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消えぬ円の先高観 投機筋の買越額、8年ぶり水準 黒田緩和・米利上げに疑念

日本経済新聞

外国為替市場で円の先高観が強い。世界経済の先行き懸念が幾分和らいだことで原油価格や各国の株価は大きく反発している。高い収益を狙った「リスク・オン」相場で他通貨が買われると安全通貨とされる円が売られやすいはず。ところが相場の定石に反してヘッジファンドなどは積極的に円買い・ドル売りを進め、投機筋の円の買越額は8年ぶりの水準に膨らんだ。背景には、円安を演出してきた黒田日銀への期待の変化などがある。

20カ国・地域(G20)が2月、中国・上海での財務相・中央銀行総裁会議で「政策の総動員」で合意したことをきっかけに、市場参加者が株などのリスク投資にいくぶん前向きになってきた。中国が財政出動を約束し、欧州中央銀行(ECB)も追加緩和に動いた。「緩やかな政策協調」(元財務官の加藤隆俊氏)で世界的な景気後退など最悪の事態は避けられるとの安心感が広がった。

原油の米国指標であるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)先物価格は1カ月前には1バレル30ドルを割り込んでいたが、先週末は40ドル近くまで上昇。日経平均株価も14日、1万7233円を付け、約1カ月半ぶりの高値となった。

そんななか、円相場だけは1ドル=113円台を中心に一進一退が続いている。昨年12月以降、原油価格の下落を背景に、リスク回避の円買いが進んできた。リスクが和らげば売り戻されてよいはずだが、現実にはそうなっていない。

ヘッジファンドなどの投機筋の手の内からも円相場の底堅さが読み取れる。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物取引をみると、投機筋の円の買越額は6万枚を超え、2008年3月以来の水準に膨らんだ。

投機筋の円買いが膨らめば円高が勢いづくというのが、これまでの経験則だ。CMEのデータは、本格的な円高局面がこれから到来する可能性が高いことを示している。

なぜ投機筋は円を買っているのか。ヘッジファンドの動きに詳しい野村証券の池田雄之輔氏は「英国の欧州連合(EU)離脱問題と米利上げへの疑い」を理由に挙げる。キャメロン政権はEU離脱の是非を問う国民投票を6月23日に実施する。警戒感から円だけでなく金やスイスフランなどにマネーが流れ込んでおり、英ポンドの受け皿となっている可能性があるという。

外為市場では、米国の利上げに懐疑的な参加者も多い。米経済は金利上昇とドル高への耐久力が低下し、年内の利上げ回数は限られるとの見方だ。15~16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、ドルは売られやすくなっている。

「日本の金融政策が円安誘導の力を失いつつある」(みずほ銀行の唐鎌大輔氏)との声もある。マイナス金利は副作用への懸念も強く、ECBのドラギ総裁も10日の理事会で利下げの打ち止めを示唆した。円高が進めば日銀が動き、株式相場を下支えしてくれるといういわゆる「黒田プット」に陰りが見えつつある。

政府・日銀は円が急上昇した2月も円売り介入を実施しなかった。11月の米大統領選挙を前に米連邦議会からの強い反発が必至の為替介入はあり得ないとの見方も、円買いの安心感につながっているようだ。

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慎重な米利上げなお適切、海外リスク配慮=FRB議長

[ニューヨーク 29日 ロイター]
イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長は、米経済に対する海外リスクを踏まえると足元のインフレ加速が持続するかまだ定かではないとし、利上げを慎重に進めることが依然適切との認識を示した。

議長はニューヨークで行なった講演で「雇用とインフレの目標を達成するには、フェデラルファンド(FF)金利の軌道が昨年12月に想定していたよりもいく分低い水準であるべき公算が大きいことを海外の動向は示唆している」と指摘。

「見通しへのリスクを踏まえると、委員会は政策調整を慎重に進めることが妥当だと考えている」した。

FRB当局者からは最近、早ければ4月にも追加利上げとの声も出ていた。だがイエレン議長は、原油安や中国経済をめぐる懸念など、米景気の回復を脅かすリスクに用心深く対処する姿勢を鮮明にし、早期の追加利上げの可能性に言及したタカ派発言とは距離を置く姿勢を示した。

議長は、海外経済の弱さ、原油安、中国をめぐる不確実性による逆風は後退し、回復が継続するとの予想を維持していると指摘。「逆風は和らぐとの見方」は、当局者が「緩やかな利上げ」が適切と考える主要な理由となっていると説明した。

年初からの国際金融市場の混乱が米経済に与える影響は限定的な可能性が高く、こうした動向は経済活動やインフレ見通しに関する委員会の基本シナリオを大きく変えていないとした。

海外要因の向かい風が吹く中で、米経済は「極めて底堅い」としながらも、FRBは世界経済の成長鈍化リスクに対して先手を打つことが望ましいとの考えを示した。

また足元の物価上昇ペースの加速が「持続するか判断するのは時期尚早」として、今後のインフレ動向をめぐり慎重な姿勢を崩さなかった。

発言を受け、米株、債券はともに上昇。ドルは1週間ぶり安値をつけた。

コモンウェルス・フォーリン・エクスチェンジのチーフ市場アナリスト、オマー・エシナー氏はイエレン議長の慎重姿勢自体に意外感はないが、「FRB当局者が先週行った一連の発言を踏まえるとやや驚き」と話した。


ドル下落、FRB議長発言で利上げ予想後ずれ=NY市場

[ニューヨーク 29日 ロイター]
終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが主要通貨に対して下落した。米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長が29日の講演で、利上げを「慎重に」進めることが依然として適切だと発言したため、次の利上げ時期の予想が後ずれし、ドル売りにつながった。

ユーロ/ドルEUR=は1週間余りぶりの高値を付けた。終盤は約1%高の1.1302ドルで、過去11営業日で初めて1.13ドルを上回った。

ドル/円JPY=は、欧州時間に一時およそ2週間ぶりの高値となる113.80円まで上昇する場面があったが、直近は0.6%超安の112.72円。

主要6通貨に対するドル指数.DXYは一時8営業日ぶりの安値となる95.103に沈み、終盤は0.83%安の95.145となった。

イエレン議長の発言は、2週間前の連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見以来。米経済の回復を脅かす要素に対して警戒感を示し、よりタカ派的だった最近の他のFRB高官の見解に異を唱えるような形になった。

これを受けてフェデラルファンド(FF)金利先物が見込む7月の利上げ確率は、前日の51%から43%に低下した。

TJMブローカレッジの外国為替共同責任者、リチャード・スカローン氏は議長発言について「間違いなくハト派的だった。利上げ回数をより少なくする方向に動かす新たな材料だ」と指摘した。

