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ドル/円は底堅い、G20消化後は米経済指標に関心

東京 29日 ロイター]
今週の外為市場でドル/円は、底堅い展開となりそうだ。20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の結果に対する消化が進んだ後は、株価や原油価格に落ち着きが見られるなら、雇用統計を始めとする米国の重要指標に関心が移っていきそうだ。下値警戒感も根強いが、111円を割り込むような円高にはならないとの見方が出ている。

予想レンジはドル/円が111.00―114.90、ユーロ/ドルが1.0850―1.1200ドル。

週前半はG20の内容を消化する展開となりそうだ。27日まで上海で開かれたG20は、均衡の取れた成長や市場の安定に向け、財政を含めたあらゆる政策手段を動員することを明記した共同声明を採択し、2日間の討議を終えた。

イベント通過後の相場変動が警戒されたが、週明け早朝の外為市場では、先週末の水準からの小動きにとどまっており「G20への評価が定まらず、相場の方向感が出ていない」(国内金融機関)との指摘が出ていた。

下値警戒感は根強いものの、先週の下落局面で110円台まで下げなかったことで下値が固まってきたとの見方もあり、下落しても111円割れは回避できそうだという。

G20を通過したことで、原油価格や中国株が落ち着いていれば「素直に経済指標に関心が向かう地合い」(別の国内金融機関)と見られている。

3月1日にISM製造業景況指数、2日にADP全米雇用報告とベージュブック、3日にISM非製造業景況指数などの発表がある。これらが堅調で4日発表の雇用統計もいい内容となれば「ドルは115円手前まで上昇する可能性もある」(マネースクウェア・ジャパンのシニアアナリスト、山岸永幸氏)という。

<英国のEU離脱問題はテーマから外れるか>

英国のEU離脱問題はリスク回避姿勢を強める要因となったが、次第に影響は薄まっていきそうだ。今週については「ユーロやポンドが派手に売られることはないのではないか」(国内金融機関)との声も出ている。

ユーロ/ドルは前週に下落した場面でも1.09ドル半ばで下げ止まった。ショートカバーで戻す可能性もあるが、「3月に欧州中央銀行(ECB)が追加緩和を打ち出す可能性が高く、上がっても1.12ドルくらいにとどまりそうだ」(同)という。

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「安全資産だから」円が買われて円高に、の説明は本当か

http://diamond.jp/articles/-/86639

「欧州発の金融不安がきっかけ」「米国での景気後退リスク」「やっぱり中国の景気減速」「中央銀行への不信感から」「根源的には米国の利上げ」――。

2月に入ってからの劇的な円高はどうして起こったのか。この問いに対する答えは、上記の通り、専門家でもさまざまだ。ところが、こうしたリスクイベントの結果として発生する「円高メカニズム」については、面白いことに完全に一致する。

具体的には、投資家心理が悪化し、株や新興国通貨などのリスク資産から安全資産に資金を移動する「リスクオフ」が加速して、相対的に安全資産とされる円が買われるという流れだ。

では、「リスクオフで相対的に安全資産とされる円が買われた」という、相場記事でよく見掛けるこのメカニズムは、本当に正しいのだろうか。

例えば、「安全資産とされる円」。日本は周辺で、北朝鮮が核実験を強行したり、長距離弾道ミサイルを発射したりと、きな臭い地政学リスクが高まっている上、財政的にも巨額の借金を抱え、国債暴落説が今なおくすぶっている。

これで安全資産なの?と言いたくなる。

これに対して、専門家がよく言う「日本は世界最大の対外純債権国(民間も含めた対外資産が対外債務を上回っている国)だから安全」という理屈。もちろん中長期の視点ならば理解できるのだが、投資家がそれを意識して円買いを仕掛けているとも思えない。

知られざる「“条件反射”的な思惑買い」の威力

悶々とした疑念が消えない折、本音を語ってくれたのが、SMBC信託銀行のシニアFXマーケットアナリストの尾河眞樹氏。「財政も厳しく、実際に安全資産と思って円を買っている人はいない」。

それなのに、どうしてリスクオフで円買いが進むのだろうか。その謎を探っていくと、超低金利時代が長く続いた日本の特殊事情が深く関係していた。

大和証券チーフ為替アナリストの亀岡裕次氏は、「リスクオフの逆のリスクオンから考えると分かりやすい」と教えてくれた。

日本の投資家がリスクを取る際、高利回りを求めて、低金利通貨の円を売り、高金利通貨を買う流れが加速する。それがリスクオフに転じると、まずは手元の流動性を確保しようとして、円に回帰して円が買われるというわけだ。

以前に比べて減少したとはいえ、円キャリー取引も忘れてはいけない。リスク回避局面で外国人投資家は、低金利の円を買い戻し、円を返済する流れが加速するという。

その流れを増幅するのが、投機筋だ。リスク回避で円高が進むと読んだヘッジファンドが円買いを仕掛けてくるのである。さらにドル円の相関などに着目して超短期で自動売買をするCTA(商品投資顧問)が円高のモメンタム(勢い)に乗って円を買い進める。

そして何より、「リスクオフ=円買い」と脳内にインプットされた多くの投資家による“条件反射”的な思惑買いが大きく作用する。

これこそが「リスクオフの円買い」の正体なのである。

そもそも、リスクオフ、リスクオンという言葉が相場に定着してきたのはそれほど昔ではない。

リーマンショック後の金融緩和で、投機マネーがジャブジャブに溢れたが、こうした投機マネーは少しでも高い利回りを求めて世界を徘徊。市場心理の変化によって、スイッチのオン、オフを切り替えるように、目まぐるしくリスク資産と安全資産の間を行き来するようになってからだ、とベテラン為替ティーラーは語る。

2月11日に1年3ヵ月ぶりに一時110円台を付けたドル円相場は、足元で若干円安に戻している。

ただ、「115円を超えて円高になると、テクニカル的にも心理的にも円安軌道に戻りにくい」(ドイツ証券グローバルマクロリサーチオフィサーの田中泰輔氏)。

今後、リスクオフの円買いはどんな展開を見せるのか。

2011年の欧州債務危機を受けた大リスクオフ相場では、同年10月、一時1ドル=75円台まで円高が進んだ。

今、それに匹敵するイベントがすぐに顕在化する状況ではないが、原油安、欧州発の金融不安、そして米国の景気後退など、複数のリスクが共振して、激烈なリスクオフ相場に転じる可能性は十分ある。

