上げは急がないとの姿勢も示した。

市場関係者のコメントは以下の通り。

●6月利上げ示唆する文言なし

<ウェルズ・ファーゴ・ファンズ・マネジメントの首席ポートフォリオ・ストラテジスト、ブライアン・ジェイコブソン氏>

3月の声明と比較すると、幾分楽観的な内容となった。米連邦準備理事会(FRB)は引き続き海外情勢を注視しつつも、差し迫った懸念は若干後退していることを示している。

声明では「リスク」に関する言及がなかったほか、昨年10月の声明で12月の利上げを示唆したようなシグナルとなる文言は今回の声明には含まれていない。

FRBが引き続き「様子見」姿勢を維持していると考える。インフレ率がそれなりに上昇しない限り、6月の利上げは時期尚早の可能性がある。私は6月利上げの公算は極めて小さいと考えている。

●6月利上げの確率高まった可能性

次の利上げは、データ次第ではあるが足元では9月とみている。大統領選が近づくため、9月は見送り12月という線もあり得るが、いずれにせよ、年内1回にとどまりそうだ。

●国内重視転換に驚き、FRBはどっちつかず

<ケンブリッジ・グローバル・ペイメンツ(ニューヨーク)のシニア外為トレーダー兼市場アナリスト、スティーブン・ケイシー氏>

米連邦公開市場委員会(FOMC)声明の文面を一べつすると、ややタカ派色がうかがえたが、予想通りノンイベントだった。外的影響に関する記述の大半を削除し、国内経済に再び焦点を戻したことは、確かに一定のサプライズと言える。ただ、このことは連邦準備理事会(FRB)の信頼性に関わる事柄だ。毎回の会合でFRBは非常にどっちつかずの状態だ。

●6月利上げ示唆する文言なし

<ウェルズ・ファーゴ・ファンズ・マネジメントの首席ポートフォリオ・ストラテジスト、ブライアン・ジェイコブソン氏>

3月の声明と比較すると、幾分楽観的な内容となった。米連邦準備理事会(FRB)は引き続き海外情勢を注視しつつも、差し迫った懸念は若干後退していることを示している。

声明では「リスク」に関する言及がなかったほか、昨年10月の声明で12月の利上げを示唆したようなシグナルとなる文言は今回の声明には含まれていない。

FRBが引き続き「様子見」姿勢を維持していると考える。インフレ率がそれなりに上昇しない限り、6月の利上げは時期尚早の可能性がある。私は6月利上げの公算は極めて小さいと考えている。

●6月利上げの確率高まった可能性

<チャールズ・シュワブのマネジング・ディレクター・オブ・トレーディング&デリバティブズ、ランディ・フレデリック氏>

害のない内容だ。海外の経済動向に少々言及はあったものの、概ね予想通りの内容で、何らサプライズはなかった。そのため発表直後の市場の反応も薄かった。相場はその後、やや上向きつつあるようにみえる。

6月利上げが引き続き検討されていることに疑問の余地はない。むしろ6月利上げの確率は高まりつつあり、FOMC声明を受けてその確率はさらに高まったと考える。

●リスク注視の文言挿入でタカ派トーン抑制

<RBCキャピタル・マーケッツの米経済担当首席エコノミスト、トム・ポーセリ氏>

今回の焦点は、世界リスクへの言及を削除する一方で、引き続き注視するとした表現を挿入した点だ。リスクをめぐる文言を削除したことで、確かにタカ派的な色合いがやや強まったが、年内利上げの可能性を残すには必要だったのだろう。市場は反射的にタカ派的と受け止めつつ、挿入された文言を消化するに伴い、タカ派的な反応が薄れると予想する。

●利上げペースの過度な加速、市場はマイナス評価へ

<グレンミード(フィラデルフィア)の投資戦略ディレクター、ジェイソン・プライド氏>

米連邦準備理事会(FRB)は引き締め策を続けるだろう。年内の利上げは1回か恐らく2回とみている。引き締めサイクルのスピードが予想以上に鈍いのは、中国やエネルギー業界の弱含みで、景気に最近、ぜい弱さがみられるなどして、長期の経済成長ペースが鈍い見通しを反映している。

雇用情勢が改善するため、引き締めは鈍いペースながらも続く。(雇用改善はFRBの)責務を部分的に満たすが、一部の労働市場が結果として引き締まれば、賃金インフレ圧力につながり、責務の他の部分に影響が及ぶ。市場はこうした引き締めの動きを吸収できるようになるが、利上げペースが1━2回を上回る兆しが表れれば、予想外に強めの景気やインフレ指標に反応する形でなければ、マイナスと受け止めるだろう。

●6月会合、予想し難いぎりぎりの決定に

<フィデリティ・インベストメンツのポートフォリオ・マネジャー、ビル・アービング氏>

第1・四半期の経済成長に関する指標が失望を誘う内容となっていたため、米連邦準備理事会(FRB)は成長に関して神経を尖らせている。一方、インフレについてはこれまでほど神経質にはなっていない可能性がある。

今回の声明は6月利上げに向けた明確な道筋を示しておらず、6月の会合では予想し難いぎりぎりの決定になることが見込まれる。雇用やインフレ、賃金に関する指標次第だろう。FRBは利上げをめぐり身動きできないジレンマに陥っているようで、市場はそういった状況を嗅ぎつけている。それが理由で、市場が織り込む今後4年の利上げ回数は年1回にとどまっている。

●米経済に自信、年内1─2度の利上げ適切

<ボストン・カンパニー・アセット・マネジメントのシニアポートフォリオマネジャー、ジョン・ベイラー氏>

かなり中立な内容だ。最大のポイントは米連邦準備理事会(FRB)が引き続き米経済に前向きな見方を示している点だ。消費者心理は依然高水準にあり、実質所得も堅調なペースで増加しているとした。一方で、世界経済を起因とするリスクの文言を一部削除した。FRBは世界経済をさほど懸念しておらず、米経済については楽観しているのだろう。その点においてややタカ派的だが、市場が不安視するほどではない。

ここに低金利がより長期化することを示唆するものは何もない。市場は、年内1─2度の利上げがあっても大丈夫だ。昨年12月には年内4度の利上げの可能性が示され、市場は不安視した。1─2度はちょうど良い。

●声明はタカ派的、6月に利上げの公算

シリコンバレー銀行(米カリフォルニア州サンタクララ)のシニア外為トレーダー、ミン・トラン氏>

明らかにこれまでよりややタカ派的だった。 声明からは、明らかに6月のFOMCで利上げの可能性があることが読み取れる。

文言の変更部分はすべて一段の改善に向けたもので、米経済の見通しはこれまでよりも明るくなった。

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オピニオン:「円高」トレンド回帰は本当か

中窪文男UBS証券ウェルス・マネジメント本部 最高投資責任者(CIO)