コモンウェルス・フォーリン・エクスチェンジのチーフ市場アナリスト、オマー・エジナー氏は「先週、何人かのFRB高官が予想よりもずっとタカ派的な発言をした点を踏まえ、多くの市場関係者はイエレン氏も姿勢を変えると見込んでいたが、実際にはそうならなかった」と述べた。

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勢力増す円高転換派、「円安の時代」は終わったのか

日本経済新聞 編集委員 田村正之

日本株のカギを握る為替相場。先週は円安に動いたが、「年度末の円安は過去も恒例の一時的な現象」と冷めた声が聞こえる。一方で為替アナリストの間で、相次ぐのが相場予測の円高方向への修正。「ここ数年の円安トレンドはもう終わった」という「円高転換派」が勢力を増している。その場合、新年度の日本株は向かい風を受けながらの展開となる。

まずは短期の話から。「4月の新年度入り後、しばらくは再び円高傾向になりやすいのでご用心」と話すのはJPモルガン・チェース銀行の棚瀬順哉為替調査部長。15年までの過去10年のドル円相場(グラフA)を見ると、新年度入り後5営業日目に円安のピークをつけた後、円高に動くパターンが見られる。

特に過去5年間はそのうち4年で3月の年度末に円安になり、4月に円高になった。「年度末にかけて円高、新年度入りで円安」という一般的なイメージとは逆だ。

要因の一つは、日本企業の海外現地法人からの送金や輸出企業の為替ヘッジの円買いが、新年度入りした4月に出やすいこと。JPモルガンの調べでは現地法人からの送金は過去3年間、4月が年間で最大となっている。株式相場は為替動向に神経質になっており、最近の若干の円高一服感に安心していると、4月以降に足をすくわれるかもしれない。

ただしより本質的な問題は、11年秋から続いた円安トレンドが終わったかどうか。足元で目立つのは為替アナリストによる為替相場見通しの円高方向への修正だ。

みずほ銀行の唐鎌大輔チーフマーケット・エコノミストは、「年末予想を108円から105円に修正する方向で検討中」。棚瀬氏は18日、年末のドル円レートの予想を110円から103円に修正している。

代表的な円安派とされる野村証券の池田雄之輔・チーフ為替ストラテジストも24日、年末の予想を130円から122円に大きく円高方向に修正した。

アナリストの多くが指摘する円高要因は(1)経常黒字の大幅拡大による円買い需要の拡大(2)米利上げピッチの減速(3)物価の差を加味した為替のモノサシである購買力平価や実質実効レートで、現在の円相場が、フェアバリューよりまだかなり割安であること――などだ。

唐鎌氏はさらに「現バラク・オバマ政権が円安・ドル高に比較的寛容だったのに比べ、米国大統領候補で有力な民主党のヒラリー・クリントン氏、共和党のドナルド・トランプ氏のどちらが選ばれても、円安・ドル高には批判的。為替相場はこれまで何十年も、米国の意向で左右されてきたし、これからもそうだろう」と指摘する。

(3)の購買力平価は短期的な予測には全く役立たないが、長期のトレンドの判断にはかなり参考になる。「名目レートと購買力平価との乖離(かいり)は、長期的には修正されることが繰り返されている」(龍谷大学の竹中正治教授)からだ。

日米の企業物価をもとに購買力平価を試算し、乖離率(名目レート÷購買力平価)の変化を調べてみた。数年単位で起きるこの上下の乖離の変化こそが、円安と円高の波だ。直近の円安の波(円安方向への乖離)が始まったのは11年秋だった。

今回の円安の波はかなり大きかった。昨年6~7月には購買力平価から27%も円安方向に乖離。これは過去最大の乖離だった1980年代前半に匹敵する。しかしその後は乖離は縮小に転じている。棚瀬氏や唐鎌氏が「すでに円安の波は終わった」と判断する理由の一つだ。

購買力平価は様々な計算方法があり、グラフに使った変動相場制移行の1973年を起点にするやり方では現在100円程度。世界銀行、国際決済銀行などによると105円近辺だ。年初から円高が進んだものの、購買力平価との関連でみればまだかなりの円安水準にあることになる。

棚瀬氏は「購買力平価だけでなく、金利や国際収支など様々な要因で分析しても、フェアバリューは100~103円程度」と指摘。唐鎌氏は「米国の利上げは今年1回程度しかできない公算が高い。そうした状況で、フェアバリューよりまだかなり円安の今の水準は正当化できない」とみる。

購買力平価との乖離は、外貨投資や株式投資を考える上でももちろん参考になる。それぞれの時点でドルに投資した場合の、3年後の騰落率も計算してみた。一目でわかるのは、円高方向への乖離が大きかった95年ごろにドルに投資すれば、3年後には最大で6割強もの大きな円安メリットが得られたこと。

逆に06~07年のように大きく円安方向に乖離したときにドルに投資すれば、3年後に3割近く円高になってしまっている。これは外貨投資の例だが、日本株も為替相場に大きく影響されるので、円安方向に大きく乖離したときの日本株買いは、少なくとも過去のデータからはリスクが大きいことになる。

もちろん「円安トレンド持続」との見方も値強くある。野村の池田氏は年内の予想を円高方向に修正はしたが、「円安トレンドはまだ終わっていない。来年末には125円程度まで円安が進む」とみる。

年初来の円高は主に中国と米国の景気リスクを反映したものだったが、「こうしたリスクは縮小しつつある。4~6月期には英国の欧州連合(EU)残留決定、米国の追加利上げ、日本の財政・金融政策の発動など、円安につながる要因も多く、118~120円を取り戻す動きになるのではないか」

シティグループ証券の高島修チーフFXストラテジストは「テクニカル分析的には円安トレンドが終わった公算が高い」と見る。一方で「日銀のマイナス金利が、今後金融機関などに外貨資産への投資などを促す効果が出てくる可能性もある」ことなどから長期円安継続の可能性も指摘する。

円安トレンドが終わったか、判断は早計だ。しかし気になるのは、法人企業統計などで計算すると、90年以降、企業の利益額や利益率は実質実効レートの動きとほぼ連動していることだ。15年度までの業績拡大や自己資本利益率(ROE)の上昇で日本企業の「稼ぐ力が向上した」との指摘が多くなされたが、それは実質実効円安によって一時的にもたらされただけである可能性もある。