プロでもつい愚痴がこぼれる年明けからの大波乱相場

大損を出してしまい、「ペナルティーボックス」行きを命じられた大手銀行の為替ディーラーは、「一定のポジションを持っている同業者はみんな同じようなもの。こんな相場、誰も予想できない」とこぼしました。

このディーラーが愚痴りたくなるのも無理はありません。それほどまでに年明けからの為替市場は波乱の連続でした。

年初に中国の混乱が伝播して、ドル円相場が怒濤の円高を演じたかと思えば、1月29日の日本銀行によるマイナス金利のサプライズ発表で一転、再び円安に振れ、1ドル=120円台を回復しました。

ところが、すぐに欧州発の金融不安などをきっかけとして相場はまた逆回転。2月11日には一時1ドル=110円台を付け、1年3ヵ月ぶりの円高水準となりました。わずか10日間で、上げ幅は実に10円を超え、リーマンショック後に匹敵する円高劇となりました。

ドル円相場を取り巻く環境はここ最近、複雑さを増しています。足元でも欧州発の金融不安など、予期していなかった複数のリスクが顕在化してきました。

中国原則と原油安だけではない!円相場を揺さぶる「新六大リスク」とは?

そこで、本誌は、ドル円相場を揺さぶる国内外のリスク要因として、「米国の減速と利上げ」「中国の減速と人民元安」「原油価格の低迷」「欧州発の金融不安」「地政学リスク」「マイナス金利導入」を挙げ、新六大リスクと定義しました。

昨年来、この六大リスクに絡む景気指標が発表されるたびに、ドル円相場は乱高下を繰り返しました。これらは時に共振し、時に連鎖する形で、密接に絡み合いながら相場を激しく動揺させます。

昨年までは、中国の景気減速と原油安が二大リスクでしたが、それを超える相場のかく乱要因が急浮上してきました。米国の景気鈍化です。世界最大の経済大国の地盤沈下は、投資家心理を急速に冷やすため、ドル円相場に与える影響は計り知れません。

米国が本格的に景気後退局面入りすれば、リスクを嫌ったマネーが日本に押し寄せ、歴史的な円高水準を記録する可能性もあります。

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年末130円まだ描ける、「確信なきリスクオフ」の円高続かず

(ブルームバーグ):
世界的な金融市場の混乱を受け、ドル・円相場の予想を円高方向へ修正する金融機関が相次ぐ中、野村証券は年末1ドル=130円の円安シナリオがまだ維持可能とみている。まずは3月前半に発表される米経済指標が最重要のチェックポイントになるとしている。

日本銀行による1月29日のマイナス金利政策発表を受けて円安が進んだのは当日だけで、世界的な株価急落などを背景に2月に入り円は急騰。月初に121円台だったドル・円相場は、11日には一瞬ながら2014年10月末以来の110円台に突入した。その後円の上昇は一服したが、米国の利上げ後ずれ観測も強まる中、市場では12年末から続いてきたドル高・円安トレンドの転換を指摘する声が増えている。

こうした中、野村証の池田雄之輔チーフ為替ストラテジストは16日のインタビューで、ドル・円は下値を見た可能性が高く、14年末から掲げている「16年末130円」との予想を変える確定的な材料は「まだない」と語った。18日午後3時55分現在は113円85銭前後で推移している。

池田氏は、英国での複数のヘッジファンドとの面会を踏まえ、今回のリスクオフは米中景気や中国人民元、米利上げの動向をめぐる不透明感に根差した「確信のない」もので、「何が起きているのか分からないが、強気のポジションは取れないので、みんな市場のリスクオフに付き合わされて、仕方なく弱気のポジションを作っている感じだ」と説明。「そうすると自己実現的にどんどん相場は悪くなってしまうが、もともと確信がないため、ちょっとしたきっかけで戻してしまう」と指摘した。

池田氏の推計によると、もともと円ロング(買い持ち)だった投機勢のポジションは先週後半に「史上最大に匹敵」する水準まで拡大しており、こうした投機的な円ロングが解消されるだけで、ドル・円は117円50銭程度まで戻るという。118円から上に行くには米利上げの織り込みの復活が必要で、「1回分だけでも118円から119円ぐらいまで。2回利上げできるというところまで米指標が強気になれると122円ぐらいまで」戻せる計算だとしている。

バークレイズは先週、ドル・円相場見通しを第4四半期で95円と、従来の120円から大幅に引き下げた。リスクセンチメントの悪化や日銀の金融緩和余地をめぐる疑念、米利上げ観測の後退などが理由だ。三菱UFJモルガン・スタンレー証券も年末の想定レンジを従来の121-134円から104-117円に変更。バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチは今週、米金融政策の予想変更に伴い、ドル・円の年末予想を120円から110円に下方修正した。

池田氏は、ドル・円が昨年6月に13年ぶり円安値の125円86銭を付けた当時と違い、今はアベノミクスに対する期待感がほとんどないため、「当面は米国の利上げ期待に引っ張ってもらうしかない」と指摘。ワーストシナリオは米景気が決定的に悪くなり、「ローコンビクション(低い確信)リスクオフがハイコンビクション(高い確信)リスクオフになってしまうこと」とした上で、米供給管理協会(ISM)指数や雇用統計など3月前半に集中する米重要指標でリセッションリスクが低いことが確認できれば、130円予想は維持できると語った。

ブルームバーグが先物データを基に算出した米利上げ予想確率によると、米連邦準備制度理事会(FRB)が昨年12月の利上げに続き、年内に追加利上げに動く確率は4割程度となっている。昨年末時点の同確率は9割超だった。