東京 11日]
新年度に入りドル円相場が急落しているが、円高トレンドに本格的にシフトしたと判断するのは早計だと、UBS証券ウェルス・マネジメント本部の最高投資責任者(CIO)、中窪文男氏は指摘する。

同氏の見解は以下の通り。

<リスクオフの根源は経済より政治>

円高進行に揺れる日本は別として、このところ海外では、リスクオフの流れが去り、リスクオンへと移ったかのような論調が増えているように見受けられる。

実際、米株(NYダウ)も世界株式(MSCI指数)も一進一退が続く中で、このところは上値を切り上げ、特に米株は過去最高値を再びうかがう勢いを取り戻しつつある。日本株も断続的に下落する局面が見られるとはいえ、引き値ベースでは年初のように大崩れすることは少なくなった。

しかし、油断は禁物だ。昨夏や年初に世界の金融市場を襲った深刻なリスクオフが再び猛威を振るう可能性には引き続き注意が必要だと私は考えている。

まず、忘れてはならない点は、世界経済のファンダメンタルズは、リスクオフが市場を覆った当時と変わっていないということである。あえて言えば原油相場が少し戻してきたことと、米国景気が労働関連指標を中心に想定以上に良い点だが、世界経済の足腰は弱いままだ。特に中国経済の状況は依然として厳しい。

一部では、あたかも2月末に中国・上海で開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議がリスクオフの流れを断ち切ったかのごとく言われているが、声明で謳われた機動的な財政政策がすでに主要国で行動に移されたわけではなく、かつ移されたところで果たしてどのような効果がもたらされるかも不透明だ。

また、米大統領選をめぐる不透明感や、世界主要都市での過激派による攻撃リスクなど、リスクオフの芽は逆にあちこちで増えている気すらする。これらは政治要因だけに先行きが読めず、いつなんどき市場に大きな波乱をもたらすとも限らないだろう。

<日米金融政策の違いが円安をサポート

では、こうした状況下、為替市場の行方をどう見るべきなのだろうか。確かに、今後もリスクオフが昨今の円高の流れを勢いづかせる可能性には警戒を怠れない。1ドル=110円割れが常態化し、107円割れ、105円割れと円が切り上がっていくようなことがあれば、中長期的な円高トレンドへの本格シフトも懸念すべき展開だとは思う。

ただし、年末に向けたメインシナリオは、現時点では引き続き円安トレンド継続と見て良いと考えている。最大の理由は、いわずもがな、日米金融政策の方向性の違いにある。

米国景気は依然として堅調であり、利上げ方向にあるのは変わりない。年4回はないにしても、米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーの3月時点の見通しにあるように、年2回の利上げは実際にあると見込んでいる。恐らく9月と12月ではないか。

一方で、日銀は年80兆円という猛烈なペースで量的緩和を継続中なうえに、1月末の決定会合でマイナス金利導入を決めた。確かに、2月はリスクオフの流れに押されて、マイナス金利の円安効果も感じられなかったが、スイスの例に見られるように、同政策の通貨安効果(少なくとも通貨高是正効果)は明白だ。リスクオフが猛威を振るわないことが条件だが、今後はじわりじわりと円安効果を及ぼしていくのではないだろうか。

具体的なドル円レート見通しについて言えば、昨年末時点よりもドル安円高方向に若干下方修正したものの、3カ月後に117円、6カ月後に120円、12カ月後に122円を目指すと見ている。

<景気好調なユーロは対ドルで上昇へ>

一方、ユーロはどうか。こちらは、円とは違い、ドルに対して上昇圧力が次第に強まっていくと予想している。

金融緩和を進めている点は日本と変わりないが、通貨安や原油安、企業向け貸し出しの増加などを受けて、ユーロ圏景気が上向いていることが理由だ。実際、ユーロ圏経済は米国経済と同じくらいファンダメンタルズが良好だと当社エコノミストは分析している。よって、今後は購買力平価(PPP)などで見た均衡レート(1ユーロ=1.26ドル)に近づく形でユーロ高が進むだろう(東京時間4月11日午後3時時点は1.14ドル付近)。

ちなみに、PPPなどで見たドル円の均衡レートは78円だが、円がそこまで上昇することはないと考えている。理由はシンプルで、その水準では円高デフレに逆戻りするため、政府・日銀が意地でもしないということだ。ただし、2%物価目標を放棄した途端、まっしぐらにその均衡レートに向かうことは間違いない。つまり、黒田日銀は今後も、「(物価目標達成のために)できることは何でもやる」という姿勢を試され続けることになろう。

黒田総裁の任期はあと2年。そのあいだに日銀が買うべき国債が市場からなくなり、最終的に金利が跳ね上がることで、急激な円相場の変動(悪い円安など)が引き起こされる最悪シナリオにも注意を払う必要はあるが、それはまだ先のことになりそうだ。

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コラム:米国が導く円高、ドル100円割れあるか

唐鎌大輔みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト

東京 7日]
新年度早々、ドル円相場は急落。5日にはハロウィーン緩和が実施された2014年10月31日以来、1年5カ月ぶりの円高・ドル安水準を記録した。理由は様々あろうが、一義的には米国金融政策の正常化プロセスへの不信が招いた動きと考えられる。

米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーの政策金利見通し(ドットチャート)を見れば、長期見通し(Longer Run)のフェデラルファンド(FF)金利や実質国内総生産(GDP)成長率は、13年5月にバーナンキ前連邦準備理事会(FRB)議長が量的緩和縮小の方針を示唆し、正常化プロセスが始まって以降、低下の一途をたどっている。

引き締めを検討している最中に経済の地力が落ち込むという状況を見る限り、そもそも正常化という方向性自体が正しいのか疑問が抱かれて当然だ。かかる状況下、年内の米利上げは、よくて1回、順当にいけばゼロ回というのが筆者の想定である。

こうした状況下でのドル円の見通しは当然、円高方向であり、今後1年間で100円割れを臨む地合いも警戒したい。昨年央以降、ドル高が明らかに米経済を蝕み始めている兆候があるため、16年は円高の年になると考えてきたが、こうした見方はFRBではブレイナード理事が頻繁に口にしており、筆者も為替見通し作成上、同氏の主張を大いに参考にしている。

今次正常化プロセスの最大の特徴はその異様に長い助走期間であり、13年5月のバーナンキ議会証言から利上げまでに実に2年7カ月もかかった。だが、期待を織り込みやすい為替市場では実際の利上げ前からドル高が進み、実質実効ドル相場はその間、約18%も上昇した。