円高トレンドへの転換がはっきりする場合、日本企業の「稼ぐ力」が本当に向上したのかどうか、厳しく問われそうだ。

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コラム:ドル100円割れのカギ握る米金融政策

上野泰也みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト

[東京 11日]
今年のドル円相場をどうみるかに関して市場参加者は、年初の時点で2つに分かれていた。昨年12月時点で米連邦公開市場委員会(FOMC)参加者が提示した見通しに沿って年内の米追加利上げが4回になると考えた円安派と、半年1回程度のスローペース(年内に2回以内)にとどまると考えた筆者を含む円高派だ。

一時110.99円をつける場面もあった1―2月の相場動向から、円高派が勝利したことは自明だろう。

3月入りしてから発表された米景気指標の中には、3月の供給管理協会(ISM)製造業景況指数、1月の建設支出、2月の雇用統計・非農業部門雇用者数など、市場予想比で上振れとなったものがいくつかあり、米国経済が近い将来にリセッション入りするのではないかという警戒感を薄めるのに一役買った。

また、中国当局が財政政策を活用することによって今年の経済成長を6.5%以上に保つとコミットしたこと、原油生産量を凍結する方向で産油国の協議がある程度進展したことから、「中国」「原油」という市場が注視している2つの「リスクオフ」材料について、一定の安心感が漂った。

このため、ニューヨークダウ工業株30種平均は3月1日から5営業日続伸。7日の終値である1万7073.95ドルは1月5日以来の水準となった。市場全般の「リスクオン」「リスクオフ」のインディケーターである米国の主要な株価指数が、「リスクオフ」の動きが広がった1―2月の動乱期に区切りをつけ、年初の「振り出し」まで、この時点でいったん戻ったと判断される。米原油先物も、3月6日の終値は1月5日以来の水準だった。

だが、同じ1月5日時点の米国債の各年限の利回りやドル円の水準を3月7日と比べると、金利や為替の世界では市場参加者の「目線」がこの間大きく変わり、レンジがシフトしたことが確認される。

1月5日の米国債利回りは、2年債が1.01%、5年債が1.71%、10年債が2.23%、30年債が2.99%。これに対し3月7日は、2年債が0.91%、5年債が1.41%、10年債が1.90%、30年債が2.70%である。

また、1月5日のドル円相場のニューヨーク市場終値は119.05円で、3月7日は113.46円だ。

日銀が1月29日にマイナス金利を導入したことで、国境を超えた「イールドハント」の動きに拍車がかかり、米国や欧州の長期金利が押し下げられた。米10年債利回りのコアレンジは、マイナス金利導入前の2.0―2.5%から1.5―2.0%に下方シフトしたと、筆者は判断している。このことは、対円でドルの上値を重くする要因である。

そして、日銀のマイナス金利は株価対策としては逆効果だった。金融機関の収益減少見通しを通じて銀行株が急落し、株安が円高につながった。また、マイナス金利が適用される「政策金利残高」が日銀当座預金のごく一部分であることが市場参加者の知るところとなったこともあり、円高阻止という日銀の目論見はあっさり潰えた。ドル円のコアレンジは115―120円から110―115円に、5円幅で円高方向にシフトした。

<年後半に108円、米量的緩和再開なら100円割れも>

米国で昨年12月に行われた約9年半ぶりの利上げは、2000年8月に日銀が実施したものの失敗したゼロ金利解除と、類似点がかなり多い。では、米国の経済・企業収益の「足場が弱い」中で、しかも差し迫ったインフレ懸念が見当たらない中で行われた米国のこの利上げが失敗だったことが誰の目にも明らかになり、イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が利下げへの転換を決断するケースを想定する場合、それはいつ頃になるのだろうか。

むろん、これは米国内外の経済情勢やマーケットの展開に左右されるため一概に言えない話である。イエレン議長は2月10日に行った議会証言の中で、海外経済のリスクなどから今後の利上げペースが当初想定よりもスローになる可能性が高まったという認識をにじませつつも、労働市場の改善が続いていることや、インフレ抑制要因の多くが一時的なものだとみていることを根拠として、「近く利下げを行う必要に直面するとは想定していない」と述べていた。

そうした中ではあるが、試みに米国の金融政策が「Uターン」した近年のパターンから、インターバルの大まかなイメージの把握をすると、どうなるか。1)ITバブル崩壊時、2)住宅バブル崩壊時、それぞれのケースは下記の通りだ。インターバルは7カ月から13カ月程度といったイメージが浮かび上がる。

1)2000―01年のITバブル崩壊時

・00年5月16日に利上げ。フェデラルファンド(FF)レートは0.5%引き上げられて6.5%に。

・01年1月3日に利下げ。FFレートは0.5%引き下げられて6.0%に。

――インターバルは約7カ月半。

2)2006―07年の住宅バブル崩壊時

・06年6月29日に利上げ。FFレートは0.25%引き上げられて5.25%に。

・07年8月17日に公定歩合引き下げ。0.5%引き下げられて5.75%に。

・07年9月18日に利下げ。FFレートは0.5%引き下げられて4.75%に。

――インターバルは約13カ月半。

筆者が現時点で抱いている基本シナリオは、追加利上げはおそらく6月に1回だけ、辛うじて行われるものの、そこから先は追加利上げができなくなり、FFレート誘導レンジの上限が1%に達することのないまま、金利据え置きが長引くというものである。

そして、今年の後半には、雇用統計を含む広範な米景気指標に減速感が出てくる中で、「次は利下げだ」という見方が市場で広がるだろう。ドル円はこの局面において110円を下回り、108円前後に達すると予想している。

なお、仮定の話になるが、米国が近い将来にリセッション入りする場合、FRBは実際に金融緩和へと舵を切ることだろう。利下げだけで済めば、ドル円は100円前後までの円高ドル安にとどまるとみる。

だが、仮に「量的緩和第4弾(QE4)」に直行するようなら、ドル円は100円を割り込む水準まで円高になり、「力強く持続的な景気のけん引役」が不在であるためショックに対して脆弱な日本の経済もまた、後退局面入りする可能性が高い。

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焦点:ドル円戻り基調、米追加利上げ観測 リスクオン見方は少数

[東京 23日 ロイター]
ドル/円が戻り基調となっている。米連邦準備理事会(FRB)高官によるタカ派的な発言が相次ぎ、米連邦公開市場委員会(FOMC)後に後退した早期追加利上げ観測の揺り戻しが意識されている。ただ、これを口実にドル売り/円買いポジションの巻き戻しが出ているとの見方も根強い。