マイナス金利政策の効果 

池田氏は1月の日銀会合前のインタビューで、日銀が何もせずに円高進行を放置し、115円以上の円高が定着すれば、 投資フローや企業活動に「不可逆的なダメージ」を与えるとし、追加緩和の打ち止め感を防ぐにはマイナス金利政策への移行を示唆することが必要と話していた。

池田氏は、マイナス金利政策で市場が見逃している重要ポイントは、国債市場の7割方がマイナス金利の状況で、中長期で資金を運用する年金や地域金融機関が新年度の運用方針を策定する際に「必然的に相対的高金利の外国債券や国内外の株式などに分散を広げることにつながってくる」ことだと指摘。「3月の段階である程度リスクオフが静まっていれば、新年度の運用方針がそれなりにリスクを取りに行くという循環になっていくので、最終的に130円まで行けるようなシナリオもまだ描ける。ただし、130円まで行こうと思ったら、米利上げは3回は必要」と語る。

市場では円売り介入への警戒感もある。池田氏は介入は世界的な危機対応の機運に水を差し、G7における日本の立場を極端に悪化させるとし、「基本的にはあり得ない」とみる。G7の取り決めで介入を行う際には相手側の承認が必要で、承認を得るには誰の目で見ても高過ぎるというところまで円が強くならなければならないと説明。ドル・円が「少なくとも1ドル=105円というOECD(経済協力開発機構)計算の購買力平価を下回らないと話にならない」とし、105円を下回らない間は「日銀によるマイナス金利政策の強化が、事実上の円高抑止政策になる」と語った。

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日本株、意識され始める自律反発の限界点 G20後に警戒も

東京 18日 ロイター]
世界的なリスク回避姿勢が和らぎ、日本株も戻りを試す展開だが、市場が楽観的なムードに傾いているわけではない。

景気や企業業績に懸念を残す中、自律反発には限界もある。上海で26―27日に開催される20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の結果次第では、再び投機筋の売り仕掛けもあり得るとの警戒感がくすぶっている。

<細る売買代金>

サウジアラビアやロシアなど有力産油4カ国が合意した増産凍結合意をイランが支持すると表明。その後、原油価格の底割れ懸念が後退した。

その流れを受け、足元のマーケットでは世界的にリスクオフの巻き戻しが起きている。欧米株高に続き18日の東京株式市場でも日経平均.N225が大幅反発、上げ幅は一時500円を超えた。

2月12日の直近安値から1300円強上げたことになるが、市場では「下落局面で売買代金が増加し、戻りで増えない相場は弱い」(SMBC日興証券・投資情報部部長の太田千尋氏)との声が出るなど、楽観的なムードは感じられない。18日の東証1部売買代金は前日比13%減の2.7兆円にとどまった。

日経平均の下落率は、昨年6月24日高値からすでに20%を超え、一般的な定義上は弱気相場に入っている。「ベアマーケットラリー」とも呼ばれる弱気相場での自律反発には、限界があるとの見方も少なくない。

CTA(商品投資顧問業者)などの投機筋は、強気相場では上値追い、弱気相場では戻り売りのストラテジーを組むことが多いとされている。「株売り・円買いのポジションはいったん縮小させたが、次の売り時を模索している可能性は十分にある」(準大手証券トレーダー)という。

人民元安や世界景気減速などの懸念は依然解消されず、売り材料はいつ出ても不思議ではない状況だ。

<1万6854円が重要なポイント

自律反発の上値めどはどこか──。野村証券チーフ・テクニカル・アナリストの谷 晶子氏は、30年移動平均線が位置する1万6854円を重要なポイントとして挙げる。「2月末までにこの水準を超えられないと、月足終値が30年線を下回ってしまう。過去の例でも下降トレンドに転換するケースが多い」という。

再び下値模索となった場合は、1万4500円台まで下押す可能性もあると同氏はみている。

みずほ証券・シニアテクニカルアナリストの三浦豊氏は、目先は自律反発が継続しても「上値は1万7000円程度。それ以上の水準では、戻り売り圧力がかなり強い」と指摘する。

同氏によると昨年12月以降、日経平均1万7000―1万7500円の価格帯は累積売買代金が約26兆円と突出して多い。

三浦氏は「日本株は真空地帯を戻してきたが、G20での政策協調に対する期待を前倒しで織り込んでいる可能性もある」と話す。

G20で為替安定に向けて何らかの合意に至るのか。結果次第では投機筋の新たな売り仕掛けの狼煙(のろし)になる可能性もある。

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コラム:日本は「ドル106円」を許容できるか

鈴木健吾みずほ証券 チーフFXストラテジスト

東京 19日]
ドル円相場は日銀のマイナス金利導入を受け、1月末に121.70円まで上昇したが、原油価格や米中経済、欧州金融機関のクレジットなどに対するリスクが台頭し急反落。節目として意識された115.00円も割り込むと、2月11日には110.99円まで下落した。

筆者は、1月末の欧州中央銀行(ECB)による3月の追加緩和予告や前述した日銀の行動などによって、市場の焦点がリスクから金融政策やファンダメンタルズに回帰し、ドル円は120円近辺の推移となる展開を想定していた。しかし、わずか10営業日で昨年1年間の値幅を超える投機的な急変動の波に飲み込まれ、水準自体が下方シフトしてしまった。

前回1月22日のコラムで「テクニカル的には115円を下抜けると一気に110円近辺に急落する可能性を示唆している」として、実際そうなった通り、テクニカル的には比較的きれいな値動きとなっている。目先、ここからさらに下押しした場合のレジスタンスは心理的節目とされる110.00円だが、ヘッド・アンド・ショルダーやフィボナッチ級数などのテクニカル分析では106円近辺が次の下値の目標として意識される。

2014年終盤以降のドル円チャートは真ん中の大きな3つの山、いわゆるヘッド・アンド・ショルダーの形を描いており、このネックラインとされる115―116円の水準を下回ったことで下落バイアスを急激に強める動きとなった。この場合、教科書的にはいったん反発してネックラインをトライする展開となるが、これが抜け切れないと改めて下方トレンドを強める形となる。