ブレイナード理事は講演で、ドル高が「FF金利にして75ベーシスポイント(bp)相当の金融状況の引き締め」になったと言及しているが、筆者も同感だ。FRBによる「孤高の正常化」が世界の運用資金を米国に惹きつけ、結果としてドル全面高を招き、これが製造業を中心として同国経済を痛めつけている印象は拭えない。これは要するに、ドル高を通じた「不況の輸入」であり、米国とて利上げで無傷ということはない。

足元ではドル相場の騰勢は小康を得ているものの、その実態はまだ「高止まり」と言った方が正しく、これが時間差を伴いながら金融引き締め効果を発揮し始めているのが現状と見受けられる。3月のドットチャート大幅下方修正は結局、過去2年余りのドル高相場が2、3回程度の利上げ効果を有し、これ以上の引き締めが難しくなっている実情を映し出しているのだろう。

<基軸通貨の意向は絶対、日銀の抵抗は無駄か>

1―3月期を振り返って改めて痛感することは基軸通貨ドルの影響力の大きさに尽きる。08年の金融危機以降の円高局面を振り返れば明らかだが、基軸通貨を司るFRBがハト派化する状況で、日銀側がどのような抵抗をしても、円高の流れを変えるのは難しい。

言い換えれば、「日米金利差拡大が見通せない状況で円安を展望してもほとんど無駄」というのが経験則だ。これは予想というよりも摂理に近い。

身もふたもない言い方だが、ドル円相場の趨(すう)勢を決するのは今や黒田日銀総裁ではなくイエレンFRB議長となっている感が強い。上述したように、FRBの正常化プロセスが始まって以降、FOMCメンバーが想定する中立金利、平たく言えば「利上げの終点」は徐々に切り下がっている。

FRBにとっての「利上げすべき余地」が着実に縮小している中で、円安・ドル高シナリオを描くのが難しくなっているのは当然だ。また、足元では日本の貿易収支が断続的に黒字化し、相応の経常黒字が安定的に確保される状況が続いている。歴史に学べば、FRBのハト派化と日本の経常黒字の安定化は円高要因として盤石の存在感を示す可能性が高い。

こうした理屈は、3月10日にフルパッケージの包括緩和を決定しながら通貨上昇に見舞われたユーロ相場にも当てはまる。実際、ドルインデックスのウェイトに関し、ユーロが60%弱を占めていることを踏まえれば、FRBのハト派化によるドル安の按(あん)分は基本的にユーロに寄せられやすい。

かねて指摘してきたように、世界最大の経常黒字などに代表される通貨ユーロのファンダメンタルズの強さを踏まえれば、買われるだけの理由があるため、なおのこと、FRBのハト派化に応じてユーロは買われがちになる。

1―3月期における日米欧三極の中央銀行で起きたことを客観的に振り返れば、日銀がマイナス金利を導入し、欧州中銀(ECB)がマイナス金利幅の拡大や資産購入額拡大など踏み込んだ決定を行ったのに対し、FRBはメンバーのドットチャートにおけるドット(点)の位置をずらしただけだ。結果、為替市場では3月中旬のFOMC後、ドル相場が大きく値を下げており、その見合いでユーロ高や円高が進んだ格好になっている。

こうした動きを見る限り、「いかに策を弄しても、FRBのハト派化という大きな流れの前では無力」という事実を感じざるを得ない。日銀やECBによる踏み込んだ追加緩和や、通貨当局による為替介入も各通貨の通貨安要因に足り得るが、それは「FRBの正常化プロセスが続く限りは」という条件付きだ。13年4月以降の日銀による量的・質的緩和や14年6月以降のECBによるマイナス金利が円安・ユーロ安を演出できたのは、同じタイミングでFRBが正常化プロセスを推進していたからである。

ドルインデックスを一瞥すれば分かるが 14年半ば以降のドル相場上昇は誰が見ても一方的であり、イエレン議長をして「驚いた」と言わしめたほどのペースだった。この先、ドル相場の水準が調整すること自体、さほど不自然なことではないだろう。為替相場は常に「相手がある話」だが、その相手がドルである場合はもう片側の主張はほとんど斟酌されないという事実が1―3月期の為替相場が教えてくれた最大の教訓だ。

加えて、10―12月期には次期米大統領の顔が見えてくる。クリントン氏にしろ、トランプ氏にしろ、ドル高をけん制する姿勢では一致している。10年にオバマ大統領が打ち出した5年にわたる輸出倍増計画が、結果としてその後の円高局面とほぼ符合したことは苦い思い出である。

<購買力平価が示すドル円下落の「今後の節目」>

では、ドル円相場の下値はどこまであり得るのか。考え方はいろいろあるが、例えば実質実効為替相場(REER)で見れば円相場は直近2月分において長期平均(過去20年平均)から10%以上、下方乖離(かいり)した状態にあるため、「調整は始まったばかり」という状況に見受けられる。

正確には2月分のREERは長期平均に照らして約13%、下方乖離しているが、円が対ドル以外の通貨に対しても同様の調整を経験すると仮定した場合、ドル円は95円程度まで下落することで長期平均に収斂(しゅうれん)するイメージになる。

また、経済協力開発機構(OECD)や世界銀行が示す購買力平価が105円付近であるほか、歴史的に、ドル円の上値目途として機能してきた企業物価ベース購買力平価(1973年基準)が100円付近である。

つまり、110円割れは「物価尺度に照らした然るべき節目」に向けた第一歩にも思われる。むしろ、今後1年のドル円の最大のテーマは100円割れを試すかどうかにあると考えたい。

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ドル/円は日銀会合まで下値維持、緩和内容にらみ神経質=今週の外為市場

東京 25日 ロイター]
今週の外為市場で、ドル/円は日銀金融政策決定会合まで追加緩和期待を支えに下がりにくいとみられている。追加緩和があった場合は円安方向、現状維持や緩和策の中身に失望した場合は円高方向に動く余地もあるだけに、市場は神経質になっている。

予想レンジはドル/円が109.00―113.00円、ユーロ/ドルが1.1100―1.1400ドル。

<日銀追加緩和への期待高まる>

27━28日の日銀決定会合については、追加緩和の決定がコンセンサスとなっている。長期国債、ETF/J─REITの買い入れ増額などを組み合わせた緩和策になるとの見方が多い。22日にはブルームバーグが、日銀が金融機関への貸出にもマイナス金利適用を検討する案も浮上していると報じ、追加緩和の織り込みが進んだ。

