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90年代の円高再来? ドルの「実力」は急上昇

日本経済新聞 経済部 中村結、福岡幸太郎

外国為替市場が再びトランプ米大統領の発言に揺れた。「ドルは高すぎる」。トランプ氏が米ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)を通じ改めてドル高をけん制すると、13日の外為市場で円の対ドル相場は一時1ドル=108円台後半と5カ月ぶりの円高・ドル安水準を付けた。足元で高まっていた地政学リスクによる円買いと相まって、今回のトランプ砲は格好の円買い・ドル売り材料に。外為市場では、1980~90年代に起きた日米貿易摩擦時の円高・ドル安が繰り返されると警戒の声が出ている。

確かに、足元でドルは高い。米国の主要貿易相手国・地域の為替水準を基に相対的なドルの相場水準を算出する名目実効為替レートはトランプ大統領の就任後から3月末までに急上昇し、近年の上昇率でみると85年のプラザ合意前に匹敵する。JPモルガン・チェース銀行の佐々木融氏は「90年代前半の貿易摩擦時に起きた円高・ドル安を想起させる」と指摘する。

トランプ氏によるドル高けん制発言は今回が初めてではなく、むしろ市場は発言慣れしていたはず。だが今回は「直近の地政学リスクもあってドル売り方向に反応しやすいなか、投資家は材料を待っていた」(りそな銀行の井口慶一氏)。トランプ氏の今回のけん制がタイミングを図ったものかは不明だが、結果的には市場に格好の円買い・ドル売り材料を与えた。

日本の通貨当局などが発言しづらいタイミングだったのも、円買い・ドル売りに拍車を掛けた。みずほ証券の鈴木健吾チーフFXストラテジストは「来週には日米経済対話を控え、日本側は発言をしづらい。日本は円高を止められないと投資家が捉えれば投機的な円買い・ドル売りが加速する」と指摘。JPモルガンの佐々木氏は「北朝鮮を巡る地政学リスクも一段と高まれば、年末にかけて1ドル=100円ちょうど近辺もあり得る」と円高シナリオを描く。

歴史を繰り返すならば、円高・ドル安の後に訪れるのは輸出の自主規制や輸入の自由化、さらに米国での現地生産拡大だ。現時点では外為市場で日米の通商問題に発展するほどの警戒にはいたっていないが、少なくとも目先は円高・ドル安が進むとの予想は急速に高まってきた。円高に伴って日本株も下落基調へと風向きを変えており、米国によるドル高修正の動きは回復基調にある日本経済に水を差すかもしれない。

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