直近では110.99円をつけた後に反発を見せ、2月16日に114.87円まで値を戻しながらも115―116円を抜け切れずにいることから再び下方バイアスが強まる可能性がある。改めて下落した場合の目標価格は、ネックラインからヘッド・アンド・ショルダーの高値までの値幅と同程度、ネックラインを下回った水準となる。数字を当てはめると、高値は昨年6月につけた125.86円(約126円)。ネックラインを約116円とするとその値幅は約10円程度となり、106円近辺が目標値となる。

また、過去の値動きを見るとドル円は11年10月31日に安値75.32円をつけた後、上述したように昨年の125.86円まで上昇しているが、フィボナッチ級数を使ったテクニカル分析では38.2%押しとなる106.55円近辺が1つの節となる。ここでも106円という数字が出てくる。テクニカル的な下値の目途としては、心理的節目110.00円および106円近辺が重要となろう。

<アベノミクスも黒田日銀緩和も吹き飛びかねない>

ただ、実際問題として日本政府・日銀が106円という水準を容認できるのか、という問題がある。12月の日銀短観で示された大企業製造業の15年度の想定為替レートは119.40円。106円まで下落すれば1割以上の大幅下落となり、輸出企業を中心とした業績悪化やこれを受けた株価の下落は避けられまい。10%の円高は東証1部上場銘柄の経常利益を6%程度下押しすると試算される。

また、過去の相関からは1ドル=106円近辺となれば日経平均株価は1万4000円水準への下落が想定される。このような状況ともなれば政府・日銀が期待する企業の賃上げは当然、不可能な話になるだろう。そればかりか、あれだけ軽減税率で紛糾した来年の消費増税も延期論が台頭するかもしれない。

加えて、原油価格が低迷する中でその水準まで円高が進めば、輸入物価の下落により消費者物価はマイナスとなり、事実上デフレ状態に後戻りするだろう。10―12月期の国内総生産(GDP)が前期比年率マイナス1.4%となった中、株安、円高、デフレともなれば、これまで積み上げたアベノミクスも黒田日銀緩和も吹き飛びかねない。

一方で、容認できなければどうするか、という問題もある。介入によってドル円相場の水準を押し上げれば「近隣窮乏化策」との批判とともに通貨安競争の引き金ともなりかねない。水準ではなく無秩序な動きをターゲットとしたスムージングオペレーションの可能性はないではないが、それでも相当ハードルは高いだろう。

現実的には、目先は「ファンダメンタルズを反映しない投機的な動きには断固たる措置で対応」などといった口先介入でけん制、基本的に110円水準を割り込む円高は容認しない姿勢であることを市場に示し、いずれかのタイミングで日銀が追加緩和に踏み切るといった形で対応せざるを得ないだろう。

<ドル円のレンジは109―123円に修正>

さらに効果が大きいと思われるのが、国際的な協調姿勢を示すことだ。今回の円高もリスクオフを通じた金融市場の混乱が引き起こした面が強く、この混乱に対しては多くの国が懸念を共有している。

過去、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では「資金フローの過度の変動及び為替レートの無秩序な動きは、経済及び金融の安定に対して悪影響」(13年のロシア会合)といった文言を声明に盛り込んだことがあるが、これ以上の強い表現で市場の混乱に対するけん制を行うことができれば一定の安心感にはつながるだろう。

また、日米欧などの中銀が市場混乱の沈静化と世界経済への配慮という点で連携を示せば、同様に一定のインパクトをもたらすだろう。

2月末から3月半ばにかけてはこれを可能にするイベントが並ぶ。2月26―27日には上海でG20財務相・中央銀行総裁会議が開催され、3月5日からは中国の全国人民代表大会(全人代)。同月10日には追加緩和がほぼ確実視されるECB理事会が行われ、14日から15日は日銀金融政策決定会合、15日から16日は米連邦公開市場委員会(FOMC)が予定されている。

これら一連のイベントの中で協調姿勢を示すことができるかが、市場に蔓延した過度の悲観論や急激な円高を阻止するうえで非常に重要なポイントとなる。基本的には何らかの協調や日本政府・日銀の行動などによりドル円は節目110円を割り込んだとしても一時的で、この水準は下支えられる展開を想定している。

サンフランシスコ地区連銀のウィリアムズ総裁は12月にスタートした米国の利上げに関し、緩やかなペースで進むため「3年程度かかる可能性がある」と発言している。一方、日銀は1月に緩和を実施し、年内も追加緩和が期待されているほか、消費増税が予定される来年以降も緩和姿勢を継続するだろう。今後3年程度、「米国は利上げ、日本は緩和」という状況が見えている中で、ここまでドルを叩き売って円を買う動きには正直なところ違和感がある。

しかし、年明け以降の急激なリスクオフはわれわれの想定を超えるものであり、ドル円は年末時点の下値の予想115円を下回ってしまった。新たな下値目途としては上記のような考え方などから109.00円を提示し、一方で上値も従来から切り下げ、123円程度を想定している。

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リスクオフ深刻化へ一線越え 1ドル105~110円の攻防か

http://diamond.jp/articles/-/86691

田中泰輔(ドイツ証券グローバルマクロリサーチオフィサー)

ドル円相場の様相は一変した。1月29日、日本銀行のマイナス金利サプライズを受け、ドル円は一時121円台に反発した。米利上げ後数カ月間のドル円相場は弱含みで推移すると見込まれ、115~120円水準での攻防を覚悟していた。日銀の政策は相場を支える一助になると一瞬安堵した。

しかし、相場の主エンジンはあくまで米景気。米景気が駄目なら日銀が何をしてもドル円は上がらない。マイナス金利発表後の円安は、米景気低迷のニュースなどによって数日で消えた。市場ではそれまで115円をドル円の上昇基調を保つ下限と見なしていたが、118円、117円とマイナス金利発表時の水準を割り込んだ途端、ムードは暗転した。日銀の政策発動は、相場の分水嶺の水準を引き上げ、相場下落を早める引き金になってしまった。

年初来、メディアでは円安論と円高論を対峙させる企画が多かった。現在は、円高論者が根拠としがちだった米利上げ後のドル安とか、日本の経常黒字増による円高とか、もはやそういう次元の話でもない。米経済減速が鮮明となり、リセッション入りの可能性も出てきた。