週明けのドルは111円台にしっかり乗せて戻ってきた。市場では「追加緩和による円売りの幅は小さくなったものの、過去最高水準に積み上がった投機筋の円買いポジションが全て巻き戻されたと考えられない」(大手邦銀)として、追加緩和で113円程度まで上値を伸ばす余地があるとの声も出ている。

一方「事前報道があった分、サプライズの演出が難しくなり、結果発表後は材料出尽くし感が広がりやすい」(国内金融機関)との指摘もある。市場の期待に届かない内容にとどまった場合は、円高に振れる展開も警戒されている。

<FOMC声明で米6月利上げが意識されるか>

日銀決定会合に先立ち、27日には米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が発表される。イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の会見は予定されておらず、利上げの決定はないとの見方が多い。

3月FOMCでは、米国以外の景気減速が追加利上げを見送った一因となっただけに、今回の声明文で、海外リスクに触れた部分がタカ派寄りに修正されたり、削除されたりした場合は「6月利上げの可能性が視野に入ってくる」(国内証券)という。ドル買いの手掛かりとなりそうだ。

ただ、米ダウ工業平均30種 は年初来高値圏に達しており、6月利上げが強く意識されれば株価が崩れる恐れもある。初期反応でドル買いとなってもその後の金利・株式の動向次第でドル売りとなる可能性もある。


円が3週間ぶり安値、日銀追加利下げ観測で=NY市場

[ニューヨーク 22日 ロイター]
終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが円に対し約3週間ぶりの高値をつけた。日銀の追加利下げをめぐるブルームバーグ報道が材料視された。

報道によると、日銀は現在実施している当座預金に対するマイナス金利の拡大を決める場合、銀行への貸出金利についてもマイナスとすることを検討する可能性がある。

ドルは一時、2%超値上がりし、4月1日以来の高値となる111.80円をつけた。週間では2.6%高と、2014年10月以来の大幅上昇となる見通し。

コモンウェルス・フォーリン・エクスチェンジの首席市場アナリスト、オマー・エシナー氏は、日銀が銀行の貸し出しにもマイナス金利を適用すれば、邦銀への逆風となることなく、当座預金に対するマイナス金利の幅を拡大できると指摘。「日銀にマイナス金利幅を拡大する余地を与えるため、円が反応している」と述べた。同氏は、金融市場がさらに安定すれば安全資産とされる円を圧迫し、ドルは115円をつける可能性があると分析する。

ユーロ/ドルは0.52%安の1.1225ドル。一時は約3週間ぶりの安値となる1.1219ドルをつける場面もあった。ドイツの弱い購買担当者景気指数(PMI)統計が圧迫した。

BKアセット・マネジメントのマネジングディレクター、キャシー・リエン氏は、軟調な指標が続けば、欧州中央銀行(ECB)が追加緩和を実施する可能性があると指摘する。ドラギECB総裁は前日の理事会で、当面は現行措置の効果を見極める考えを示したが、リエン氏は追加緩和の可能性は残るとみている。

ドルはスイスフランに対し、約5週間ぶり高値となる0.9796フランに上昇。主要6通貨に対するICEフューチャーズUS(旧NY商品取引所)ドル指数は0.52%上昇の95.087で取引されている。

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アングル:下げ止まらないドル/円、注目される日米実質金利差

東京 5日 ロイター]
ドル/円が、1年半ぶりの安値水準に下落している。日本株安と連鎖した円高が進行しているのが背景だが、もう1つの円高要因がにわかに注目されている。日米の実質金利差の縮小だ。

日銀がマイナス金利を採用して以降、名目金利差は拡大したが、実質金利差は縮小し、市場の関心が高まるにつれ、ドル/円の上値を押さえる要因になり始めている。

<名目金利差拡大でも、実質金利差は縮小>

日米の名目金利差は拡大している。日銀が1月29日にマイナス金利政策の導入を決めて以降、2年債でみた名目金利差は、0.85%付近から上昇基調をたどり、足元では0.94%付近。10年債名目金利差も1.77%付近から1.79%付近に拡大した。

過去をみると、ドル/円は名目金利差に反応する局面もあったが、今年初からの動きは反対方向。

日米の名目金利差が拡大する中で、マイナス金利導入直前の118円後半から、5日には一時110.30円まで下落。日銀が2014年10月31日に決めた量的緩和第2弾「黒田バズーカ2」以来の安値圏に突入した。

最近になって市場が注目しているのは、名目ではなく実質の日米金利差だ。年初から実質金利差は縮小しており、ドル高/円安の動きと高い相関性を示している。

2014年半ばからのドル/円相場では、米早期利上げ期待と日銀緩和期待が重なり、ドル高/円安が急速に進んだが、足元では「過剰に働いていた期待がはく落することで、実質金利差通りの方向に収れんしつつある」(三菱東京UFJ銀行グローバルマーケットリサーチのチーフアナリスト、内田稔氏)という。

<ドル/円下落の局面で実質金利差も縮小>

実質金利は、名目金利から期待インフレ率を引いて算出される。5年先5年のインフレ・スワップ金利を期待インフレ率とみなし、日銀マイナス金利導入後の2年債利回りの実質金利差をみると、名目金利差とは逆に、縮小していることがわかる。

米国ではインフレ指標が改善し、インフレ期待が上昇してきているが、米連邦準備理事会(FRB)は早期利上げへに慎重姿勢を示し、名目金利は低下。この結果、米2年債実質金利は1月下旬にマイナス1.15%だったが、足元ではマイナス1.38%とマイナス幅を拡大させている。

一方、日本では、マイナス金利政策を受けて名目金利は急低下したものの、この間に期待インフレ率も低下した。このため足元で2年債の実質金利はマイナス0.39%と、マイナス金利政策決定前のマイナス0.49%付近からマイナス幅が縮小した。

この結果、日米の実質金利差はマイナス0.66%がマイナス0.99%程度へとマイナス幅が拡大(プラス金利での金利差縮小と同じ作用)し、相対的な円の魅力は高まった。

<実質金利拡大ならドル安/円高の反転意識も>

これまで日米の実質金利差が、常にドル/円の決定要因とされてきたわけではない。

市場が金利差に着目するのは一時的な流行の可能性があると、三菱UFJモルガン・スタンレー証券・チーフ為替ストラテジスト、植野大作氏は指摘する。

ただ、最近のドル/円が日米実質金利差との相関性を高めていることで、取引などの「口実につかわれやすい」(植野氏)という。市場の注目度が上がれば、さらに相関性は高まりやすい。