先行きリスクオンに傾斜すると楽観視する声は少なく、世界経済の動向をにらみながら神経質な展開が続きそうだ。

「ドル/円の下値は、徐々に固まってきている印象がある。ただ、上値追いに自信が持てるわけでもない」と、国内金融機関の為替ディーラーは指摘する。

前週のドル/円は、ドル売りの流れが強まり、一時110.67円をつけて年初来安値を更新した。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果について、ハト派色が強いとの受け止めが出たためだ。

それが今週は、値を持ち直してきている。株価や原油価格といったリスク資産が落ち着き、FRB高官からタカ派的な発言が相次いだことで、地合いの改善につながっていると見られている。

米追加利上げについて「早ければ4月末に予定されるFOMCで、実施される可能性もある」(米アトランタ地区連銀のロックハート総裁)と、市場の織り込みより早い追加利上げの可能性をにじませたほか、ハト派と見られていた高官からタカ派寄りな発言も出て、市場には戸惑いが広がった。

<早期利上げに懐疑的な市場>

バークレイズ銀行・為替ストラテジスト、門田真一郎氏は、FRB高官らの発言について「市場は(FOMC後に)相当、ハト派に傾いた面があったため、バランスを取ろうとしているのではないか」と見ている。

前回のFOMCでは、景気は堅調との見方を示しながら、メンバーによる政策金利見通しを引き下げた。ただ、金利見通しの引き下げは、中国経済の減速などグローバルなリスクやドル高を気にしたためで、地区連銀総裁らの発言でも「経済見通しに大きな変化はない」(バークレイズ銀の門田氏)との指摘だ。

ドル/円はひとまず反発で反応したが、足元の市場では早期追加利上げに対し、なお懐疑的な見方が有力だ。

112円台まで値を戻したが「ドル買いの勢いは、まだ感じられない」(別の国内金融機関)という。米国などではイースターの連休を控えており、海外投機筋がこれまで積み上げたドルショートや円ロングを手仕舞う動きがあるという。

米商品先物取引委員会(CFTC)がまとめたIMM通貨先物の非商業(投機)部門の取組(3月15日までの1週間)では、円買い越しが減少したが、その後に強まったドル売り/円買いの中で再び膨らんだと見られる。

一時的に反発基調が強まる可能性はあるものの「113円や114円に近づけば、戻り売りも強まる。素直に115円に向かうとは考えにくい」(同)という。

<4月利上げの思惑が急なら相場波乱のおそれ>

もっとも、先行きの金融市場の安定や米国のインフレ回復が見込める場合には、4月利上げの目も、ゼロではないとの見方もある。

三井住友信託銀行のマーケット・ストラテジスト、瀬良礼子氏は、よほど強い理由がなければ4月利上げは難しいと指摘しながら「株価・原油価格が上昇し、中国の経済データが強く、FRBが物価の目安とするコアPCE価格指数が前年同月比2%に上昇するような環境が整うなら、FRBは利上げする可能性は高まる」と見ている。

足元で、米原油先物CLc1は昨年12月前半と同水準の1バレル40ドル台に持ち直しており、米ダウは1万7500ドルを超えて年初の水準付近に回復。中国の上海総合株価指数も節目となる3000ポイント付近まで回復した。米コアPCE価格指数は1月で1.7%となっている。

FOMCメンバーの金利予想に基づく利上げ回数の見通しは、今年は2回。ただ、年後半には米大統領選挙を控えており、近づくにつれ政治への配慮から利上げは難しくなると見られている。6月までに利上げできない場合、年内1回どころか、1回もできないとの見方に市場の思惑が大きく後退するおそれもある。

6月には英国の欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票を控えており、市場の波乱も想定される。これまでのところ、市場は4月の米追加利上げを織り込んでいないが「チャンスがあるうちに利上げをしたいというのは、FRBの偽らざる本心だろう」(別の国内金融機関)と見られている。

ただ「タカ派的な発言でどんどんドル高が進みリスク回避になれば、結局、利上げの可能性が低下してしまい、ドル高が進みにくくなるというループに陥っている部分がある」(バークレイズ銀の門田氏)との指摘も出ている。

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円高株安トレンドはいつまで続く?もしも「QQE限界説」が正しければ、財政政策拡大もあり得るが...

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48134

マイナス金利の是非はまだ語れない

1月29日の「マイナス金利政策」導入以降、為替レートは円高、株価は低下基調で推移している。2月の終盤から若干の戻り局面を迎えつつあるが、楽観は許さない状況である。

2月4日、11日の当コラムでも言及したように、筆者は、マイナス金利政策は、日銀が、ゼロ金利の「壁」を打ち破って高値で国債を購入できるようにした点に意味があるのであって、近い将来におけるQE(量的緩和)拡大に向けた「布石」であると考えている。

ただし、これはあくまでも筆者の個人的な見解に過ぎないのだが、株式の「買いオペ」(ETFの購入枠拡大、もしくはバスケット取引でインデックスに連動させるなど)を拡大させていけば、QE政策はまだまだ有効であるし、出口政策にも有効であるし、マイナス金利政策を導入する必要もなかったのではないかとも考えている。

例えば、当コラムでも度々指摘した、1936年から1937年にかけての米国では、株価の急騰が将来の「バブル」につながるとの懸念が、FRBの出口政策を拙速なものにさせ、その結果、その後に禍根を残す出口政策の失敗につながった。

だが、株式の買いオペによる量的緩和の拡大であれば、株価の上昇局面で株式の売りオペを適時行うことは、「冷やし玉」(株価の過熱を抑えるために株式を売却する)としても有効ではないかと考えている。その意味で株式の買いオペは将来の出口政策を考えた場合にも有効ではないかと考えている。

だが、日銀は、株式の購入には積極的ではないようにみえる。その理由は筆者には伺い知ることができないが、何らかの制度的な制約があるのかもしれない。もし、そのような事情があるのであれば、国債買いオペの効果をより高める今回のマイナス金利政策は、「次善の策」としては評価できるだろう。

その意味で、筆者としては、マイナス金利政策は、従来のQQE(量的・質的緩和)の「代替手段」ではなく、あくまでも「補完手段」であり、これが、2%のインフレ目標実現に向けて機能するためには、QQEの拡大が必要だと考えている。従って、QQEの拡大が実施されていない現段階で、マイナス金利政策について評価をすることはできないのではないかというのが率直な意見である。