当社も今年の米国のGDP成長率予測を2%付近から1.2%へと引き下げ、利上げも年3回から12月1回のみと予想を改定した。市場は世界経済の下振れリスクを警戒し、そのリスクに備えなければならない。

相場変調の分水嶺を超えたと判断した2月早々、ドル円が110円割れに向かう事態を覚悟した。ドル円は200日移動平均を割り込み、ヘッド・アンド・ショルダー(三尊天井)を形成し、過去1年強のレンジである115~125円で作られた買い持ちポジションは全て含み損を抱え、ドル円は一気に下落の公算が高まった。

7月の参議院選挙を前にアベノミクスは正念場である。日本の3月本決算を前に、当局は110円付近を確保すべく為替介入する可能性が高い。日銀も状況次第で、追加利下げや量的緩和拡充などを早める可能性がある。

さらに悪いことに、金融に絡む問題には事態が悪化するほど増殖する面がある。最大の懸念の一つは米欧の高リスク債市場だ。これが売られて利回りが急騰すると同時に株価が下落する展開は、企業の信用不安を悪循環的に高じさせやすく、リセッション入りの警告シグナルとされる。

主要国の協調行動が必要ともなる嵐の中で、ドル円は105~110円の攻防があり得るとみる。中長期では年末に112円、来年末に115円と小康を見込むが、あくまで暫定予想とご了解いただきたい。

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ドル/円上値重い、G20に向け思惑交錯か=今週の外為市場

東京 22日 ロイター]
今週の外為市場でドル/円は、上値の重い展開が想定される。年初からの荒れ相場は、前週にいったん落ち着きが見られたものの、自律反発の範囲とみられている。米経済減速への懸念から、米追加利上げへの思惑はドル/円の押し上げに働くほどには高まっておらず、上値では戻り売りも出やすい。

今週末に控えるG20に向けては思惑が交錯し、相場が不安定になりやすいとの指摘も出ている。

予想レンジはドル/円が112.00―115.50、ユーロ/ドルが1.10―1.12ドル。

前週前半にドル/円は、前々週の相場急落から切り返し、いったん落ち着いた動きとなった。ただ、市場では自律反発の範囲にとどまるとの見方が有力。日銀のマイナス金利採用後に当面のレンジ下限と見なされていた115円は、今ではレジスタンスとして意識され、接近すれば戻り売りに押されそうだ。「明確なドル買い/円売りの材料がなければ上抜けは難しい」(同)という。

原油価格や株価の動向に振らされやすい状況は継続。ただ、これらが大きく変動しないようなら、外為市場では米経済指標にも関心が向かいそうだという。

年初からのドル安/円高が小休止となった背景としては、米1月小売売上高に改善が見られ、米追加利上げへの期待感が盛り返してきたこともひとつの要因とされる。

ただ、足元のデータには依然、強弱が入り混じっている。米新規失業保険申請件数が予想を下回って雇用の底堅さが意識される一方、米フィラデルフィア地区連銀業況指数はマイナス圏にあり、弱いままだ。米経済の強さへの市場の懐疑心はぬぐわれていない。

19日に発表された1月の米消費者物価指数(CPI)で食品とエネルギーを除くコアCPIは市場を上回る約4年半ぶりの大幅な伸びとなったことを受け、米債券市場では利上げペースが予想よりも速まる可能性があるとの見方が広がった。

ただ、外為市場では、軟調な米企業の決算発表を受けて株安が進み、原油相場の値下がりと相まって円が買い進まれる展開となった。

今週は米住宅関連指標、米耐久財受注(25日)、米10─12月期国内総生産(GDP)改定値(26日)などが関心を集めそうだ。日本では26日に1月CPIの発表がある。

一方、26─27日には20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が開かれる。相場混乱を受けた政策協調への期待が相場を支えるとの見方がある一方、「各国の置かれた状況はそれぞれ異なり、同床異夢」(別の国内金融機関)との見方も出ている。「失望する結果に警戒する必要がある」(あおぞら銀行の市場商品部部長、諸我晃氏)との指摘も聞かれる。週後半は、こうした思惑の揺れから、相場も不安定になりそうだという。

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中国人民元は「通貨アタック」に耐えられるか? ~加速する投機筋の不穏な動き

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/47963

中国通貨当局の「毅然とした態度」

いよいよ春節も終わり、中国がマーケットに帰ってきた。

この1週間、世界のマーケットは中国要因なしでも大荒れの展開であったが、春節が明け、今後は中国が再びマーケットの攪乱要因になる可能性が高い。マーケットの乱高下は当分おさまりそうもない。

春節明けの2月15日、中国の通貨当局は、事実上の「人民元切り上げ」措置を発動した。中国人民元は、1日の上げ幅としては、2005年7月以降で最大の上昇(前日比+1.2%)を記録した。

これは、中国当局が人民元売りを仕掛ける投機筋に対して「毅然とした態度」を示すことによって、人民元に対する「通貨アタック(人民元売りを仕掛けることによって莫大な利益を稼ぐ投資行動)」をやめさせようとする試みであろうと思われる。

これによって、人民元に対する売り浴びせは一時的に鎮静化する可能性はあるかもしれない。だが、これで問題が解決したとは言い難い。ほとぼりが冷めればまた、中国の外貨準備に対する懸念が出てくるかもしれない。

すなわち、事実上の金融引き締めを意味するかもしれない「人民元切り上げ」をしなければならないほど、中国通貨当局は外貨準備に対する警戒感を高めているという、逆のシグナルと解釈されるかもしれないからである。

ジョージ・ソロス氏の不穏な発言

このところ、中国の外貨準備は、主に人民元の買い支え(ドル売り介入)によって急激に減少している。

従来、中国の外貨準備は潤沢であり、「投機筋」による通貨アタックの可能性は低いと考えられてきた。だが、最近になって、中国が自国通貨買い介入に使える資金はそれほど多くないのではないか、という見通しが各方面から出てきた。そのため、人民元に「通貨アタック」を試みようとする動きが出始めているようだ。