この場合、日米の実質金利差が拡大すれば、足元で進むドル高/円安基調の転換が意識される可能性も出てくる。

インフレ期待が堅調な米国では、米早期利上げへの思惑が強まり、それが名目金利の押し上げにつながるかがポイントだ。

一方、日本では、日銀のマイナス幅拡大による名目金利の押し下げも1つのルートとなるが、インフレ期待が低下してしまっては、実質金利は低下しにくい。

1月のマイナス金利導入後、日本のインフレ期待は低下している。ニッセイ基礎研究所・シニアエコノミスト、上野剛志氏は「金融市場の混乱や円高進行などがインフレ期待押し下げに働く中、それを押し切るほどにはインフレ期待の押上げ効果は、マイナス金利政策では出なかった」と指摘する。

三菱UFJMS証の植野氏は、大型景気対策や消費増税先送りなど、財政支出に期待する。「これで景気の『気』の部分が上向いてくれば、インフレ期待は上がってくる可能性がある」との見方を示している。

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コラム:遠のく円安再開、介入でも効果は限定的

植野大作三菱UFJモルガン・スタンレー証券 チーフ為替ストラテジスト

東京 19日]
日本の為替介入をめぐる市場の詮索トークが乱立している。きっかけは、安倍晋三首相の発言だ。5日、安倍首相は米紙のインタビューに対し「恣意的な為替介入は控えるべきだ」などと発言した。市場に流れた直後から、日本政府による為替介入への期待と警戒が一気に後退、11日には一時107.63円と1年5カ月ぶりの円高・ドル安が進んだ。

3月29日にイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が早期の利上げ再開に慎重な見方を示し、市場心理がドル安優位に傾いていたタイミングで、日本の総理大臣が「為替介入の可能性を否定した」と受け止められるコメントを配信してしまったことで、国内外の短期筋が安心して円高投機を仕掛けやすくなり、ドル安・円高が一気に加速した。

わずか10営業日で6円を超える円高は、さすがにスピード違反の感が否めない。安倍首相の発言が伝えられた後には、麻生太郎財務相、菅義偉官房長官などの主要閣僚のほか、匿名の財務省幹部らが相次いで「過度の為替変動」をけん制、「場合によっては必要な措置をとる」との発言を連発したため、ドル安・円高の流れは淀んでいるが、上値が目立って軽くなりそうな雰囲気は漂ってこない。

市場の円高心理を助長するような発言を、安倍首相がなぜこの時期にしたのか、背景はよく分からない。「伊勢志摩サミットの議長として為替介入に関わる原則論を述べたに過ぎない」「人民元の管理フロート制を続ける中国政府に対して、けん制球を投げるつもりだった」「米大統領選の間は介入を手控えるのが無難との認識が日本政府内にあり、それを素直に話してしまった」など、市場の解釈は様々だ。

ただ、首相の発言によって変化した市場心理を、閣僚や事務方の火消しコメントで復元するのは恐らく無理だ。「綸言(りんげん)汗の如し」とはよく言ったもので、首相発言の前後を比較すると、ドル円相場の変動レンジは数円程度下振れしている。この先、ドル円相場のトレンドが自然体で上向きに転じない限り、政府が実際のドル買い・円売り介入に踏み切る時期や条件について、為替市場では十人十色の詮索トークが飛び交いそうだ。

<1ドル=100円前後で介入実施なら日本単独か>

そこで改めて15日に公表された20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の声明文をみると、「為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済及び金融の安定に対して悪影響を与えうることを再確認する」「通貨の競争的な切り下げを回避することや競争力のために為替レートを目標とはしないことを含む、我々の以前の為替相場のコミットメントを再確認する」などの見解が示されている。

例によって、各国政府による独自解釈の余地が十分に残されている。周知のように、G20声明には各国の金融・財政・為替政策の運用に対して罰則規定などを伴った法的拘束力はない。日本で為替政策を所管する麻生財務相が「過度の変動なのでやむを得ない」と判断すれば、為替介入に踏み切る可能性はあるだろう。

実際、過去約25年分の介入実績を調べると、財務省が円売り・ドル買いを実施した日の円高値の平均値は105.2円だった。この水準を割ってくると、市場の一部で円売り介入への期待や警戒が明滅し始めるだろう。政府が介入実施の是非を判断する際には、為替相場の「水準」と同時に「速度」も重要になりそうだが、直ちに節目の100円を割るような動きが加速すれば、両条件が整ったと判定される可能性もある。あくまで私見だが、105円割れは介入警戒のイエローゾーン、100円割れはレッドゾーンだと考えている。

ただ、1ドル=100円前後の水準で日本が円売り介入を実施した場合でも、米国が協調介入に応じる可能性はかなり低そうだ。米国が日本の円売り介入にドル買いで協力した最近の事例は、東日本大震災の1週間後、2011年3月18日の1ドル=80円前後だった。14日以降に相次いで発生した熊本地震の影響はまだ見極めの段階にあるが、15日に閉幕したG20の後、米国のルー財務長官は最近の為替市場について「円高は進んだが秩序的」との見解を示している。もしも100円前後で介入する場合は、日本単独になりそうだ

その場合、安倍首相が「控えるべきだ」と言った「恣意的な為替介入」ではないと説明するのは難しく、米国内の一部勢力などから「言行不一致」などの批判を受ける可能性が高い。間が悪いことに、現在米国では大統領選挙が佳境を迎えている。これまでの発言履歴などからみて、共和党の候補者指名を争っているトランプ氏やクルーズ氏は、間違いなく何か言ってくるだろう。

日本の為替政策に対するトランプ氏などの「口撃」がメディアを通じて喧伝された場合、民主党で指名獲得が有力視されているクリントン氏はもちろん、現職のオバマ大統領やルー財務長官も立場上コメントを求められる可能性が高い。恐らく好意的な発言は期待し難く、日本の単独介入の場合は一時的な円安効果があっても長続きしにくいだろう。

また、政府が「円安方向への相場誘導が目的の介入ではない」との建前を貫くためには、ドル円相場の水準を問題にしたのではなく、「スピード違反」を戒めたと言わざるを得ないが、それなら単なる「スムージングオペ」だと市場に解釈される。介入金額の多寡に応じて、一時的な水準訂正は促しそうだが、永続的な円安効果は期待できそうにない。

いまさら指摘するまでもないが、古今東西の為替介入の歴史を眺めると、いつの時代も相場のトレンド転換に成功するのは「最後に実施された介入」だけだ。大規模な介入を反復して実施すれば一定期間は市場心理を制圧できるが、外部環境が自然体でのトレンド転換を促さない限り、市場の気の流れを変えられないのは、近年スイスが実施した「無制限フラン売り介入」の失敗事例をみても明らかである。