外国人投資家はどう評価したか

だが、残念なことに、マーケットは、マイナス金利政策を「ネガティブ」な方向で解釈したようだ。

マイナス金利を導入した1月29日の株価と為替レートを100とした場合のその後の推移をみると、3月7日の終値時点で、日経株価は96.5であったのに対し、ニューヨークダウ工業株30種は103.7、今回のマーケット大波乱の震源地であるはずの中国の上海総合指数は105.8となっており、日本株の下落が目立っている。

為替レートも同様に指数化すると、ドル円レートは93.8、円ユーロは94.9といずれも5~6%程度の円高で推移している。もし、マーケットが、マイナス金利政策自体に緩和効果があると考えたとすれば、株高・円安で反応していたはずであるため、マーケットは日銀の想定とは逆に動いたことになる。

マーケットの動きに一喜一憂するべきではないとはいえ、マイナス金利導入から1ヵ月が経過した段階で、円高株安トレンドが続いているのは、やや心配な状況である。

今回の円高株安に際しては、背後にヘッジファンド等の「仕掛け売り」が存在しているのではないかと噂されている。現に、投資家別売買動向をみても外国人投資家の株売りが顕著となっているので、その可能性は高い。

筆者は、外国人投資家の多くが、今回のマイナス金利政策を、「従来のQQE政策が限界に達した」と解釈したのではないかと考えている。実際に、マイナス金利政策導入の背景としての「QQE政策限界説」が、これまでのQQE政策を評価する人、評価しない人両方から出されている。

まず、従来からQQE政策を批判する人の多くは、そもそも量的緩和の効果に否定的な上、日銀による大量の国債購入は、財政政策の規律面から問題であり、緩和を続けるのであれば、日銀当座預金の付利撤廃、もしくはマイナス金利政策の導入と国債買いオペの減額にシフトすべきと主張していた。メディア等で発言が取り上げられる「識者」の多くは、これに分類される。

一方、QQEを評価していた人の中にも、日銀が新発国債に限定した買いオペを続けるのであれば、国債発行計画との兼ね合いで、将来の国債購入余地がなくなるのが目に見えているので、代替手段としてのマイナス金利政策導入があり得ると主張している。

筆者はインサイダーではないのでマイナス金利政策導入の真相は知りえないが、外国人投資家にとっては、立場が異なる2つの陣営から、同様のインプリケーション(これまでの国債買いオペの継続に疑問を呈する内容)を得られた(もしくは、得られたと感じた)ことは日本への投資に際して大きな意味を持ったと考えられる。

また、先にマイナス金利政策を導入したデンマークでも政策金利は-0.5%である。今後、日銀がQQE政策を封印してマイナス金利政策によって金融緩和を進めていくとすれば、どの程度までの利下げが可能であるかが重要になってくるが、せいぜい-0.5%程度まで(それ以上のマイナス金利は現金選好を高めてしまう)とすれば、彼らが、マイナス金利政策自体の限界も近いという解釈をするのはある意味当然の帰結であろう。

リフレ政策に好意的な人の中には、「マイナス金利政策で金融政策のリフレレジームが一層強化された」とする人もいたが、残念ながら、現時点では、「(リフレを強化する方向への)レジーム転換」は起こらず、外国人投資家はむしろ、逆に解釈した可能性が高いのである。

予想インフレ率が上昇していない

以上より、外国人投資家は、マイナス金利政策の導入を、「日銀の反対方向のレジーム転換」と解釈した可能性が高い。

すなわち、今回の外国人投資家は、「日銀が、インフレ目標付QQE政策を通じて、デフレの解消にコミットしていた従来の金融政策レジームを放棄し、金融政策の限界を露呈した」と解釈し、円売り・日本株買いポジションの解消、もしくは逆のポジションをとった可能性が高いのである。

また、マイナス金利政策の導入によって、国債のイールドカーブが「ブル・フラット化(全体の金利水準が大きく低下すると同時に長短金利差が縮小する状態)」している点も気になる。

もし、マイナス金利政策がデフレ解消に有効であるとマーケット参加者が判断した場合、将来の予想インフレ率は、将来のデフレ解消を反映して上昇するはずだから、マイナス金利導入によって、短期金利がマイナスになったとしても、イールドカーブは「ブル・スティープ化(全体の金利水準が大きく低下すると同時に長短金利は拡大する、すなわち、長期金利の下げ幅は短期金利よりも小さい)」するはずである。

そしてもし、イールドカーブが「ブル・スティープ化」すれば、為替レートも円安方向に推移したであろう。

もちろん、そうではないと考えることは可能である。最近のイールドカーブ研究では、「国債の需給要因」をイールドカーブの新たな変動要因として加える手法がみられる(理論的なモデルでは、Vayanos and Vila[2009]、実証分析では、Hamilton and Wu[2012]など)。

つまり、マイナス金利政策が、筆者の解釈通り、将来における日銀の国債購入増の布石であり、「高値」で日銀に売却するために金融機関が国債購入意欲を強めていると仮定するならば、国債需給の逼迫により、長期金利がより低下し、イールドカーブが「ブル・フラット化」する事態も想定される。

だが、この場合には、金融機関が国債から他の運用手段へシフトしていくという「ポートフォリオ・リバランス効果」が働いていないことを意味する。

これは、リフレーション政策のもう一つの効果が出ていないことを意味しており、予想インフレ率が上昇していないという解釈とそう違わない(予想インフレ率が上昇する局面は、具体的な指標等でみることは難しいが、リスク資産への選好が高まるはずであり、株価の上昇となって、目に見える形で発現すると考える)。

この先は「QQEの復活」が必要

このような状況を総合すると、ここまで言及してきた現象は、マイナス金利政策に対するマーケット(特に外国人投資家)の「誤解」に基づくところが大きいと考えられる。従って、金融政策の効果を復活させるためには、「QQE(量的質的緩和)の復活」が必要なのではないだろうか(黒田総裁が言うところの「三次元緩和」の実行)。

すなわち、まずは、QE(量的緩和)の拡大によって、「QE政策限界論」の誤解を払拭する必要があると考える。また、「ポートフォリオ・リバランス」効果を考えるのであれば、株式関連の買いオペを増額することも重要であろう(「質的緩和」の部分)。

逆に、これまで言及してきた筆者の考えが間違っていた場合、すなわち、何らかの原因でQQE政策が本当に限界に近づいており、もはや、小幅な利下げ(マイナス金利の拡大のみの対応)が金融政策の主な手段となってきたという事態が想定される場合には、いよいよ財政政策を拡大させる必要が出てくるだろう。