例えば、1992年9月にイギリスポンドに大量の売り浴びせを仕掛け、巨額の利益を得たとされる「ヘッジファンドの帝王」ジョージ・ソロス氏は、今年のダボス会議の席上で、「中国経済のハードランディングは不可避である」との見通しを確信に満ちた表情で語った。

ソロス氏ほどの大物になれば、他のヘッジファンドやその他の投資家、及び、トレーダーたちがその投資行動を常に注目しており、その発言は市場に大きな影響力を与える。

これらの投資家たちが、ソロス氏の一言(もしくはそこから予見される投資行動)に合理性があると判断すれば、彼らがソロス氏の投資行動を模倣するという事態も想定される(「コピーキャット」といわれる)。

もっとも、ソロス氏の発言は、彼のファンドが投資の利益を確定させたいときや有利なポジションを作りたいときに、彼に有利な価格に誘導することを目的とした「ポジショントーク(当該資産の価格が今後も上がるとの見通しを伝えることによって資産価格を釣り上げ、その段階で資産を売却して利益を確定させる)」であるケースも多々あるため、額面通りに受け取ることは危険である。

だが、筆者の印象では、来るべき中国人民元の通貨アタックに備え、「参加者」を募っているようにもみえる。

中国の「外貨準備高」をどうみるか

ところで、為替介入によって自国通貨の下落を止めようとする場合、通貨当局は、自国通貨(中国の場合は人民元)を買う一方で他国通貨(多くの場合米ドル)を売却する。

このとき、自国通貨を購入するには外貨が必要だが、その外貨は通貨当局が米国の預金や(短期)国債で運用している外貨準備が用いられる。よって、自国通貨の買い介入を実施する場合、それだけ外貨準備が減少することになる。

このことは、通貨当局の保有する外貨準備が枯渇してしまうと、自国通貨買いによる通貨防衛が不可能になってしまうことを意味する(ただし、その国が、外貨準備を潤沢に保有する他国と「通貨スワップ協定」を結んでいる場合は、自国通貨と介入用のドル資金を交換することが可能になるため、追加的に外貨の調達が可能となる。だが、これにも限界がある)。

つまり、「投機筋」にとっては、外貨準備の枯渇がみえてきた段階で、通貨当局の買い支えができなくなる時点がある程度わかるため、その段階で、当該通貨(今回の場合は人民元)の大幅下落と、大量の売り浴びせによる巨額の利益がほぼ確実に見通せる。

あとは、デリバティブ等も駆使して「レバレッジ」をかければ、売り浴びせはほぼ成功する。その意味で、外貨準備の状況をどうみるかが通貨アタック成功のカギを握ることになる。

中国の外貨準備高は、昨年12月末時点で3.3兆ドルというのが公式発表である。だが、このところの減少ペースは著しく、この12月時点の残高は半年前の6月時点から4,000億ドル超の減少となっている(前年比では-15%弱)。

この先も同じペースで減少を続けると仮定すると、中国の外貨準備は約4年で枯渇することになる。投機筋がレバレッジをかけて売り浴びせれば枯渇までの年限はさらに短縮するかもしれない。

さらに、通貨防衛という意味で中国がこの公表された外貨準備高をすべて使えるかといわれれば、必ずしもそうではない可能性がある。IMFの統計マニュアルによれば、各国の外貨準備の定義はバラバラ、統一基準がない。中国の場合は、アフリカや中米諸国への融資残高も外貨準備に含まれているのではないかと言われている。

これらは当然、為替介入のために取り崩すことが不可能である。さらに、これらの国への融資の多くが、資源開発への援助であることから、資源価格がこれ以上下落する事態になれば、「デフォルト」する可能性も考えられる(現に、中国から巨額の融資を受けているとされるベネズエラのデフォルトが間近に迫っていると言われている)。

逆にいえば、投機筋は、これら中国からの融資を受けている国の通貨に投機アタックを加えれば、その分、人民元への通貨アタックを成功させる可能性はさらに上昇するかもしれない。その意味で、他の新興国通貨が先に通貨アタックの対象となる可能性もある。

人民元が「通貨アタック」を受けている証拠

ところで、米国財務省が発表する国別の「米国債保有残高統計」をみると、昨年11月末時点での中国の保有残高は1兆2,645億ドルとなっている。やや乱暴な見方だが、データの制約がある中、為替介入の対象となる通貨が米ドルであるとするならば、この中国の米国債保有残高をベースに中国当局の人民元防衛余地を考えた方がよいのではなかろうか。

そうすると、中国当局の投機的な通貨アタックへの耐性は、公表された外貨準備額の3分の1弱程度となり、さらに低下することになる。

筆者は、現段階で中国人民元は既に小規模ながら通貨アタックを受けている可能性が高いと考えている。これは、米中の短期金利差と人民元レートの関係をみるとよくわかる。

為替レートは短期金利差と密接な関係がある。特に人民元のように対ドルの変動幅が通貨当局によってある程度固定されている場合、中国側の短期金利は固定・誘導された為替レートにあわせて変動する。

そこで、米中の短期金利差と人民元の対ドルレートの関係をみると、外貨準備の減少が始まった2014年7月前後で大きな変化がみられる。すなわち、2014年7月以前は、米中の短期金利差は人民元レートの後を追うように変化していた。

短期金利は、国際金融市場の金利(米国がLibor、中国がShibor)をとっており、市場での需要関係で比較的自由に決まっている。一方、人民元の対ドルレートは、2005年7月以降、制度上はドルペッグ制を廃止し、一定の変動を許容する複数通貨のバスケット制に移行したといわれているが、「緩やかなドルペッグ制」ともとれる動きをしている。

このような状況では、中国通貨当局によって決定(もしくは先導)された人民元レートに沿う形で、中国の短期金利(Shibor)が決まり、その結果、人民元レートに遅行して米中の短期金利差が動いてきたと推測される。これは、先ほど述べた為替レートの制度と整合的な動きである。

だが、2014年7月以降の外貨準備の減少局面では、米中短期金利差が人民元レートに先行するようになっている。これは、通貨当局が、投機筋の通貨アタックによって逐次的に人民元切り下げを余儀なくされている状況を示唆していると、筆者は考える。