<ドル円反転の条件が整うのは来年春頃の見通し>

ちなみに、近年日本で実施された円売り介入前後の効力持続期間を調べてみると、2010年9月に行われた2.1兆円の単独介入は15営業日、2011年3月の0.7兆円(日本担当分)の協調介入は83営業日とやや長めだったが、11年8月の4.5兆円の単独介入は3営業日しかもたなかった。

11年10月31日から5日間で実施された累計9.3兆円の介入だけが相場の転換に成功したが、実際にはその後鮮明になる日米金融政策の印象格差に伴う自然体での潮流変化が起きるまでの時間稼ぎに寄与したに過ぎない。

足元のドル円相場を取り巻く環境をみると、52週移動平均線などの長期トレンドが下向きに転じてまだ日が浅い中で、米大統領選挙絡みの不透明感が払拭(ふっしょく)できない状況が続いており、米国による利上げ再開の時期についても市場が確信を持つに至っていない。「テクニカル」「政治」「ファンダメンタルズ」の3要素は、日本政府による介入実施の有無にかかわらず、しばらく「ドル円=右肩下がり」の大局観を支持している。

ドル円相場が反転するためには、1)前年同期の水準が大きく下がってそれほど無理に上がらなくても52週線が上向きに転じるのに必要な日柄調整が進む、2)米国で大統領選挙が終わって非現実的な政策から距離を置く新政権が発足する、3)ドル高の負担から解放された米国経済が拡大基調を鮮明にして「健全な利上げ期待」が蒸し返される、などの諸条件が整う必要がある。

早ければ来年の春頃になりそうだが、実際の時期は今後の市場環境次第で前後しそうだ。醒めた市場観察を心掛け、すう勢転換のタイミングを見極めたい。

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このままだと5月はかなり厳しい相場になる

http://toyokeizai.net/articles/-/114450

江守 哲 :エモリキャピタルマネジメント代表取締役

市場の大きな関心事だった先週末の「二大イベント」が、市場の期待と全く逆の結果をもって終了した。ひとつはG20、もうひとつは産油国会合である。これらのイベントを契機に、18日の東京時間帯のマーケットでは株価が急落し、日経平均株価は前週末比572円安の1万6275円で取引を終え、原油相場も大幅安となった。再びリスクオフ的な動きに転換するのかどうか、週初から市場関係者や投資家は不安なスタートを迎えることとなった。

■日本はG20で米国に言い分を聞いてもらえず

G20については、すでに様々なところで報じられているため、詳細の解説はしないが、報道を見る限り、市場関係者の期待は大きく裏切られたと言わざるを得ないだろう。G20では、「パナマ文書」に関する議題に時間が割かれた。その一方で、為替相場安定の重要性も確認している。

また世界経済については、「成長は緩やかでばらつきがある」と指摘しつつ、金融市場の変動などを理由に「リスクや不確実性が残っている」と懸念を示した。為替に関して少し細かく言うと、「為替レートの過度な変動や無秩序な動きは経済・金融の安定に悪影響を与え得る」とし、これまでのG20声明と同じ表現が明記された。つまり、過度な為替の動きはけん制するが、「通貨の競争的切り下げを回避する」ことを強調している。

ルー米財務長官はG20後の会見で、「日本は通貨安競争の回避をうたったG20声明の順守を改めて強調した」とし、「その意味合いは大きい」と発言。その上で、「円高ではあるが、市場の秩序は保たれている」として、現在の円高は急激なものではないとの認識を明確にした。

日本政府はG20で円高是正のための円売り介入を認めてもらうため、様々な工作を試みたとみられる。だが、結果的に米国サイドに一蹴された格好である。G20前には、麻生財務相は現在の円高を「過度な変動」としていたが、結局は全く聞き入れてもらえなかったことになる。

また、「マイナス金利は円安に結びつく」と豪語していた黒田日銀総裁も、「為替は財務省の専管事項」と完全に及び腰になり、これまで積極的に行ってきた為替市場への言及を避けている。G20を受けて、27・28日の日銀金融政策決定会合での追加緩和の可能性も大きく低下したことになり、今後のドル円相場は、11日につけたドルの下値である107円台後半を割り込む、つまり円高ドル安になるリスクが高まっている。

一方、産油国会合の結果も市場の期待を大きく裏切った。17日にカタールのドーハで開催されたOPEC加盟・非加盟国による増産抑制に関する会合では、2月に主要産油4カ国(サウジアラビア、ロシア、カタール、ベネズエラ)が合意した内容について、他の産油国も巻き込みつつ、産油量を抑制することで需給バランス改善を図り、原油価格を押し上げようと目論んでいた。

しかし、結果はサウジの身勝手な見解が示されただけで、増産凍結合意には至らなかった。会合前にはサウジとロシアが「イランが参加しなくても合意は可能」との認識で一致したとの報道があっただけに、市場の期待が完全に裏切られたと言える。そもそも、サウジがなぜここまでイランの参加にこだわるのか。その背景には、イランとの宗教的な対立だけでなく、米国との関係の変化も大きく影響しているものと思われる。

つまり、こうだ。シェールオイルの生産拡大により、世界最大の産油国になりつつある米国は、中東情勢への関心を大きく低下させている。中東からの石油輸入を必要としなくなりつつある中、米国はイランに対する経済制裁を解除し、ビジネス上の関係構築に動き出しているもようである。「世界の警察」の立場も放棄しつつある一方で、これまでのサウジとの関係が希薄になりつつある。

またシェールオイルの登場で、サウジの市場シェアは低下、原油価格の下落が同国の財政を痛めつけている。これらの面からも、米国に対するサウジの憤りが見え隠れする。そんな中で、イランだけが増産抑制合意に参加せず、産油量を拡大させていい思いをするのは許せないという結論になったのだろう。

■財政出動でも企業業績は回復せず、株は戻り売りが賢明

米国の中国への警戒感を背景に、日本は円高を許容せざるを得なくなった。また産油国会合が破談に終わったことで、原油価格の下落リスクが再燃した。これらを受けて、リスクオフの動きが強まり、米国株が下落に転じるようだと、結局は「原油安=株安」というロジックが再度持ち出され、リスクオフモードが再燃する可能性がある。これから5月という株式市場にとって重要な時期に向け、非常に難しい局面を迎える。

特に日本は「円売り介入はダメ」、「通貨安競争はダメ」と米国から釘を刺されている。追加緩和やマイナス金利幅の拡大もきわめて難しい状況に追い込まれたいま、やれることは財政出動に限られるだろう。