国債の増発がなくとも、例えば、特別会計の剰余金の取り崩しであっても、特別会計が運用している国債が売却されるため、それを日銀が購入するという流れで国債購入の増額が可能になるかもしれない。

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75円まで円高が進んでも不思議ではない

http://toyokeizai.net/articles/-/109928

江守 哲 :エモリキャピタルマネジメント代表取締役

注目されていた日米欧の中銀の金融政策の方向性が出揃った。欧州中央銀行(ECB)は市場の予想を上回る内容の緩和策を決定したが、日銀は現状維持、米国連邦準備制度理事会(FRB)も利上げ見送りとなり、市場の予想通りだった。これらを受けて株価は上昇し、市場には楽観的な見方も徐々に広がりつつあるが、4月以降の相場急変リスクに注意が必要だ。

■中銀の「壮大な実験」に付き合うリスク

10日のECB理事会では、市場の予想を超える緩和策だった。かなり踏み込んだ印象があるが、これで後戻りできなくなったとの印象のほうが強いというのが筆者の感想だ。つまり、結果が出るまでマイナス金利や量的緩和を推し進めるとのECBの強い意思を感じる一方、ある時点で結果が出なかった場合の悲惨な状況も想定しなければならないということである。これは日銀の政策にも同じことが言える。

黒田総裁は、「必要であれば、追加緩和を行う」との姿勢を崩していない。マイナス金利の効果はすぐに判定できるものではなく、時間がかかるだろう。しかし、その政策が万が一機能しないものであったときにリスクは甚大である。そうならないことを願うが、政策自体が歴史にないものであり、まさに「壮大な実験」である。政府が主導したその実験もリスクを背負っているのは、いうまでもなく国民である。うまくいけば問題ないが、そうでない場合に常に備えておくことが肝要である。

この点では、FRBは一枚も二枚も上手である。景気指標がよいことも追い風といえる。今回の米国連邦公開市場委員会(FOMC)については、今年の利上げペースがこれまでの年4回から2回に引き下げられ、ドル安が進行していることが、米国株にポジティブに作用している。また世界情勢や金融市場動向、経済指標などを考慮しながら慎重に利上げを検討する姿勢を示しており、市場にはハト派的な態度を明確にしたといえるだろう。

このような状況の中、米国株の上昇が鮮明になりつつあり、市場でもポジティブな見方が広がり始めている。その結果、米国株のボラティリティが低下している。市場関係者や投資家が注目しているのはVIXだ。VIXは「ボラティリティ・インデックス」の略で、S&P500を対象とするオプション取引の値動きを基に算出されている。一般的には、VIXは投資家心理を示す指標とされており、「恐怖指数」とも呼ばれている。

VIXは平時には10~20の範囲で変動するが、相場が急変した場合には急伸する傾向があり、その多くの場合で株価は急落している。過去を振り返ると、1997年10月のアジア通貨危機の際には38.20まで上昇し、1998年8月の ロシア通貨危機の際には45.74をつけている。また2001年9月の米同時多発テロの際には43.74、2002年7月のエンロン不正会計事件が発覚した際には45.08、2003年3月の米国によるイラク侵攻時には34.69、そして2008年10月のリーマンショック時には過去最高の89.53をつけている。2011年9月の欧州債務危機の際にも48.00まで上昇していた。

このように、VIXが急伸した際、いずれのケースでも株価は大きく下落している。むしろ、注意したいのは、これらの事象が起きる前のVIXが軒並み20を下回り、低位で安定していた点である。いまは15を下回る水準にまで低下しており、市場に安心感が広がっている。しかし、オプショントレーダーからすれば、このようにボラティリティが低いときは、オプションの買い場である。将来の市場の急変に備えるコストが非常に低いときに、オプションでヘッジしておけば、その後の市場の急変でむしろ収益を獲得できる。VIXが低いのは、今の市場の状況を反映しているのにすぎない。将来の株高を意味しているわけではないことを理解しておくべきであろう。

■固定観念を持たず過去の円高局面に学べ

金融政策が今後も機能するかについては、市場でも議論がある。特にマイナス金利については、上述したように経験がなく、どのような効果があるかは不明。3月末は決算期末であることもあり、株価水準を維持したいとの思惑もある。しかし、日本株は為替相場の影響を受けやすい。ドル高基調から円高基調に転換したことを考慮すれば、目先はなんとかしのげても、長期的には円高の影響は免れようがない。

ドル円の平均的な上昇期間は3年であることはすでに本欄でも指摘した通りであり、当面は円高に進まざるをえない。過去のドル円の調整場面を振り返ると、平均で40カ月ほど継続し、下落率は40%におよぶ。このような変動になれば、2018年ごろまで円高基調が続き、最終的には75円程度まで円高が進むとの試算になる。現時点でこのような変動は想定しづらいが、昨年までの円安局面では75円から125円まで、50円も円安が進んでいるのである。その基点に戻っても何も不思議ではない。

固定観念を持たず、まずは過去データを頭に入れた上で市場動向を見ていくことが肝要である。上記のVIXの急伸や円高は、過去の市場で実際に起きていることである。歴史は繰り返されるのであり、楽観しているときがいちばん危ない。4月以降の波乱にいまから備えておくべきと考えている。

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「1ドル65円になる」伝説のディーラーが断言

http://toyokeizai.net/articles/-/108374

「2011年末から続いたドル高の波動は完全に終わった」

旧東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)時代などに、「伝説の為替ディーラー」としてその名をとどろかせた若林栄四氏。最近では、2011年の円高から円安への転換をズバリ的中させたことでも知られる。現在、ワカバヤシFXアソシエイツ代表取締役である同氏は、今のドル円相場について、ベストセラーとなっている「覚醒する大円高」(日本実業出版社)で冒頭のように断言する。

■ 歴史的に見てドル安の流れは止まらない

それに続いて、若林氏の口から出た言葉は、さらに衝撃的だった。

2月に入り、ドルは一時1ドル110円台まで売り込まれた。足元では、ドル安は一服したようにも見える。だが、ドル安の流れはこれで止まらず、さらにドル安が進むと言うのだ。

「相場は波動なので、上がったものは下がり、下がったものは上がる。ドルは1ドル75円54銭という安値から約3年8カ月で、66%も上昇した。これだけ上がれば、今度は下がるのが自然の流れだ」。

過去、ドルが暴騰した後には必ず暴落が来ている。

第1次ドル暴騰は1978年10月から1982年10月で、この間、ドル円は1ドル176円から278円まで56%のドル高となり、その後は20%程度のドル暴落となった。