固定相場制崩壊までのメカニズム

このような状況から、2014年7月以降は、以下のようなプロセスで米中短期金利差と人民元レートが変動していると推測される。

① 規制のないオフショア市場(ロンドン、及び香港)で投機筋が人民元を売る

② 中国通貨当局は人民元レートの水準を維持するために為替介入を実施し、外貨準備が減少する

③ 通貨当局による為替介入は投機筋にとっては格好の利益機会となるため(いわば、当局が「言い値」で買ってくれるため)、人民元の売り圧力はますます強まる(ただし、この段階では当局の人民元買い介入によって下落は阻止されている)

④ 通貨当局は、通貨介入に加え、短期金融市場の短期金利を引き上げる(投機筋は、人民元を短期金融市場で調達してそれを売却するため、人民元の売却コストを引き上げようと試みる)

⑤ これによって人民元安は一旦は止まるが、ほとぼりが冷めると、投機筋は再び通貨アタックを始める

⑥ 通貨当局は「根気負け」して、小幅な人民元切り下げで妥協する

⑦ 人民元切り下げによって、一旦は人民元安の動きは止まる(投機筋の利益確定の意味もある)が、味をしめた投機筋はしばらくたつと再び通貨アタックを始める

以下、①に戻り、このプロセスを繰り返す……。

通常の場合、通貨当局による、なし崩し的な人民元切り下げは、一連の通貨アタックでの投機筋の勝利を意味するものであり、これが実現すると、通貨当局はずるずると人民元を切り下げざるを得なくなる。

しかも、この状態が繰り返されるに従って、通貨アタックに参加する投機筋は増えてくることが想定される。そして、いよいよ外貨準備の枯渇が見えてきた段階で一気に大量の人民元売りを仕掛けられ、最終的に人民元が変動相場制に移行するというプロセスが、基本的な通貨投機による固定相場制崩壊のメカニズムである。

いまの中国人民元はそのプロセスの初期段階に位置するのではないか。

中国関連市場の混乱はまだまだ続く

前述のように、2月15日の人民元レートの引き上げ措置は、中国当局が、投機筋による人民元売りに対して、毅然として態度を示し、通貨アタック拡大によるこれ以上のなし崩し的な人民元切り下げを回避しようとしたものと考えられる。

また、13日の中国経済誌『財新』のインタビューで、中国人民銀行の周小川総裁は、資本流出や外貨準備に対する懸念を否定し、人民元安が継続する根拠はないことを明言している。

だが、人民元レートの引き上げは事実上の金融引き締めを意味するため、国内経済にとっては強い逆風となりうる。国内経済のさらなる減速は、国内の富裕層の資本流出のインセンティブをさらに高めかねないため、この政策には整合性がない。

そのため、人民元安や資本流出を阻止しようとするならば、「資本取引規制」をかけるという手段もある。確かにこれは効果があるが、資本取引規制は、海外からの中国投資のリスクを著しく高めることになる。

中国の資本取引規制は、中国(主に企業だが)が海外で調達した外貨建債券の大幅下落を誘発し、債務の借り換えを困難にするリスクをもたらす。短期の対外債務の借り換えができなくなった場合、現段階では支払い可能であるが、新規の資金調達に支障をきたせば、中国国内の成長の大きな制約となり、今度は中国経済のハードランディングリスクを高めることになる。

このように考えると、通貨システムに関する国際協調(特に米中間での)がない限り、中国人民元に対する通貨アタックの流れと、最終的な帰結としての人民元の変動相場制への移行の流れは断続的に続くと考えざるを得ない。

また、米中での人民元レート安定化の協調を実現させるためには、米国に対し、何らかの妥協(例えば、東アジアでのプレゼンス後退など)を強いられる可能性が高いため、安全保障政策上、許容できないかもしれない。

以上より、中国人民元の切り下げ圧力は再び高まることが予想される。また、それにともなう中国関連市場の混乱はまだまだ続くと考えておいたほうがよいのではなかろうか。

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コラム:遠のく円安回帰、ドル110円割れに現実味

内田稔三菱東京UFJ銀行 チーフアナリスト

[東京 17日]
長らく下値目途とされた115円をあっさりと割り込み、110.99円まで下落したドル円相場は、そう簡単にドル高円安トレンドへ戻ることはないだろう。むしろ、従来にも増して円高への警戒が必要だ。

なぜなら、速度や値幅を増幅したのが投機筋だとしても、ドル円下落(円高)の根幹にあるのは、日本の経常黒字拡大や実質金利上昇といった歴然たる円高要素と考えられるためだ。つまり、投機筋の円買いは、こうしたファンダメンタルズ面での円高要因を見込んだ上で仕掛けられたとみた方がいい。

また、米国経済の減速を見越したドル安色もここから強まる可能性が低くない。昨年、すでにほとんどすべてのクロス円が下落したが、今年はいよいよ本丸とも言えるドル円においても、2012年暮れに始まった上昇トレンドが転換点を迎えた可能性が高い。

<実効性ある国際協調は期待薄>

今月下旬に、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議を控えていることもあって、こうしたドル円急落に対する国際的な協調を期待する声は高まっている。実際、11年3月、東日本大震災後のドル円急落の場面でも、円急騰を投機の象徴とみなし、主要7カ国(G7)は協調して円売り介入を実施し、一定の効果を得た。急激な資本流出入に翻弄される新興国にとっても、投機的な動きを封じ込めるメリットは小さくない。

ただ、各国の思惑は交錯し、足並みがそろう可能性は低い。例えば、一部でささやかれる協調円売り(ドル買い)介入など考えにくい。なぜなら、ドル高の結果、製造業がダメージを受けている米国にとって、足もとの緩やかなドル安に特に違和感はなかろう。多くの新興国にとっても、ドル独歩高の裏で進んだ自国通貨の急落が、輸入インフレ圧力の高進や対外債務の返済負担増という二重苦をもたらしてきた。円高が加速したと言っても、異次元緩和後の大幅な円安をみてきた後だけに、あくまでもこれまでの反動といった日本固有の問題としか映らないだろう。

