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米景気に漂う頭打ち感、円高呼ぶ

日本経済新聞 経済部 浜美佐

外国為替市場で円相場がじわりと円高に振れてきた。前日の海外時間に公表された米経済指標が前月を下回ったことをきっかけに米金利が低下し、ドル売りを促した。市場は統計のわずかな変化に、好調だった米景気の変調の兆しをかぎ取っている。

4日の円相場は1ドル=110円台半ばと、前日17時時点に比べて90銭前後の円高・ドル安が進んだ。円相場はこのところおおむね110~115円のレンジで膠着状態が続いてきたが、足元の水準は円高の上限に近づいている。

円買い・ドル売りのきっかけを作ったのは、米サプライマネジメント協会(ISM)が3日発表した3月の米製造業景況感指数だ。結果は57.2と、2年6カ月ぶりの高水準を付けていた前月(57.7)から0.5ポイント低下したが、事前の市場予測(57.0程度)は上回っていた。ほぼ市場のコンセンサス並みの数字が出たにもかかわらず、市場が動いたのはなぜだろうか。

市場が注目していたのは、個別項目の指数だ。「生産」の指数が57.6と、前月から5.3ポイント低下と大きく下がっていたのだ。さらに同日公表だった2月の米建設支出の伸びは市場予想に届かず、ゼネラル・モーターズ(GM)など米自動車大手が公表した3月の新車販売台数も低調だった。「好調を続けてきた米景気にやや頭打ち感が出てきた」(外資系証券)との受け止めが広がった。

米製造業の変化を最初にかぎ取り、まっ先に動いたのは米債券市場だ。統計公表後に米国債には買いの勢いが増した。米長期金利の指標となる米10年債利回りは3日、前週末比0.06%低い(価格は高い)2.32%と、2月27日以来およそ1カ月ぶりの低水準を付けた。

経済指標のわずかな悪化だけで、これほど金利が低下するのはやや意外感もある。JPモルガン・チェース銀行の棚瀬順哉氏は「米連邦準備理事会(FRB)が利上げに踏み切った3月にかけて積み上がった米国債売りのポジションがまだ市場に残っていることが金利の動きを大きくした」と指摘する。投資家のポジションが売りに偏っていた場合、統計などわずかな材料でも米国債が買い戻され、米金利に低下圧力がかかりやすくなる。米金利の低下は、日米金利差の縮小観測から円高を呼び込みやすくする。棚瀬氏は「3月以降の日米金利差と円相場の相関にもとづくと、110円を上回る円高が進む可能性は十分ある」と見る。

ただ、ポジション調整が足元の米金利低下を主導していた場合には、その解消が進めば、動きは止まる。相場の大きな方向感を見極めるには、経済指標を一つ一つ確認し、米経済が本当に曲がり角を迎えたのか確認するという基本に立ち返る必要がある。今週末の7日に公表を控える3月の米雇用統計はその試金石となりそうだ。

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