第2次ドル暴騰は1995年4月から1998年8月で、この時のドル円は、1ドル79円から147円まで85%のドル高になった後、31%のドル暴落となっている。

「今回は2011年10月から2015年6月までの66%ものドル高であり、その後のドル下落率が20~30%と想定すると、20%のドル安なら1ドル100円程度、30%のドル安なら1ドル88円程度までドル安円高になる。相場は一度走り出すと19カ月くらいは一方向に進むので、目先は2017年1月にかけて、1ドル88~100円のドル安は十分に起こりうる」

しかも、2017年1月前後でいったん反発したとしても、最終的にはドル安のクライマックスが2022年2月に示現すると若林氏は予測する。それが、1ドル65円という大円高だ。

「今、この数字を言っても笑われるだけだが」と前置きをしながらも、「黄金分割で計ったところ、1ドル65円は十分にありうる水準」と言う。

なぜ2016年末前後が、大きな節目になるのか。

「多くの人は、現在の1ドル113円台を見て、『いくら何でも65円はない』と考える。しかし、1990年4月の時点で1ドル160円前後だったドル円は、1995年4月に79円75銭になった。ドルは対円でほぼ半値になったのだ。それを考えれば、現在の1ドル113円が6年後に1ドル65円になっても不思議はない。それが相場だ」

しかし、気になるのは、この大円高が株式などのマーケットに及ぼす影響だろう。目先で見ても、1ドル88~100円までドル安が進めば、日本経済への影響は無視できない。株価の行方が気になるところだ。

「黄金分割の重要日柄(=日数、期間)のひとつに27年というのがある。これは162カ月の2倍に相当する。日経平均株価が平成バブル後の安値である7604円(当時)をつけた2003年4月は、バブル天井1989年12月29日の3万8957円からの160カ月目だ。誤差の範囲だが、ほぼ162カ月と見て良いだろう。そして、そこからさらに162カ月目が、2016年12月にあたる。ここに向かって、株価は再び下落する。

その時の日経平均株価は、場合によっては1万円を割り込むかも知れない。逆に言えば、27年という日柄が整理されれば、その後は上昇へと転じる可能性がある。したがって今、日本株の買いポジションを持っている投資家なら、今夏前後までの戻りでいったん、手持ちの日本株を売却。キャッシュポジションを高め、2017年1月から再び日本株のポジションを増やすべきだろう」。

ただ、無傷で済まないのが米国の株式市場だ。若林氏は、2022年にかけて米国経済が大デフレ局面に突入することを指摘する。その根拠を、米国の長期金利に求めている。

過去に遡って米国の長期金利を見ると、

 1861年=6.45%(天井)

 1901年~1902年=1.98%(底)

 1920年=5.67%(天井)

 1941年=1.85%(底)

 1981年=15.84%(天井)

 となっている。

■ 日本株が2017年初から上昇に転じるワケ

「天井をつけたのが1861年、1920年、1981年であり、インフレの60年サイクルとほぼ一致している。一方、底を付けたのは、インフレピークから見て40年半前後のサイクルだ。1920年から1941年は例外で、これは1920年がインフレの60年サイクルにあったからだが、1941年の底から1981年の天井までは、見事に40年半となっている。このサイクルをあてはめると、1981年の天井から2022年にかけて、金利が大底に向かって進む。この間、米国経済は大デフレに陥っているだろう」。

大デフレが進むなか、NYダウは「2016年12月末までに1万2500ドル。そこでいったん戻すだろうが、米国経済が大デフレに突入したことを確認したうえで、2022年第1四半期にかけて6700ドルまで下がる」というのが、若林氏の見方だ。

それにしても、米国が大デフレ、株価暴落に見舞われるなか、なぜ日本株は2017年1月から上昇に転じられるのか。

「日本は一足早く大デフレを経験した。下がり続けたものはいつか上昇に転じる。デフレも行き着くところまで行き、均衡が破れれば、物価の下落に歯止めが掛り、上昇へと転じる。その時、世界の投資家は日本の株式市場に注目し、日本株は長期上昇局面の入り口に立つ」

そのチャンスを逃さないようにするためにも、日本株のポジションを持つ投資家は、今のうちから徐々にキャッシュポジションを高めておくのが良さそうだ。

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コラム:深手負ったドル円、底入れは年末か

植野大作三菱UFJモルガン・スタンレー証券 チーフ為替ストラテジスト

[東京 1日]
早春の為替市場でドル円相場のトレンドが明確な下降局面に転じる兆しが現れた。昨年は1年もかけて10.0円の幅でしか動かなかったが、1月末から2月上旬にかけてわずか9営業日で10.7円も暴落、一時110.99円まで差し込んだからだ。

短期的にはさすがに売られ過ぎの感も強いため、この先どこかで5円程度の自律反発が生じる可能性はある。だが、多くのドル円ファンが、すう勢判断の際に重視している52週移動平均線は2月中旬を境に下向きに転じており、再び右肩上がりの傾向に復帰するためには、今すぐ120円台以上の水準に復帰した上で、6月初旬にかけては125円超の空中戦を再開しなければならない。

現在のドル円相場からみると相当に高いハードルだ。この先、ごく短期間に一気呵成の失地回復を遂げない限り、「右肩下がりに転じた52週線が現値の上から覆いかぶさる」という構図が定着しそうだ。このタイミングでドル円相場のチャート上に刻まれた10円以上の「差し込み傷」はあまりにも大きく、テクニカル的には上昇トレンドへの早期復帰がほぼ絶望的となる深手を負ったと判断せざるを得ない。

<1ドル=105円前後までの「差し込み」も想定すべき>

事ここに至っては、年明け以降の原油安・株安局面で惹起された「リスク回避の円高圧力」が想定以上に強かったことを素直に認めて脱帽するほかない。

過去数十年間の経験則では、他の通貨ペアに比べて「トレンドフォロワー」の比率が高いと言われているドル円相場で長期の移動平均線がいったん下向きに変化すると、しばらくの間は国内外のボリュームプレイヤーの基本戦略が「戻り売り」優位になりがちだ。当面のドル円相場は「上値が重く、下値が柔らかくなりやすい」地合いに移行する可能性が高い。

その際、気になるのはドル円相場の調整が続く期間とその深さだ。過去8回観察されるドル安・円高局面では、短い場合でも1年弱から1年半程度は続いている。昨年6月高値の125.86円を起点にすると、短くみても今年6月から12月頃まで下値探査が続く可能性がある。古今東西、株も為替も強気相場が弱気相場に転換すると、ある程度の日柄をかけてそれまでの上昇局面で稼いだ「値上がり貯金」の何割かを吐き出さないと「売りたい弱気派」に達成感が広がらず、「買いたい弱気派」の間でも値頃感が刺激されにくい。