また、資本規制を強化すると言っても、特別引き出し権(SDR)構成通貨入りを決めた中国にとって資本規制緩和は唯一残された宿題だ。国の威信にかけて、SDR入りに逆行する資本規制強化を回避する可能性が高い。実際、中国人民銀行の周小川総裁は、厳しい資本規制は不要との立場を示している。国際協調と言っても、実効性のあるコンセンサス形成は容易ではないだろう。

<揺らぐ「緩和=通貨安」の方程式>

そうなれば、市場はますます日銀の追加緩和への期待を高めよう。特に、マイナス金利付き量的質的金融緩和は、これまでの量と質の2次元に、金利を加えた3次元だ。欧州中央銀行(ECB)が3月に何らかの追加緩和策を講じた場合、少なくとも市場は日銀のゼロ回答を受け入れられないだろう。戦力の逐次投入を嫌うはずの黒田総裁の下であっても、今後、日銀による追加緩和の発動頻度が高まる可能性に身構える必要はありそうだ。

とはいえ、マイナス金利は、少なくとも現時点で円安に波及していないどころか、円高を招いた。期待インフレ率は低下し続けており、かえって実質金利は上昇。また、円の名目金利が非常に低いため、金利低下余地は限られる上、金利低下に対する円相場の感度も鈍い。

加えて、気掛かりなのは、その理由がどうであれ、昨年12月の補完措置や1月末のマイナス金利決定のいずれも、日銀が動いた後、意に反して円高が進んだ値動きを、市場が目の当たりにしてしまったことだ。昨年、幅広い通貨に対して円高が進んだ通り、マネタリーベースの拡大が、機械的に円安をもたらすわけではない。重要なのは、「日銀が動けば、為替は円安」との期待感だったはず。その点、次回の追加緩和後の為替相場の値動きは、極めて重要と言えるだろう。

<ドル円のストライクゾーンは105―110円>

仮に、国際協調が不発に終わり、金融緩和の効果に疑念が生じれば、ドル高円安期待は一層後退し、ドル円の下落不安は高まろう。今年に入って、投機筋の持ち高はすでに円ロングへと転じた上、通貨オプション市場のリスクリバーサルも、ドルプット円コール高を示している。

また、円安の一因でもあった非居住者の本邦株式投資は、昨年暮れから売り越しが目立つ。ここまでのドル円の下げ足が速かったため、しばらくの間、自律的な反発も想定されはするが、多くの市場参加者の相場観や水準観は、大幅な修正を余儀なくされたとみられる。

115円を上抜けすると、次第に戻り売り圧力は強まると考えられ、120円の大台回復が遠くかすむ。当方が試算する日米実質金利差から割り出すドル円のストライクゾーンは、105―110円圏。ドル高円安期待が大きく後退した今、ドル円相場がこの水準への引力に抗うことは容易ではないだろう。

しかも、昨年にならえば、2月から4月にかけ、配当金などの集積である第1次所得収支の黒字が、月間約2兆円に迫る規模となる。需給面では、依然ドル円への下押し圧力が加わりやすく、110円割れも現実味を帯びる。

唯一、こうしたドル安円高圧力に対抗し得るのが、マイナス金利に後押しされる日本発の対外証券投資フロー。もちろん為替ヘッジなしのオープンだ。ただ、大方の円安予想に反し、ドル円が大幅な値崩れを起こした局面で、渾身のドル買い円売りを行う投資家は、決して多くないだろう。

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緊急市場調査:中国減速が根幹、ドル中期的に100円も

東京 12日 ロイター]
ドル/円が1年3カ月ぶりに一時110円台に下落した背景について、みずほ銀行のチーフマーケット・エコノミスト、唐鎌大輔氏は、中国の景気減速懸念が根幹にあると指摘する。これが原油安や米景気減速懸念に波及しているとの見方だ。ドル/円は購買力平価などの観点から、中期的に100円を目指す可能性があると見込んでいる。

12日午前、ロイターのインタビューで答えた。

――市場に広がるリスク回避機運の背景には何があるのか。

「根幹は中国の景気減速懸念だとみている。米国の追加利上げ期待が後退しているのも、元をただせば中国の景気が減速し、これに付随して商品価格が急落していることなどに起因している。さらに足元では、欧州の金融システム不安が悪材料として加わっている。欧州中央銀行(ECB)が導入したマイナス金利の悪影響と原油安による低インフレが背景にあるが、これも根っ子にあるのは中国の景気減速である」

「中国の景気減速懸念の解消のめどは、早々には立たない。日本のバブル崩壊後の経験では、設備、雇用、債務は3大過剰と言われた。中国でも過剰設備や雇用問題の調整局面が訪れている。四半期単位でなく、年単位で捉える必要がある」

――3月末までのドル/円の下値めどはどのあたりか。

「100─105円への下落があってもおかしくないだろう。たしかに、2週間足らずで10円の下落はペースとしては急すぎるといえる。ただ、歴史的にドル/円の上値目途は企業物価ベースで見た購買力平価だった。これが今、100円である。また、経済協力開発機構(OECD)や世銀算出の購買力平価は105円だ」

「アベノミクスが盛り上がっている局面では『今後物価が上がり、購買力平価も、そのうち円安になるから問題ない。もはや経験則は通用しない』との見方が流布されてきたが、1月末、日銀は3度目の物価目標達成時期を先送りした。もうインフレが期待できないとなれば、『経験則が通用する世界』を想定すべきであり、購買力平価への回帰を想定したい」

――相場安定に効果が期待できる政策はあるか。

「震源地は日本ではないため、日本が政策発動しても根本解決につながらず、効果は限られる。リスク回避の根幹が中国なので、中国が政策を打つのが一番早い。ただ、中国の景気減速の発端は、リーマン・ショック後に打ち出された4兆元の景気対策から生じた過剰投資にある。さらに投資を促進したとしても実際の経済効果は期待しにくいが、目先の市場心理は改善するかもしれない。米国が追加利上げを諦め、再び緩和策に転じる場合、株価にはプラスだとしてもドル/円は下押しされる」

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