その時期はサミット前後というのが一般的のようだが、これを契機に少々株価が反発したところで、肝心の企業業績が回復するわけではない。円高が止まらなければ、日本株の理論値は低下傾向を辿るだけである。

財政出動への期待は高まる一方だが、その内容や効果に期待するよりも、現実を直視することが肝要であろう。外国人投資家が財政出動の内容を高く評価し、日本株を買い直すのであれば話は別だが、それまではやはり戻り売りが賢明であろう。

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アングル:下げ渋るドル/円、介入警戒・日銀緩和の思惑で

東京 18日 ロイター]
週明けのドル/円は、原油安・株安・相場に対する日米当局の見解不一致などドル/円の売り材料が並んだが、下げ渋りの様相を見せた。東日本大震災後に協調介入があったことへの連想から介入警戒感が意識されたほか、日銀追加緩和への思惑も根強かったためだ。

ドル/円の本格的な反発には米早期利上げ観測の再浮上が必須との声は多いが、投機筋の円買いポジションが膨らんで短期的な反発リスクも高まってきており、神経質な相場が続きそうだ。

<弱い地合いが政策期待蒸し返し>

18日の東京市場では、実需筋や個人投資家が様子見姿勢を強める中、短期筋を中心に108円を挟んだもみ合いが続いた。108円を何度も割り込んでは値を戻し、底堅さが意識された。年金筋によるドル買い/円売りも観測され、相場の支えになったようだ。

前週末には、ルー米財務長官の円安けん制発言が伝わって、日本当局による為替介入への警戒感が後退。そこに産油国会合での増産凍結不発が判明し、原油先物が急落。熊本地震による製造業の業績懸念からリスク回避の円買いも加わるなど、ドル売り/円買い材料が並び、本来ならばドルが急落してもおかしくない弱い相場環境だった。

市場では、107.63円の年初来安値を早々に割り込んでもおかしくなかったとの見方も浮上していた。

こうした弱い地合いが、かえって28日に予定される日銀金融政策決定会合での追加緩和や、円売り介入、財政出動への期待感を強める作用を果たしている面もありそうだ。

クレディ・アグリコル銀行・外国為替部長、斎藤裕司氏は「原油安で上値は重いが、政策発動期待で下値も限定的だろう」と指摘している。

<熊本地震で為替介入への思惑も>

ドル/円をサポートする要因の1つである為替介入は、米国からけん制されたばかり。だが、熊本地震の発生によってあらためて意識されている。2011年3月の東日本大震災後のドル/円急落時に、7カ国(G7)による10年半ぶりの協調介入があったためだ。

地震発生の3月11日高値83円付近から、ドルは下落基調をたどり、17日には76.25円まで下押しした。

G7財務相・中央銀行総裁は18日午前の臨時電話会議で、協調した円売り介入に合意し、同日午前9時に介入を実施。79円前半で取引されていたドル/円は、81円前半に約2円上昇。4月6日にかけて85.53円に上値を伸ばした。

市場では、足元の相場でもドル/円の下押しが今後急激に強まるようなら「為替介入の十分な理由になり得る」(邦銀)との見方が出ている。

一方、日銀の追加緩和については、上場投資信託(ETF)購入枠の拡大といった質的緩和による株高経由の円安が期待されている。

今月の金融政策決定会合は、米連邦公開市場委員会(FOMC)の直後となるため「FOMCでドル買いの流れが出るかどうかが重要だ。いい流れになれば、日銀の追加緩和による円売り効果も強まりそうだ」(国内金融機関)との思惑が聞かれる。

<大型連休への警戒感も>

もっとも、足元のドル/円は下げ渋りの一方で上値も重く、「なかなか底が固まらない」(邦銀の外為ディーラー)との声も聞かれる。原油安・株安の流れが欧米市場に引き継がれるようなら、下押しが強まりかねないとの警戒感も出ていた。

為替介入や追加緩和は、過去の例を参考にしつつ、短時間しか効果が持続しないとみられがち。東日本大震災後の為替介入でドル/円は85円台に戻した後に失速し、再び下落基調に回帰した。

日銀が追加緩和に乗り出し、円安効果が出た場合でも、28日夜には1─3月米国内総生産(GDP)が発表される。米アトランタ地区連銀が公表済みの経済指標に基づいて算出するGDP予想「GDP NOW」では、前期比0.3%増と低調だ。実際に弱い数字となれば、ドル売り/円買いが再燃しかねない。

日本では、翌29日以降に大型連休を控え、緩和効果の持続力が途切れやすいとの見方もある。むしろ国内勢が不在となることで海外投機筋による仕掛け的な円買いが出やすいとの観測もある。「連休中の円高を警戒する必要がある」と、外為どっとコム総研の調査部長、神田卓也氏は指摘する。

目先の下値メドは年初来安値107.63円付近とされる。これを割り込むと、2011年の安値75.31円から昨年高値125.86円のフィボナッチ・リトレースメント38.2%押しに当たる106円程度や、心理的節目となる105円まで目安が見当たらないとみられている。

105円を割り込むようなら、投げ売りが出やすく下げが加速するとみられている。その先には100円の大台が間近に迫る。それだけに105円に接近すれば、日銀のレートチェックや政府要人によるけん制発言が出やすいと警戒されている。

米商品先物取引委員会(CFTC)が15日発表したIMM通貨先物の非商業(投機)部門の取組(4月12日までの1週間)によると、円の買い越しは6万6190枚と過去最高水準に膨らんだ。

投機筋による下値攻めが意識される一方、投機筋には相場反発のリスクもつきまとっており、当面は神経質な相場展開が見込まれる。

SMBC信託銀行プレスティア・シニアFXマーケットアナリスト、尾河眞樹氏は「結局、ドルは米国が利上げしないと上昇しない」と指摘している。

米早期利上げをめぐる市場の思惑が後退する中で、6月利上げにも懐疑的な見方が出始めており、ドル/円の本格的な反転上昇にはまだ時間がかかりそうだ。

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コラム:投機主導の円高は短命、ドル円反発へ

鈴木健吾みずほ証券 チーフFXストラテジスト

東京 14日]
新年度入り早々、ドル円は年初来安値を更新し、約1年5カ月ぶりの1ドル=107円台までドル安円高が進む展開となった。この動きについては、3月29日にイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が講演でハト派的な発言を行ったことによって米利上げ期待が大きく後退し、ドル安円高圧力につながったとの解説がよく聞かれる。

確かに同日のイエレン発言をきっかけにドル円の短期トレンドは下落方向に転換しており、これがその後のドル安円高の「きっかけ」となった。しかし、107円台までの下落をみると、必ずしも「米利上げ期待の後退を背景としたドル売り」とは言えないようだ。