今回のドル円相場に当てはめると、震災の年の秋に記録した75円台のボトムから昨年6月に記録した125円台のピークに至るまで、44カ月間で貯めた「ドル高・円安の貯金」は50円超に達している。このうち、フィボナッチ分割で有名な38.2%を吐き出す場合は106円台、50%押しまでみるなら100円台が下値攻防の目処として意識されることになる。

実際にそこまでの下値探査が加速するかどうかは今後の市場環境次第だが、いわゆるオーバーシュートの領域に差し込む場合、保守的にみて105円前後までの差し込みがあるかもしれないとみておく方が無難だろう。

<日米金融政策の格差は健在、円買い投機の巻き戻しも>

ただし、ドル円相場を取り巻くファンダメンタルズに目を転じると、過去最長となる44カ月もの長きにわたってドル円相場を右肩上がりに誘ってきた「日米金融政策の方向格差」は、今のところ根本的には変化していない。

一部で意識されている米国景気腰折れ懸念が現実のものになった場合は、ドル安・円高局面が数年以上に及び、100円割れのリスクを無視できなくなる可能性もあるが、最近の米経済指標をみる限り、米連邦準備理事会(FRB)が利上げ計画の完全キャンセルや利下げに追い込まれるほど、景気回復の足腰が弱っているとは思えない。米景気が緩やかな回復軌道を維持している限り、いずれ「健全な利上げ期待」が復活する時期が来るだろう。

そのような状況下では、年明け以降の金融・為替市場を席巻している過度のリスク回避ムードも緩和している可能性が高く、現在は外部要因によって抑圧されている日本の異常な金融緩和の累積効果が解き放たれることになるだろう。

1月末に日銀がマイナス金利導入を発表した後、わずか3営業日後にドル円相場がそれ以前の水準に押し戻されたことをもって、「マイナス金利は効かない」「副作用の方が大き過ぎて逆にリスク回避相場を助長している」など、残念な評価が優勢になっているが、個人的には「クイックアンサー」を求めがちな市場によくある近視眼的な見解だと思っている。

あくまで私見だが、名目国内総生産(GDP)が約500兆円しかないこの国において、年率80兆円という無茶な勢いで量的緩和を推進しつつ、マイナス金利まで導入している現在の政策が今後もオープンエンドで続けられていく場合、将来的にみて通貨の価値に響かないとは想像しにくい。

外部の市場環境がリスク回避一辺倒に傾いている間は、日銀がどんなに頑張って金融緩和を進めても、外因性の円高圧力に押し潰されて通貨安効果が封印される状況が続きそうだ。だが、市場の一部でささやかれている米景気後退懸念が杞憂に終わり、過度のリスク回避ムードが緩和すれば、それまで抑圧されていた円安効果が時間差を伴って表面化してくる可能性が高いのではなかろうか。

為替需給についても、市場心理がリスク回避一色に染まっている間は、昨今のドル安・円高局面で猛威を振るっている短期筋の円買い投機が定着、足元で年率15兆円超のレベルにまで膨張している経常収支の黒字と併せた円高圧力に軍配が上がる状況が続きそうだが、米国で安定的な利上げ期待が復活すれば、ドル建て短期債務の膨張を伴って拡大している円買い投機は、いずれ反対売買を迫られる時期がくるだろう。

<ドル円は年末に底入れし、来春には反転上昇か>

日本の資本収支に目を転じると、昨年は国内企業による活発な海外企業買収による直接投資の純流出だけでも年率15兆円を突破。年金基金、生損保会社、投資信託などを通じた対外証券投資も、年率25兆円から30兆円近いペースにまで拡大している。投機筋の空中戦売買を除いた基礎収支の需給環境は、依然として経常収支黒字をはるかに上回る資本収支の流出超過が続いているのが実情だ。

日本企業の海外進出による対外直接投資は、人口減に伴う国内市場の縮小観測という構造要因に原因があるため、為替相場の短期変動の影響を受けにくく、最近のように海外での株安や円高が進んだ方が、海外企業の買収コストが安くなるので逆に出やすくなる。

国内投資家による対外証券投資についても、日銀によるマイナス金利導入の影響で、機関投資家や個人投資家の目からみて「円資産で買えるもの」を発掘する作業がどんどん難しくなっている。外部環境さえ落ち着けば、ドル円やクロス円相場の水準に反比例して、鬱屈していた外貨建て資産への投資意欲が解放される時期もやってきそうだ。

この先しばらく続くと想定されるドル円相場の循環的な下降局面において、日柄的な満足感やレベル的な達成感がある程度得られる調整が進み、日米両国の金融政策格差に対する市場の認識が筆者の想定通りになるならば、投機主導の円高圧力は次第に収束、円売り優位が続いている基礎収支の為替需給が再び表面化する局面もやがてくるはずだ。

現時点でその時期を断定するのは難しいが、恐らく年末年始には底入れし、来年の春頃から反転に向かうというパターンを想定している。

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為替こうみる:ドル/円のレンジ脱却は下方向になる可能性

[東京 17日 ロイター]

<IG証券 マーケット・アナリスト 石川順一氏>

ドル/円は日米欧中銀の金融政策イベントをすべて通過しても、2月中旬からの111─115円レンジを脱却できなかった。どこかのタイミングで必ず上下どちらかに抜けるだろうが、111円をブレイクしていく可能性の方が高いとみている。

米商品先物取引委員会(CFTC)のIMM通貨先物の動向では、投機部門の円の買い越しが8年ぶりの高水準となっている。リスクオン/オフに限らず、円買いポジションが積み上がってきたことを考えると、2012年後半から続いた円売り一辺倒という投機筋の戦略が終わりを迎えていると考えられる。

現在、人民元相場は現在落ち着いているものの、2016年は中国経済の先行き不透明感が意識される状況が続く。米大統領選が佳境に入ってくれば、米国内で過度なドル高を看過しにくくなり、そこに中国リスクが重なれば、111円を割り込んで110円にトライする局面になりそうだ。

110円方向に向かう前に、115円を上抜けする可能性もある。マーケットが米国の利上げペースの鈍化を織り込んで株式市場と商品市況が堅調に推移すること、日銀が緩和強化に動いて日米金融政策のコントラストが再び意識されることなどがきっかけになりそうだ。ただ、その場合の上昇は短期的で再び円高方向になびくとみている。

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