上記イエレン発言のあった3月29日から翌週の週末4月8日にかけて、ドル円は113円台後半から一時107円台後半まで急激なドル安円高が進んだが、この間の、当社の主要取り扱い通貨12通貨の騰落率を並べると、面白い結果となった。

ドルよりも英ポンドやメキシコペソの方が下落しており、豪ドルも対ドルでほとんど動いていない。12通貨のなかでドルは、どちらかと言えば弱い通貨であるものの、決して「ドル全面安」という状況ではない。

一方で同期間に群を抜いて上昇した通貨がある。円だ。つまり、113円台から107円台への下落は、「米利上げ期待の後退を材料としたドル売り」ではなく、円買いだ。実際のところは、「米利上げ期待の後退をきっかけに、ドル円が心理的節目110.00円などを下抜いて、約1年5カ月ぶりの安値を断続的に更新する動きとなり、この流れに介入の可能性は低いとみた投機筋が参戦。急激な円高を示現した」という動きだったのではないか。

したがって、米国の金融政策動向は建前やきっかけに過ぎず、実際にはテクニカルなトレンドやそれに便乗した投機筋の動きが直近の急激な円高を演出している可能性が高い。

実際、4月1日の日銀短観の悪化や米雇用統計の良好な内容をほぼ無視してドル安円高が進んだことや、投機筋のポジション動向をみる際によく参照される、シカゴ国際金融市場(IMM)の非商業部門の円買いポジションが過去最高水準に積み上がっていることとも整合的だ。このような動きが主体だとすれば、先行きを占ううえでテクニカルなターゲットを知ることは重要となる。

また、当局にとっては投機的な動きをけん制するうえで、介入というカードを温存する(かに見せかける)ことも重要となるだろう。

<コアレンジは引き続き1ドル=109―119円>

テクニカルなサポートポイントとしては105円から106円近辺の水準が非常に重要だ。これらのポイントは2月19日の当コラムでも指摘した通り、ヘッド・アンド・ショルダーやフィボナッチ級数などのテクニカル分析から導かれる。

加えて、年間値幅から考えても妥当な線だ。2000年以降のドル円相場における高値と安値の平均値幅は約15.90円、同かい離率は約14%。今年の高値は今のところ1月29日の121.70円だが、これに値幅を当てはめると、105.80円、下落率を当てはめると104.66円になる。

さらに、経済協力開発機構(OECD)が算出する2015年の購買力平価は106.043円、世界銀行が算出する2014年の購買力平価も104.72円となっており、ファンダメンタルズからも妥当な水準だ。ドル円相場は下落トレンドのなか、上記105―106円水準をターゲットとした動きになっているとみられる。

しかし、日本当局にとってこの水準へ円高を容認することはリスクが大きい。第1に、相場に勢いがつけば、必ずしもこの水準で止まるとは限らない。105円水準を下抜けた場合には、次の心理的節目である1ドル=100.00円近辺を目指す動意が強まる可能性がある。

また、105円で止まったとしても、ダメージは大きい。4月1日に公表された日銀短観によれば、大企業製造業の2016年度の想定為替レートは117.46円。ここから10%円高になった水準が105.71円となる。我々の試算によれば、10%の円高は東証1部上場銘柄の経常利益を6%程度下押し、これを反映して株価も下落するだろう。加えて、円高は輸入物価の下落を通じてデフレ圧力をかける。

日本の現状を確認すると、10―12月期の国内総生産(GDP)はマイナス成長であり、物価も低迷している状況だ。このうえさらに円高、企業業績悪化、株価下落、デフレ圧力となれば、消費増税どころではなくなる。直近では5月の主要国首脳会談(伊勢志摩サミット)に先立ち、安倍首相が米国を訪問してオバマ大統領と会談し、「先進7カ国(G7)が世界経済をけん引していかなければならない」と述べたとされる。サミットのホスト国としての面目も丸つぶれになりかねない。

このような状況下、円高阻止に向けて麻生太郎財務相や菅義偉官房長官などが口先介入を繰り返している。実際にできるかどうかよりも、介入というカードは存在している姿勢を一貫することが投機筋に対する一定の歯止めとなるだろう。4月14日から15日にかけて行われる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議でも介入を全否定する流れだけは避けたいところだ。

もっとも、前述の通り、直近みられたドル円の急激な下落がファンダメンタルズを反映しているというよりも、テクニカルなトレンドに投機筋が便乗したものだとすれば比較的短命に終わる可能性が高い。

言うまでもないが、上記の通り日本経済の状況は非常に厳しく、日銀が検討しているのはマイナス金利拡大を含む追加緩和。一方で米国は緩やかな景気回復が継続しており、FRBは中国などの外部要因を配慮しつつも、検討しているのは利上げだ。この傾向は目先だけでなく数年単位で続く可能性があり、結果として金利差拡大を通じて中長期的にもドル円をサポートするだろう。

目先も、日銀に対しては4月もしくは7月の追加緩和の有無、FRBに対しては6月の利上げの有無に対する注目度が高い。投機筋のポジションも積み上げ余地が減少するなか、口先介入などによって時間を稼ぎ、過熱感が払しょくされていけば、早晩、ドル円は節目となった1ドル=110円を回復するだろうとみている。

基本的にはこれまで同様、109―119円といったレンジをコアとした見方を継続しており、一時的には投機的な動意の強まりなどによってこのレンジを外れることはあっても、あくまで一時的にとどまるだろうと考えている。

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円高の「巻き戻し」を警戒せよ-流れには逆らうな

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-01/O4XYM0SYF01X01

円は今年に入ってからこれまでにドルに対し7%近く上昇した。しかしソシエテ・ジェネラルのストラテジスト、キット・ジャックス氏によれば、4-6月(第2四半期)のテーマの一つは「円高の巻き戻し」だ。

同氏は円の対ドル上昇の過程で投機家が相当大きな円買い持ちポジションを積み上げてきたことを認識しているが、それよりも日本に関する証券投資の数字に注目し、資金の流れが円高の方向に向いていないと指摘する。外国人による日本の株・債券への投資が純減となる一方で日本の投資家は急ピッチで外債を買い増しているという。

先週は日本の債券と株の外国人による売り越しが2008年以来で最大となり、日本の投資家による過去4週間の外債買い越しは少なくとも2000年以来で最大だったと同氏は説明。「投機家による円ロングが資本流出を相殺しドルの対円相場を現水準に保っているとすれば、どちらの力が最後に勝つ可能性が高いか私には確信がある」と述べた。

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